税金

【質問】まもなく定年を迎えますが、何十年も働いて手に入れる退職金にも税金がかかると聞きました。

具体的な税額の計算方法を教えてください。

【回答】退職金にも税金がかかるが退職控除で軽減される

残念ながら、退職金は非課税ではありませんが、通常の給与収入に比べて「退職所得控除」という大幅な優遇制度がありますので、納める税額は少なくなるように配慮されています。

退職金の税金の計算式は以下の通りです。

退職金の税金計算式

(「退職金」-「退職所得控除」)×1/2×税額=納める税金

まずは、退職所得控除から説明します。

退職所得控除額

退職所得控除は、次のルールで計算されます。

  • 勤続20年までは、1年ごとに40万円
  • 勤続21年からは、1年ごとに70万円

勤続年数別の早見表にまとめると以下の通りです。

【 勤続年数による退職所得控除額一覧(抜粋)】

勤続年数 退職所得控除額
3年 120万円
5年 200万円
8年 320万円
10年 400万円
15年 600万円
20年 800万円
25年 1,150万円
30年 1,500万円
40年 2,200万円

10年で400万円、40年ではなんと2,200万円の控除額があるので、長く務めるほど税金が少なくなるなります。

退職所得の税額

税額は累進所得課税なので、所得が増えるにつれて税率が上がるため、計算が煩雑です。

上記の計算式「(「退職金」-「退職所得控除」)×1/2」で求めた金額に対して、下図の税額を掛け合わせれば算出することができます。

退職所得控除速算表

【具体例】

「勤続20年で退職金1,000万円の場合」

  1. 退職所得:(1,000万円-800万円(退職所得控除))×1/2=100万円
  2. 納税額:100万円×5%×102.1%=51,050円(100円未満切り捨てで、51,000円)

概要だけ解説いたしましたが、詳しくは関連記事を参考にしていただければと思います。

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