(2020-6-11更新)

突然の倒産で、今まで10年間働いていた会社を退職し、初めての転職活動をすることになった。

「定年まで働くつもりだったので、資格は持っていない。」

「運転免許だけ持っている(笑)」

新卒で入社後、ずっと同じ会社で働いていると、資格はそれほど意識することがないので、持っていない人も多いと思います。

今回は、資格の有効性や資格がない場合の上手なアピール方法を解説します。

資格がないと選考に不利か

資格がなくても不利ではない

資格は、自分の能力を客観的に証明するものであり、資格がないと業務に就けない場合や、昇進・昇格などの要件でないと、わざわざ取得しようと思わないですよね。

「日常業務が忙しくて資格の勉強ができない・・・」

転職予定がない人は、資格の勉強よりも業務で結果を出すことを優先させるので、わざわざ資格の勉強をする必要性が乏しく、いざ、転職しようとする時に困ってしまう訳です。

はたして、資格がないと転職に不利なのでしょうか。

履歴書_資格欄

結論から言うと、資格がないからといって転職に不利になることはないです。

では、実際の選考時には資格はどのような位置づけなのでしょうか?

資格より職務経験

選考時には、資格と職務経験をどちらを優先するか気になりますね。

看護師や保育士などの資格が無いと仕事が出来ない場合を除いて、若いうちは保有資格で採用につながることが多いですが、年齢が上がるにつれて、職務経験が優先される傾向があります。

面接官は資格と経験どちらを重視するか?

新卒・第二新卒:資格>職務経験

中途採用:職務経験>資格

メーカーの人事担当者に資格をどれほど重視をするか伺ったら、

「資格は参考にはしますが、30代、40代ともなれば、今まで何をしてきて、どんな経験を積んだのかで判断します

このように、資格よりも何ができるか、何をしてきたかを重視しているとのことでした。

企業は、中途採用に即戦力を求めており、職務経験重視なのは当たり前のことです。

職務経歴書で積極的にアピールする必要がある

ただし、資格欄が寂しいと、書類選考で不合格になりやすいことも事実です。

何故かと言うと、人気の求人ともなると、100人以上の応募者が集まこともザラなので、採用担当者は履歴書、職務経歴書を熟読しないで、「ななめ読み」するために、アピール不足となりやすいからです。

人気の求人=応募者殺到でアピール不足になりがち

資格欄が寂しい分、職務経歴書で職務経験を豊富にして、全体のアピール不足を補う必要があります。

人事担当者に「ちょっと会ってみようかな」と思わせるような、ちょっとおおげさな職務経歴書を作ることがコツです。

資格に頼らないスキルのアピール方法を、以下関連記事にまとめていますのでご覧ください。

【関連記事】

転職したいけどスキルが無い人におすすめしたい自己分析方法!

【面接対策】合格したければ自己紹介を1分間でまとめること

資格が必要な職業、職種

ここで資格がないと業務ができない職業をおさらいします。

業務独占資格

資格がないと仕事ができない職業の代表格が、弁護士、司法書士、医師、税理士、建築士、土地家屋調査士等の業務独占資格です。

必須資格

業務独占資格以外にも、有資格者の設置義務があったり、専門知識を証明することができる以下の資格は有利となります。

  • 不動産業界:宅地建物取引士、測量士
  • 工場や保守:電気主任技術者、危険物取扱者
  • 飲食業:栄養士、調理師など、

アピールできる資格

資格の勉強

それでは、業務に資格が必須とされていない場合は、資格が必要ないかというと、もちろんそんなことはありません。

資格威力を発揮するのは、どんな場面でしょうか。

職務経験に関連した資格

鉄板といえる組み合わせです。

例えば、経理経験があり、簿記(2級以上)や税理士(1科目でも)持っていれば、採用に大きく近づきます。

この職務関連資格の場合は、たとえ「資格取得に向けて勉強中」であっても、履歴書に記入して、やる気をアピールしましょう。

記入例:「日商簿記検定1級取得に向けて勉強中(2018年11月に受験予定)

有利な資格一覧

次は、職務経験に直接関連はしてないが有利な資格もあり、例えば、社会人に必須スキルなどの資格や語学など、知見が広がるなどのプラスアルファになる資格があります。

次の資格は、転職に「有利」に働くことがあるので、時間に余裕があれば取得しておきたいものです。

事務・管理系職種

  • 日商簿記検定
  • 社会保険労務士
  • 中小企業診断士
  • マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)
  • TOEIC

研究・技術系職種

  • 危険物取扱者
  • 電気主任技術者
  • 技術士・技術士補
  • CAD利用技術者試験

IT系職種

  • マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)
  • シスコ技術者認定(CCNA/CCNP)
  • LPIC
  • 基本情報技術者・応用情報技術者
  • プロジェクトマネージャー
  • ネットワークスペシャリスト
(下に続く)

面接でのアピール方法

知り合いの営業マンのCさんが、実際に面接で使った応答例です。

面接官:「営業職で、なぜ簿記を取得しようと思いましたか?」

Cさん:「営業には、顧客の与信管理も求められます。財務諸表の見方が分からなければ、財務状況のちょっとした変化に気づくことができません。そのために、簿記を勉強して正しい見方を学びました。」

この例のように、一見、直接関係ないと思われる資格は、ストーリーで論理的に説明することで、

「しっかりしている人物」

「そこまで考えて仕事をしている人物」

と資格以外の評価ももらえるメリットがあります。

上記のように、面接官にあえて質問させて、完璧な回答で加点を狙う作戦もありではないでしょうか?

「なぜその資格を取得しようと思ったか?」

「その資格を仕事にどう活かすか?」

また、女性に人気の事務職に転職する場合は、コミュニケーション能力や面倒見の良さなどの内面を前面に出して、自分をアピールすることがコツです。

【関連記事】

事務職は楽ではない!転職で成功するための2つの方法は?

未経験女性が転職する方法!手に職付けるならこの仕事

資格が空欄で困ったたら

資格がなくても大丈夫とは言っても、資格が一つもなくて困っている人もいると思います。

こんな場合は、PC系(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)や日本語(漢字、秘書)、語学(TOEIC)などの資格で、比較的簡単に取れて、随時試験などでいつでも受験できるものと一つ取っておくことをお勧めします。

すぐ資格が欲しい人向けに、比較的簡単に取れる資格をチョイスしておきましたので、参考にしてください。

【関連記事】

短期間に取得できる資格ベスト5は?(事務系)

(下に続く)

まとめ

資格は、職務経験にプラスアルファの効果をもたらせます。

  • 職務経験だけで足りるか?
  • 資格は有効か?
  • やる気・ポテンシャルは通用するか?
  • 人間性など内面は通用するか?

と単体で考えずに、セットにして組み合わせることで、転職の武器となるものです。

なお、企業の採用担当者も採用で失敗はしたくないものです。

例えば、最終選考でAさんとBさんが甲乙つけがたくて、どちらを採用するかで悩んだら、資格所有者を選ぶかもしれません。

資格に直接関係ありませんが、面接では、職務経験や資格などのスキル面ばかりを強調しすぎず、

  • どれだけ企業に貢献できるか
  • 「採用しないと損と思わせる」

あなたと採用することで、企業にどれだけ利益をもたらすかをアピールすることが内定への近道です。