(2022-8-31更新)
長年勤めてきた会社を退職したけど、まず何から手を付ければいいのだろうか?
「退職したら、まず旅行でリフレッシュしたい」
退職後は、リフレッシュや転職の応募書類を作り始めるのもいいですが、その前に公的機関への手続きを済ませることが先決です。
今回は、会社を退職したら行う社会保険やハローワークの手続きを解説します。
1.雇用保険
最初に行う手続きは、ハローワークで失業給付(失業手当)の申請です。
会社都合退職であっても、自己都合退職であっても、失業給付の申請は最初に行います。
自己都合退職なので、待機期間が3か月あるから、それまでに決まると思って申請しない人がいますが、転職活動を始めて1~2か月間で転職先が決まることは少なく、多くの人は3~6か月間かかっていますので、長期の転職活動に備えて、失業給付の申請をしておくべきです。
また、ハローワークは、失業給付だけでなく職業相談や求職活動、さらに、職業訓練も行っていますので、退職したら最初に行く場所と、管理人は考えております。
【ハローワーク関連記事】
ハローワークとは?失業給付の申請方法と職業訓練制度のフル活用を
受給要件
失業給付は誰でも受給できる訳ではなく、失業給付を受けるための条件を受給要件と呼んでおり、この受給要件を両方とも満たす必要があります。
【 失業給付を受けるため2つの受給要件 】
- すぐにでも働くことができること
- 離職の日以前2年間に12か月以上雇用保険に加入していたこと(会社都合退職の場合は、過去1年間に通算6か月以上加入で可)
「すぐにでも働くことができること」とは、明日からという意味ではなく、就業先が決まれば通常の日程で入社できるということです。
今スクールに通っていて、6か月後じゃないとダメという場合は除外されてしまいますので注意しましょう。
【失業保険の関連記事】
必要書類
雇用保険の申請には以下の書類が必要ですので、退職前に確認しておきましょう。
雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証は、横長か長方形の小さな紙で、在職中は会社に預けている場合もあります。
※手元にない場合は、退職前に確認です!
雇用保険被保険者離職票
退職後に会社から送られてきますが、退職前に請求しておいた方が、早く入手できると思います。
また、送付を渋ったり、送ってくれない場合、会社に取りに行くしかありません。
通常、退職後1週間程度で入手できますが、催促すれば、3日程で受け取れます。
どうしても入手できない場合は、ハローワークに相談することができます。
※退職前に確認です!
個人番号(マイナンバー)
2018年1月より、申請時にマイナンバーが必要となりました。
次のいずれかを持参してください。
- 個人番号カード
- 通知カード
- 個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)
本人確認書類
次のいずれかを持参してください。
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- マイナンバーカード
- 官公署が発行した身分証明書
- 資格証明書(写真付き)
- その他(ハローワークにお問い合わせください)
上記がない場合は、次のいずれか2点を持参してください。
- 公的医療保険の被保険者証
- 児童扶養手当証書
- その他
写真
写真は、縦3.0cm×横2.5cmのサイズが2枚必要になります。
免許証のサイズが、縦3.0cm×横2.4cmなので、横が1mm広いです。
私が申請したときは、スピード写真で全部くっついたまま持参したら、カットしてくれましたが、すべてのハローワークがカットしてくれるか分かりませんので、切ってから持参してください。
今後、転職活動で証明写真が大量に必要になりますので、写真屋で撮影しておきましょう。
蛇足ですが、データCDがもらえる写真屋を選んでください。
これは、WEBでの転職活動では、履歴書(写真も)、職務経歴書をデータで送ることになるからです。
印鑑
三文判でOKです。
本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
申請時に銀行口座の情報も登録するため必要です。
都市銀行やハローワーク管轄内に支店がある銀行、または、ゆうちょ銀行なら大丈夫そうですが、一部指定できない金融機関がありますので、事前に確認し、自分の銀行に振り込みできなかったら、口座を開設しておきましょう。
手続き
雇用保険受給者初回説明会
ハローワークに申請に行き認定されると、雇用保険受給者初回説明会の受講日時を指定され、「雇用保険受給資格者のしおり」をもらえます。
雇用保険受給者初回説明会は、近くの会場を貸し切って行われる場合が多いです。
