(2020-7-23更新)
ビジネスでは、言いにくいことを伝えたり、頼みごとをしたりする場面に出くわすことがあります。
そんな時にストレートに言ってしまったら、相手との信頼関係が壊れてしまい、頼みごとを聞いてもらえないことだってあります。
こんな時には上手に使いたいのが、「ビジネス枕詞」と呼ばれる魔法のようなクッション言葉です。
今回は、ビジネス枕詞を使いこなしてコミュニケーションを円滑にする方法を解説します。
ビジネス枕詞とは
ビジネスのコミュニケーションで、本題の前に用いて、口調や相手の受ける印象を柔らかくする言葉をいい、頼みごとや厳しいことを言う時に、クッションになってくれます。
仕事のできる人や交渉の上手い人は、このビジネス枕詞を上手に使いこなして、仕事を円滑に進めているので、
「あの人に頼まれたら断れない」
こんな気持ちになるのもビジネス枕詞の特徴なのです。
ただし、やみくもに使えばいいものでなく、場面に応じて使い分けられるようになって初めて一人前です。
次から具体例で説明しますので、例文と一緒に覚えてしまいましょう!
1.依頼する時に使う枕詞
ビジネスで頻繁に使われる言葉で、次のような場面で使います。
- 書類に記入してもらう
- 社名や氏名を聞く
- 調べてもらう
- 相手に行動してもらう
こんな場面で、相手に直接お願いごとを言ってしまうと、「見下している」「失礼な人」を気分を害されてしまいますので、和らげるために枕詞は必須です。
例えば、相手が記入漏れをしている時に書いてもらう場面では、こちらに全く非はありませんが、それでも枕詞で相手の気分を損なわない配慮が必要なのが、ビジネスの難しいところです。
さらに、お願いごとをする時は、相手が命令されたと受け取られないように、「確認していただけますか?」や「記入していただけないでしょうか?」とやわらかい表現を用いて、相手の気分を害さないように注意します。
依頼の時に使う例文を紹介しますので、スラスラ言えるように練習してみてください。
- 恐れ入りますが、こちらの書類を確認していただけますか?
- お手数ですが、こちらに記入していただけないでしょうか?
- ご面倒ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
- 差し支えなければ、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
- ご多忙中とは存じますが、期日までにご連絡をお願いいたします。
- ご足労おかけいたしますが、明日お待ちしております。
2.断る時に使う枕詞
企業で働いていると、あちこちから依頼が入ると思いますが、経営や日程などの理由で、すべてを引き受けることはできませんね。
- 提案を頂いたが、検討の結果見送り
- 見積もりを貰ったが、条件が合わなかった
- 依頼を受けたが、日程が合わなかった
- 飲食の誘いを断る
ビジネスの場では、どうしても断らざるを得ない場面がありますが、今回は断るけど相手に不快な思いをさせたくない、そんな場面に使います。
特に、断ったことで今後のビジネスに悪影響が出ないように、言葉遣いには気を使う必要があります。
- (大変)申し訳ございませんが、ご期待に添えかねます。
- 大変申し上げにくいのですが、ご提案をお受けすることが出来かねます。
- せっかくですが、今回はお見送りさせていただきます。
- 残念ですが、今回はご遠慮させていただきます。
3.反論する時に使う枕詞
続いては、相手の意見を否定しなければならない時に使う表現です。
- 費用の算定が低い
- 前提条件が現実的ではない
- 需要の予測が甘い
- 時期が悪い(今じゃないでしょ)
断る場合と異なり、内容は良いが「部分的に納得できない」「予算が合わない」という場面で反対意見を述べて、相手に見直しや撤回を求める場合に使います。
ここで重要なのは、相手の意見には反論するが、相手自体を否定する訳ではないので、相手の顔は立てなければならないことです。
真っ向から反対意見の言ってしまったために、今後の取引が無くなってしまうことは避けなければならないので、相手の顔を立てるために慎重に言葉を選ぶ必要があります。
- ごもっともですが、今回の状況を考えると厳しいのではないでしょうか。
- おっしゃる通りですが、この予算では厳しいのではないでしょうか。
4.感謝する時に使う枕詞
ビジネスで人間関係を円滑にするために、相手の言動に感謝する時に使います。
- おかげさまで、商談がまとまりました。
- おかげさまで、無事やり遂げることができました。
何か成果を上げた時に、上司に対して使うことが多い表現で、実際に上司は何もしてなかったとしても、「おかげさまで」と感謝の意を伝えておくことが、後々の人間関係にとって重要です。
5.お褒めの言葉への返事
上司から褒められたときに何て返せばよいか変更に詰まることがあると思います。
こんな時に使える言葉で、相手の顔を立てつつお礼を返す場面で使用します。
- もったいないお言葉です。
- 身に余るお言葉です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今まで、コミュニケーションで苦労されていたなら、ビジネス枕詞を上手に活用して、少しでも人間関係を良好になるのではないでしょうか。
ただし、便利な枕詞も多用したり誤用したりすると、効果がないだけでなく、逆にコミュニケーションがギクシャクすることもありますので、時と場合で上手に使いましょう。
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恐れ入りますが、お手数ですがなどを適切に使える人は、あたりが柔らかいです。
ビジネス枕詞という名前が付いているんですね。
例文があると丸ごと覚えてすぐ使えるので参考になります。
コメントありがとうございます。
いつからそう呼ばれるようになったかは定かではありませんが、ビジネス枕詞と呼ばれています。
使いこなせると言葉の幅が広がりますからね。
ビジネス枕詞(クッション言葉)は、ビジネスの基本です。
使いこなせないと、コミュニケーションが円滑にできなくなります。
ビジネス枕詞を上手に使いこなしている人は、ビジネスが円滑に進んでいますね。
枕詞は、使う場面で使わないと相手が傷ついてしまうし、使いすぎるを逆によそよそしくなってしまいますから、バランスも必要ですね。
ビジネス枕詞を使いこなせるかで、相手からの印象は随分かわるもんです。
ビジネス枕詞はクッション言葉ですから、相手の気分を害しないでお願いしたり断ったりすることができるとても便利な言葉です。
管理人たなです。
「お褒めの言葉への返事」を追記しました。
上司から、「今回の商談は君のおかげだよ」などと褒められた時には、
もったいないお言葉です。
身に余るお言葉です。
このように謙遜して返したいですね。
本音は、「当たり前だよ。どんだけ頑張ったと思ってるの」と思っても、上司の顔を立てるのが人間関係では重要なことです。
ビジネス枕詞は相手の感情を害さない・顔を立てる重宝する言葉ですが、できればもう少し例文を増やしていただけないでしょうか。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。
ご指摘ありがとうございます。
読み返してみると、確かに例文が少ないですね。
こちらも、良い例文を増やしてみなさんのお役に立てるようにしますので、今しばらくお待ちください。
いつも拝見しています
恐れ入りますがとお手数ですがの使い分けはありますか?
どちらも同じように使えそうですが
コメントありがとうございます。
ご質問の件でですが、両者の違いには込められた意味が異なります。
「恐れ入りますが」:申し訳ありません、失礼ですが
「お手数ですが」:手間・労力を取らせて申し訳ありません
参考にしていただければ幸いです。
管理人たなです。
ビジネス枕詞は、交渉の場だけでなく電話や会議などの多くの場面で、クッション言葉として使われます。
上手に使いこなすことで、相手との関係を崩さずに仕事を進めることができる魔法の言葉です。