(2019-9-18更新)

自己都合、会社都合退職に関わらず、ハローワークから失業保険をもらうことができたら、出来れば全部貰ってから就職したいと考えてしまいますね。

「早く就職したら損」

「今まで払った雇用保険料を取り返したい」

実は、失業給付が一定以上残っている場合、「再就職手当」として一括で支払われることをご存知ですか?

今回は、再就職手当をもらうための条件から金額の計算方法、支給日までを解説します。

再就職手当とは

再就職手当とは

ハローワークで失業保険の給付期間中に就職先が決まった場合に支給される手当で、一定の条件を満たした場合に、「給付日数の残日数」に応じで支払われるものです。

この手当が支払われるのは、次の狙いがあります。

  • 早期の就職を促す
  • 失業保険を全部貰い終わるまで、就職を遅らすことを防ぐ

もし、再就職手当が存在しなかったら、就職先が決まっても失業給付を全て貰い終わるまで、入社日を引き延ばしてしまうからです。

8つの受給要件

再就職手当は、給付中に就職すれば誰で支払われるものではなく、以下の8つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 7日間の待期期間後に就職、事業を開始した
  • 給付日数が3分の1以上残っている
  • 1年以上の勤務が見込まれている
  • 過去3年以内に再就職手当か常用就職支度手当をもらっていないこと
  • 求職申込前から内定してなかったこと
  • 退職前の会社と関係の無い会社に就職したこと(資本、人事、取引で密接関係が無い)
  • 就職後は、原則として雇用保険に加入すること
  • 【自己都合の場合】3か月の給付制限中の1か月目は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で就職すること

こんなに条件が多いと、もらえるのか不安になってしまいますが、通常は次の2つのポイントを確認しておけば大丈夫です。

確認しておく2つのポイント

【ポイント1】給付日数が1/3以上残っている

失業保険は、入社前日までの期間支払われますので、「内定日」ではなく「入社前日」に給付日数が3分の1以上残っていなければ対象外となってしまいます。

【ポイント2】1年以上の勤務が見込まれている

契約社員でも、「通常は更新される」という場合は支給対象となりますが、生命保険の外務員などで、契約更新に一定の売上目標の達成がある場合は、残念ながら対象外の可能性があります。

自己都合退職の場合

7日間の待期期間後に、3か月の給付制限期間がありますが、この給付制限の1か月目は「ハローワークか職業紹介事業者(※1)の紹介」で就職しないと支給されません。

(※1)職業紹介事業者とは、○○エージェントなどのことで、インターネットで求人を検索して応募できる転職サイトは対象外の可能性がありますので、事前にハローワークで確認しておくことをお勧めします。

会社都合退職の手当対象期間

会社都合退職の再就職手当対象期間

会社都合で退職(離職)した場合は、失業保険の申請後、7日間の待期期間を過ぎればいつ就職しても再就職手当が支給されます。

イラストの緑の期間に就職すればOKです。

自己都合退職の手当対象期間

自己都合退職の再就職手当対象期間

続いて、自己都合退職した場合は、失業保険の申請後、待期期間を過ぎても、「3か月の給付制限期間」があり失業給付が支給されません。

この給付制限期間の1か月目は、「ハローワーク」か「職業紹介事業者」の紹介で就職した場合のみ再就職手当が支払われますが、2か月目からは他の手段で就職しても支給対象となります。

イラストのオレンジの期間は制限がありますが、緑の期間に就職すれば安心です。

支給金額は?

次の計算式で求められた金額が支給されますが、給付日数の残っている割合によって支給率が異なります。

この給付残日数は、転職先の「入社前日」が基準になりますので、内定したら入社日を早めるほど支払われる金額が増えます。

再就職手当計算式

基本手当日額×給付残日数×支給率

  • 残日数3分の1以上:支給率60%
  • 残日数3分の2以上:支給率70%

例えば、給付日数90日、基本手当6,000円の場合、

  • 残日数60日:60日×6,000円×70%=252,000円
  • 残日数59日:59日×6,000円×60%=212,000円

支給残日数が3分の2以上あるか無いかで、貰える再就職手当の金額が大きく変わってきてしまいますので、1日も早く就職先を決めて入社することが得になります。

この手当は、入社祝いの臨時ボーナスと考えると分かりやすいですね。

(下に続く)

申請方法は?