この説明会は参加が必須で、この説明会に参加することで「求職活動」をしたことになるオマケ付きです。
またこの説明会で、失業給付の支給日が通知されることになります。
給付を受けたことがある人は分かると思いますが、今後の給付は、4週間ごとの「同一曜日」となります。
そしてこの曜日は、申請に行った曜日と同じです。
つまり、火曜日に申請に行った場合は、給付日も火曜日となるわけです。
失業給付の受領
失業給付の受領と書きましたが、直接お金をもらえるわけでなく、銀行振り込みです。
正確に書くと、「認定日」といい、前回の認定日から求職活動をしたかチェックされに行く日です。
4週間に2回以上活動をした(初回のみ1回)ことが認められて支給されるルールとなります。
再就職手当
再就職手当とは、失業保険の給付日数が残っているうちに就職先が見つかった場合に支給される手当です。
具体的には、基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。
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2.国民年金
手続き場所
会社を退職したら、加入していた厚生年金を脱退するので、代わりに国民年金に加入します。国民年金への加入は、市区役所、町村役場に行きます。
国民年金は、そのまま加入する方法と、付加保険料(400円)を上乗せして納める方法もあります。
付加保険料を納めることで、将来受け取る年金額を増やせますので、窓口で確認してみて下さい。
持参物
次のものを持参してください。
- 年金手帳
- 退職年月日が証明できる書類(離職票など)
- 印鑑
3.健康保険
国民健康保険に加入する場合
手続き場所
国民健康保険への加入は、市区役所、町村役場の国民健康保険の窓口で行います。
持参物
国保の手続きに必要なものは次の3種類ですので、各1点ずつ持参します。
1.健康保険の資格の喪失日がわかる書類(退職日が分かる書類)
- 社会保険資格喪失証明書
- 離職票
- 退職証明書
2.個人番号確認書類
- 個人番号カード
- 通知カード
- 個人番号が記載された住民票の写し
- 住民票記載事項証明書
3.身分証明書
- 個人番号カード
- 運転免許証
- パスポート
個人番号(マイナンバー)カードがあれば、個人番号確認書類と身分証明書の両方を兼ねることができるので、マイナンバーカードと離職票だけで手続きできます。
国民健康保険料軽減制度
会社都合による退職の場合は、国民健康保険の保険料が最大2年間軽減される制度があるので活用しないと損です。
詳しくは、以下関連記事で解説しています。
社会保険を任意継続する場合
社会保険の任意継続とは、会社を退職前に加入していた健康保険に、最長2年間継続加入できる制度です。
在職中は、社会保険の保険料を、会社と労働者が折半して納めていましたが、任意継続になると、会社負担の分も自分で納めることになるため、基本的には割高となります。
ただし、扶養家族が多い場合や在職中の給与がそれなりに多かった場合は、任意継続のほうが安くなる場合があります。
お住いの市区町村の国民健康保険料を試算して、安かった場合は検討してみるのがいいでしょう。
手続き場所
在職中に、各健康保険組合に問い合わせてください。
退職後、20日以内に手続きを行う必要があるので、退職してから入りたいと言っても間に合いません。
持参物
次のものを持参してください。
- 任意継続被保険者資格取得申出書
- 印鑑など
社会保険の任意継続と国保加入のどちらがお得かを、関連記事で詳しく解説しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
退職後の手続き自体は簡単で、ハローワーク、役所の順に回れば、ハローワークの混雑状況によりますが、通常は半日もかからず終わります。
ただし、退職前に必要書類を確認しておかないと、「あれがないこれがない」とあたふたしてしまい、いつまで経っても手続きが終わりませんので退職日までに一通り確認しておくことが肝心です。
なお、退職すると会社の健康保険証は使えませんので、医者にかかっている場合は国保の手続きだけ先に済ませて、国民健康保険証を入手しておく方法もあります。
くれぐれも退職後に社会保険証を使うことの無い様に注意しましょう。
管理人たなです。
「国民健康保険に加入する場合」の内容を修正が完了いたしました。
手続きに必要な書類を次の3種類と分けましたのでよろしくお願いいたします。
1.健康保険の資格の喪失日がわかる書類(退職日が分かる書類)
2.個人番号確認書類
3.身分証明書
国保の手続きに必要なものが、記載されているもの全て必要と勘違いされそうです。
実際には、個人番号、身分証明書、離職がわかるものです。
ご指摘ありがとうございます。
確かに、全て持参と思われますので、記事を修正します。