会社を退職したが、すぐに次の会社に勤める予定がない時は、当然のように国民健康保険に加入するものだと思ってしまいますが、実は社会保険を継続した方が保険料が安くなる場合があります。

今回は、社会保険の任意継続制度と、どのような場合に保険料が安くなるかを解説します。

任意継続制度とは

健康保険

会社を退職後も、退職前の健康保険に継続して加入する制度のことで、最長2年間社会保険を継続することができます。

任意継続の加入方法

任意継続は退職後20日以内に手続きをしないと加入できませんので、退職前に加入している健康保険協会(組合)に確認しておくとよいでしょう。

協会けんぽでは、扶養家族がいる場合に、住民票所得証明書が必要になる場合があります。

なお、全国健康保険組合(協会けんぽ)の場合は以下のページを参照して手続きをしてください。

外部リンク:協会けんぽ「任意継続被保険者資格取得申出書

国民健康保険と社会保険の違い

入院や通院などで医療機関にかかった時に支払う医療費や薬代は、小学生から70歳未満の場合は自己負担3割とどちらも変わりません。

自己負担は変わりませんので、社会保険を任意継続するか国民健康保険にするかは、単純に保険料を比較して決めます。

保険料は会社が50%負担している

在職中に払っていた社会保険料と、市区町村の国民健康保険料を比較しますが、先に注意点をあげておきます。

社会保険の注意点

  • 保険料は、会社(雇用者)が半分負担している
  • 社会保険の任意継続をすると、会社負担分を自分が支払わなければならない
  • 扶養家族がいても保険料は変わらない
  • 任意継続の場合、標準報酬月額の上限は28万円

国民健康保険の注意点

  • 扶養家族がいると、その人数分の保険料が増加する

任意継続が安くなるのはどんな人?

実際に、社会保険の任意継続をした場合、保険料が安くなるのはどういった人でしょうか?

年収が高い人

任意継続した場合、どんなに年収が高くても、標準報酬月額が28万円が上限になりますので、ひとことで言えば年収が高い人は、任意継続をした方が保険料が割安になります。

扶養家族が多い人

社会保険の場合は、収入が同じ場合単身者でも扶養家族が多い人でも保険料は一定ですが、国民健康保険の場合は、扶養家族の人数に応じて保険料が増加しますので、扶養家族が多い人ほど任意継続が割安になりがちです。

(下に続く)



保険料シュミレーション方法

任意継続の保険料計算方法

任意継続の場合は、在職中に会社が半分負担してくれた分がなくなりますので、現在支払っている保険料の2倍の金額になります。

ただし、それだと保険料の負担が大きくなってしまいますので、標準報酬月額の上限金額が28万円として設定されています。

任意継続の場合、どんなに月収が高くても、「月収28万円」として保険料が計算される。
(月収28万円未満の場合は、実際の月収で計算)

標準報酬月額28万円に、保険料率(9.63~10.61%※)を掛け合わせてあげれば、毎月の保険料が計算できます。

保険料率は、都道府県ごとに異なり、平成30年度の場合は一番安い新潟県が9.63%一番高い佐賀県が10.61%です。
各都道府県ごとの保険料率は以下のホームページを参照にしてください。

外部リンク:協会けんぽ「平成30年度都道府県単位保険料率

【計算式】任意継続の保険料(月額)

  1. 現在支払っている保険料×2
  2. 標準報酬月額28万円×保険料率(9.63~10.61%)
  3. 上記(1)と(2)の少ない方

国民健康保険の保険料

国民健康保険の保険料は、運営母体である各市区町村によって異なりますので、お住まいの市区町村のホームページで確認するか役所(役場)に問い合わせれば教えてくれます。

一例として、保険料の目安を試算しましたので参考にしてください。

渋谷区の場合(単身者)

  • 年収300万:202,686円(16,891円/月)
  • 年収400万:273,282円(22,774円/月)
  • 年収500万:349,602円(29,134円/月)

横浜市の場合の場合(本人と配偶者が加入)

  • 年収300万:233,590円(19,465円/月)
  • 年収400万:301,670円(25,139円/月)
  • 年収500万:375,270円(31,272円/月)

【目安】任意継続が安くなる年収

保険料比較

社保の任意継続と国保の保険料を比べて、どちらが安くなるかは個別に計算しないと言いきれませんが、あくまでも目安として掲載しますので参考にしてください。

【参考】任意継続が安くなる年収目安

  • 単身者:年収500万円
  • 本人と扶養家族1名:年収450万円
  • 本人と扶養家族2名:年収400万円

まとめ

いかがでしたでしょうか。

退職後は、国民健康保険だけでなく社会保険の任意継続という方法があるということをおわかりいただけたと思います。

退職後は何かとお金がかかりますので、保険料が少しでも節約できれば家計が助かりますので、多少手間はかかりますが任意継続という方法も検討しても損はありません。

なお、退職後にする手続きについては関連記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。