(2020-3-12更新)

「昇進」と「昇格」の違い分かりますか?

名前が似ているだけでなく、およその意味も近いため、誤用されることが多い言葉ですが、実は全く意味が異なるのです。

昇進のお祝いで、「昇格おめでとうございます」と言ってしまったら、恥をかいてしまいますよ。

今回は、「昇進」と「昇格」、「昇給」の違いと使い方を解説します。

昇進と昇格の違い

昇進と昇格違い

昇進とは

係長、課長などの社内での役職が上がることを言います。

  • 「係長から課長に昇進した」
  • 「課長昇進祝いに何を贈ろうか?」

通常、役職が上がることで、部下や権限、責任が増えるので、ビジネスの場では役職が重視されます。

また、課長クラスから「管理職」などと呼ばれ、組織内をマネージメントできるようになる場合があるので、入社したら目指す人も多いのではないでしょうか。

昇格とは

主事、主幹、参事などの「肩書」(正しくは、資格)を目にしたことがあると思います。

これは、企業や団体などで独自に定めている「職能資格制度」(職階制度)で、社員を定められた「等級」に格付けし、この等級が上がることを「昇格」といいます。

  • 「主事から主査に昇格した」
  • 「主幹に昇格したので、やっと課長になることができる」

資格制度は、給与テーブルと結びついていることが多く、昇格することで給与が上がるのが通常です。

職能資格制度とは?

職能資格制度は、会社ごとに異なるが、1~9等級などに分かれており、さらに各等級も1号~20号などに細分化されており、基本給の一覧表(号俸表などと呼ぶ)にもなっています。

【号俸表(一例)】

  • 1級5号:138,400円
  • 2級10号:199,800円

等級と資格一覧

ただし、上記の表の例では、1等級から2等級へ上がったら「昇級」と呼び、下段の主事、主査、主幹、参事、参与という「資格」が上がった場合のみ「昇格」と言います。

(下に続く)

違いは?

昇進と昇格の違い
  • 昇進:「係長」「課長」などの役職が上がること
  • 昇格:「主事」「主幹」などの資格が上がること

昇進すると、部下が付いたり権限が増えたりして、職務の範囲が変わりますが、昇格しても直ちに職務内容が変わるとは限りません。

ただし、金銭面の話をすると、「昇格=基本給が増える」ため、サラリーマンの本音は昇進より昇格を望む人がいることは確かです。

管理人が勤めていた会社にも、次のような考えの人はいました。

  • 「昇進すると責任が増えて面倒」
  • 「課長になっても給与がほとんど変わらない」

どこの組織でも、「居心地の良いポジション」というものがあり、働きやすさと給与を比べて、上手に世渡ししている人はいるものです。

昇級とは

昇級とは給料が上がることで、次の2種類があります。

  • 定期昇給
  • ベースアップ

定期昇給とは、会社が賃金規定などで決めた金額が増えることで、「今年は、5,000円昇給した」といえば、通常は定期昇給のことです。

ベースアップは、従業員全体の給与水準を底上げすることで、略して「ベア」とも呼ばれます。
通常、ベースアップは経済成長などの物価上昇期に、インフレ率に合わせて賃金を底上げすることが多いので、現在の日本のように低成長期には、期待できないものです。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

世の中には、似ていて違う意味の言葉が多くあります。
日常会話では、間違えて使っても、文脈で意味が通じてしまいますが、誤用してしまうとどこかで大恥をかくことがありますので、この機会に正しい意味を覚えてしまいましょう。

似た言葉シリーズの関連記事も、よかったらご覧ください。

【関連記事】

給料と給与の違いは?年収の計算方法は?

正社員と契約社員の違いは?他にどんな雇用形態があるか解説

御社と貴社はどう使い分けるの?