申請から支払いまでの流れ

失業保険受給中に内定をもらえたら、ハローワークに内定をもらえたことの報告に行きます。

まず、ハローワークでは失業保険給付の終了のための手続きを行い、めでたく卒業となります。
「再就職手当」の支払いを受けるための手続きは、以下の通りです。

  1. 内定通知書や採用通知書などをハローワークに提出
  2. 再就職手当支給申請書を転職先に提出して記入してもらう
  3. 上記をハローワークに郵送する(入社1か月以内
  4. ハローワークから就業促進手当支給決定通知書が送られてくる
  5. 上記決定通知から1週間で振り込まれる

手続きが多そうですが、実際は、失業給付の終了手続きをすると、「再就職手当支給申請書」と返信用封筒を一緒にもらえますので、転職先に書いてしてもらい、封筒に入れて送るだけです!

支給日はいつ?

転職先に再就職手当支給申請書を記入してもらい、ハローワークに郵送すると、およそ1か月後に就業促進手当支給決定通知書が送られてきます。

この支給決定通知書が届くと、1週間後に金融機関に振り込まれますので、申請書を送ってから1.5か月で入金されます。

つまり、早く振り込まれるためには、入社後すぐに会社に申請書を記入してもらう事です。

再就職手当が振り込まれるまでの日数

ハローワークに再就職手当支給申請書を郵送後:1.5か月

再就職手当をもらってすぐ退職した場合

再就職しても、転職後の会社とどうしても合わなくて、すぐに退職してしまう事もあると思います。
こんな時は、再就職手当をもらった後に残っている支給日数分、失業給付を受けることができます。

例えば、90日支給残があり再就職手当を70%もらったら、27日分の失業給付が受けられますが、受給期限は、前回の離職日から1年間までです。

支給残90日で70%分の再就職手当を貰った場合
  • 90日-63日(再就職手当分※)=27日分

※再就職手当は、100日×70%=63日分支払われたため

つまり、すぐ退職した場合は、前回の続きを貰うことができるというイメージが分かりやすいと思います。

もちろん、新しい会社で1年以上(会社都合は6か月)働いてから離職すれば、通常の失業給付を受けられます。

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その他の就職促進給付

1.就業促進定着手当

就業促進定着手当とは、再就職手当の支給を受けた人で、離職前より給与が下がった場合に、下がった金額を最長6か月分支給される手当をいいます。

特に、年齢が高くなってからの再就職の場合、給与が下がる可能性があるので、その支援という意味があります。

受給要件は?

ただし、就業促進定着手当の受けるためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  1. 再就職手当の支給を受けたこと
  2. 同じ事業主に6か月以上、雇用保険の被保険者として雇用されたこと
  3. 再就職後の6か月間の平均賃金日額が、離職前より下がったこと

支給額

次の計算式で求められた金額が支給されます。

就業促進定着手当計算式

離職前の賃金日額-再就職後の賃金日額×6か月間の支給基礎日数(※1)

例:離職前に比べて日額2,000円下がった場合
10,000-8,000×180日=360,00円

(※1)支給基礎日数は、月給制の場合は暦日数で、日給月給制は算出基礎日数、日給制は労働日です。

上限額

就業促進定着手当は、無制限に支給されるものでなく、失業給付の残日数の40%(または、30%)が上限です。

基本手当日額×支給残日数×40%

ただし、再就職手当の給付率が70%の場合は、30%が上限です。

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2.就業手当

就業手当とは、失業保険の給付期間中に就職が決まったが、再就職手当の受給要件を満たせなかった場合に支給される手当です。

1年以内の期間の定めのある雇用や、パートタイム、アルバイトなどが該当します。

支給条件

支給残日数が3分の1以上かつ45日以上残っている場合

支給額

支給額は、次の計算式で求められます。

就業手当計算式

就業日×基本手当日額×30%

(1日当たりの上限は1,831円ですが、60歳以上65歳未満の人は1,482円となります。)

この就職手当は、1日当たりの金額が低いので申請するかどうかの判断が難しい制度です。

※参考リンク:ハローワークインターネットサービス「就職促進給付

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

再就職手当は、早期に就業すればするほど多くもらえる制度ですので、内定が決まったら入社日を先延ばしせずに、すぐに入社することをお勧めします。

特に、支給残日数2/3と1/3の差は大きいので、上手に活用して、ちょっとした臨時ボーナスをもらい、転職のご褒美にしてみてはいかがでしょうか。

なお、内定したら労働条件通知書をしっかり見て、労働条件の行き違いが無いか確認することが重要です。