(2020-7-11更新)
就職・転職で重視するのは、企業選びですね。
「会社の雰囲気が悪い」
「サービス残業ばかり」
やっとの思いで入社したもののブラック企業だったら、お先真っ暗なだけでなく心身ともに病んでしまうことだって珍しくありません。
求人票やホームページではホワイト企業を装っている場合もあるので、しっかり見極めないとブラック企業の罠にハマってしまう恐れもあります。
でも安心してください。
ブラック企業には、ブラックなりの共通点がありますので、この危険な特徴が無いかをチェックすることで、間違えて入社するリスクを減らすことができるのです。
今回は、求人票やホームページでブラック企業を見抜くポイントを解説します。
ブラック企業とは
労働者を酷使したり、コンプライアンス(法令遵守)意識が低い企業のことで、
- 長時間労働
- 極端に高いノルマを課す
- パワハラ、セクハラが横行
- 賃金や残業代の不払い
などを行われていることがブラック企業の特徴です。
働き続けると身体が壊れる
ブラック企業では、定時間では終わらない仕事量を与えられたり、長時間働かせたりしても、「やりがい」や「ノルマのため」と、サービス残業を正当化させてしまいます。
こんな状況で働き続けてしまうと、うつ病や過労死など労働者にとってよいことは何もないので、ブラック企業で働いてしまったら、早めに退職するか、辞めさせてもらえない場合は、都道府県にある労働局などに相談することが望ましいです。
求人票での見分け方
100%ではありませんか、求人票やホームページなどから、ブラックの疑いのある企業を選別することが可能です。
1.具体的な仕事内容が明確でない
通常の求人票では、業務の内容が具体的に記載されているのでイメージしやすいですが、ブラック企業の場合はいまいちピンと来ないことが書かれています。
- 営業業務
- 誰でもできる仕事です
- まず簡単な資料作成をお任せします
求人票に具体的に書けないということは、正直に書いたら誰も応募してくれない仕事内容だと疑うべきです。
また、社員の募集で「簡単な仕事」をアピールすること自体に違和感があります。
簡単な仕事なら、単価の安いアルバイトやパートを雇わないと割がありません。
それでも応募するのであれば、面接時に具体的な仕事内容を確認すべきで、もし、面接官の説明も曖昧だったら、ブラック企業の可能性が限りなく高いと判断できます。
2.企業理念に夢、やりがい、成長などの精神論がある
企業理念や行動指針、夢・希望・やりがい・成長などの精神論のキャッチコピーがある場合も要注意です。
企業理念は企業の根本概念なので、抽象的な言葉が並びますが、社員の心構えである行動指針が、このような精神論が並んでいると、ブラック企業に多い「とにかく頑張る」社風と疑ってしまいますね。
また、会社紹介や社員の声などにも、「やりがい」や「頑張って結果を出した」などの精神論が書いてあることがありますので、忘れずにチェックしておきたいポイントです。
3.給与がやたら高い
多くの転職者は、給与で重視して会社選定をしています。
「仕事内容や社風はいまいちだけど、給与がいいから」
このように、最後の決め手が給与で判断されてしまう人は、ブラック企業に入社する危険性があります。
ブラック企業は、「通常の条件」では人が集まらないので、給与を高く設定して応募者を集めようとしているからです。
※出典:厚生労働省「平成 28 年賃金構造基本統計調査の概況」(残業手当を除く)
この表は、厚生労働省がまとめた年代別の平均年収ですが、企業は営利を目的に事業を行っており、人件費を上げ過ぎると経営が成り立たなくなってしまいます。
それなのに、相場より高い給与を出すということは「裏がある」ことを疑わなければなりません。
また、ブラック企業に多い事例が、入社後の昇給がほとんど期待できないです。
通常の会社は、定期昇給があり毎年少しずつでも給料が増えますが、ブラック企業は昇給が無いか僅かである特徴があります。
このため、入社時には給与が良かったけど、昇給が無いために、5年後も年収が変わらないなんてことがあるので注意です。
業種や企業の規模などにもよりますが、昇給率1~2%の企業が多いので、年収500万円で入社したら、5年後には525~550万円になることを期待しますが、ブラック企業の場合は、ほぼ横ばいかもしれません。
目先の給与に惑わされず、面接や内定後面談などで、昇給の仕組みや平均昇給額などを確認しておく必要があります。
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残業込み給与に注意
求人票で、次のような記載をよく見かけると思います。
「月給25万円(40時間分の残業手当含む)」
このような給与は固定残業(みなし残業)と呼ばれる制度で、月給に40時間分の残業手当が含まれているため、月間40時間までなら残業手当が支払われないということです。
つまり、残業手当を除くと正味の月給は20万円程度と逆算されるので、実質は給与が安いと思うのではないでしょうか。
また、このような給与制度の会社は、40時間を超える残業をさせても「うちはみなし残業制度だから」と残業手当が支給されないケースがあるので注意が必要です。
【関連記事】
みなし残業はどんな制度か?固定残業代は労働者にメリットがない
4.採用人数が多い
企業の採用人数から、離職率の高いかどうかを判断することができます。
例えば、従業員数100人の会社で10名も募集していたら、どう考えても不自然です。
もちろん、新規事業や支店開設などで大量に募集することもありますが、それなら求人票に「新規事業のため」などの文言があると思いますが、そのような記載が無かったら「怪しい」と疑うことが賢明です。
つまり、大量募集が意味することは、
入社しても、すぐに辞める人が多い
ブラック企業の可能性が高いと、判断することができるでしょう。
5.いつも募集している
大量募集と同様に、いつも募集している特徴があります。
「離職率が高い」「人を使い捨てにしている」ブラック企業は、常に人がいない状況なので、補充するために募集し続けています。
このため、いつ見ても求人票がある企業は、
「この会社は、なぜ社員が定着しないのか?」
と疑ってかかる必要があります。
ただし、今は全国的に人手不足なので、ホワイト企業でも通年求人をしていますので、いつも募集しているというだけで、ブラック企業と決めつけないようにしましょう。
求人票に書かれている内容が、前回と違う
実は、いつも募集している会社の場合、容易にブラック企業を見分けるポイントがあります。
それは、ブラック企業は求人票の内容をコロコロ変える可能性があることです。
つまり、「過去の求人票」と「現在の求人票」を比較してみて、
前回と書いてあることが違う
特に、仕事の内容や待遇面など、通常代わることが無い部分が変わっていたら、ブラック企業の可能性が高いです。
なぜこんなことが起きるのかというと、ブラック企業の求人の特徴の一つとして、
求人票と実際の雇用条件が違う
入社後に「求人票と条件が違う」という労働トラブルは、ブラック企業に多いです。
ブラック企業は、良い条件で人を集めて(釣って)、実際の悪い条件で雇用することも平気で行います。
「採用さえすれば、あとは何とでもなる」
その根底には、社員を大切にする気持ちは無く、いかに安くこき使うかしか考えていませんから。
まとめ
いかがでしたでしょうか
ブラック企業に入社してしまうと、長時間労働や厳しいノルマにより心身ともに疲弊してしまい、うつ病や過労死などの恐れがありますので、応募前に危険な会社を見分ける必要があります。
この記事で紹介した方法で、多くのブラック企業を避けることができますが、確実に見抜けない場合もあります。
こんな時は、面接で会社に訪問した際に、企業の内部を観察してブラック企業かどうか見極める必要があります。
面接でのブラック企業を見抜くポイントは関連記事で解説していますのでご覧ください。
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