(2020-7-2更新)

ITエンジニアの中でも、顧客との打ち合わせや仕様書などを作成するシステムエンジニアには、公的な資格がなくても、実務経験を積み重ねて昇給、昇進することができます。

特に、システムエンジニアになるための資格は存在しないので、資格を取る時間があるなら、どんどん仕事をした方が得策と考える人もいます。

逆を言えば、資格がなくても活躍できるからこそ、しっかりとした資格を取ることで、他人との違いを証明できると言えるのでしょうか。

今回は、システムエンジニア(SE)が取得することで、給与面や転職でメリットがある資格を紹介します。

システムエンジニアが資格を取る理由

システムエンジニアが取るべき資格

1.給与や昇進が有利

システムエンジニアは、顧客と直接取引する企業、いわゆる元受け(直受け)で働いていることが多く、他のサラリーマンと同じように、勤続年数や人事評価制度で昇進、昇給をすることが多いです。

この時、難易度の高い資格を保有していることで、評価されやすい傾向にあり、また、会社の推奨資格として昇進の条件になっている場合もあります。

また、資格手当として、基本情報技術者の保有者には毎月5,000~10,000円、応用情報技術者の保有者には毎月10,000~20,000円程度支給されることもあります。

2.転職に有利

転職では、職務経験をどれだけ積んでいるかを選考のポイントとして重視されます。

ただし、職務経験書では、一部分しか関わっていないのに、「○○プロジェクトで成果を上げた」などと誇張して書くこができ、いざ採用してみたら「何もできない」使い物にならない事もあります。

もちろん、資格があるだけではダメですが、職務経験とそれに相応しい資格があれば、面接官も安心できるので、ライバルに差をつけるために、実績と同等の資格があることが望ましいです。

例えば、プロジェクトマネージャ(PM)としての職務経験と、プロジェクトマネージャ資格を併せ持つことです。

3.客観的にスキルを証明できる

システムエンジニアとして顧客と打ち合わせする際には、名刺交換をしたり自己紹介をしたりすると思いますが、この時、どんな資格を持っているかをアピールできるかどうかで、相手の見る目が変わってきます。

また、会社によっては、名刺に「情報処理安全確保支援士」などの保有資格を記載することがありますので、所有していると客観的に能力が証明できます。

システムエンジニアが取るべき資格

資格には国家資格と民間資格があり、システムエンジニアに有用な資格には数多くの国家資格が用意されていいます。

まず、この11種類の国家資格を目指すことから始めます。

国家資格情報技術者試験体系図

基本情報技術者試験(FE)

最初に取るべきは、基本情報技術者(FE)です。
実は、入門資格として「ITパスポート」がありますが、これはITエンジニア以外の一般社会人向けなので、敢えて取る必要がありません。

ただし、「基本」と名前は付いていますが、合格率が20%程度なのでしっかり対策が必要で、

  • 午前:ハードウェア、ソフトウェア、データベース、ネットワーク
  • 午後:情報セキュリティ、データ構造及びアルゴリズム、ソフトウェア設計・開発、マネジメント、ストラテジ

と多岐に渡っていますので、仕事の合間に勉強して、半年~1年かけて合格を目指すことになると思われます。

応用情報技術者試験(AP)

基本情報技術者の応用編で、出題範囲自体は同様ですが、それぞれを深堀りした高い難易度となっているので、基本情報技術者の数倍の勉強時間がかかると思われますので、2~3年と長期戦となることを覚悟しておく必要があります。

もちろん、取得したら保有者に相応しい給料や待遇が待っていることでしょう。

(下に続く)

システムアーキテクト試験(SA)

応用情報技術者より高度な知識を要求されるレベル4に位置付けされていますが、実は、システムエンジニアの仕事内容に近いので狙いやすい資格です。

試験内容は、情報システムの全体的な構造を設計したり、開発に必要となる要件を分析、整理し、取りまとめるなど、情報システムの企画・立案から要件定義、ソフトウェアの設計・開発、テスト、運用及び保守についての検討を行うなどですので、馴染みのある内容が多く出題されます。

プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトマネージャ試験は、システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案すること、必要な要員や資源を確保すること、予算、工程、品質などを管理することなどができることを試験として問われます。

現在、プロジェクトリーダーやマネージャをされている場合は、試験を取得することで、正しい知識が身に付き、現在の業務の幅が広がることが期待できます。

ベンダー資格(民間)

ベンダーの資格は、WindowsServerの案件が多い場合はMCPを目指すなど、業務状況に応じて取得しますが、システムエンジニアが優先する資格は、国家資格である情報技術者試験であることには変わりありません。

【OS系】

  • マイクロソフトMCP(MAT、MCSA、MCSD、MCSE、MCSM)
  • LPIC(Level1~3)

【データベース】

  • オラクルマスター (ORACLE MASTER)

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(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

転職では実務経験が重要視されますが、資格を持っていないと「本当に実務ができるのだろうか?」と疑問を持たれてしまう事があります。

日常業務で忙しいとは思いますが、時間を作って紹介した資格を取得しておくことで、

「実務経験+関連資格」

資格に裏付けられた経験を証明することができるので、面接官も安心して評価することができます。

なお、勉強時間が足りない場合は、早起きや通勤時間を活用してみてはいかがでしたでしょうか。

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