(2020-7-14更新)
求人票には、普段見慣れない言葉が記載されていることがあります。
例えば、「決算賞与あり」と書かれていたら、悩んでしまいますね。
「決算賞与とは夏と冬に貰う賞与と違うものなのか?」
社員として入社する場合は、賞与がいくらもらえるかは重要で、住宅や車のローンでは賞与月に返済額を上乗せする「ボーナス払い」を利用している人も多いので、賞与が無かったら支払いができなくなってしまいます。
決算賞与どんな仕組みで、いつもらえるかを知っておかないと、入社してから後悔することになります。
今回は、決算賞与の仕組みと通常の賞与との違いを解説します。
決算賞与とは
会社が決算処理を行って、利益から一定金額を従業員に支払う賞与のことで、利益がなければ決算賞与は支払われません。
会社側は、利益が出た場合に支給するため、賞与支払いによる経営圧迫が避けられますが、従業員は貰えるか貰えないかが決算にならないと分からないので、毎年「今年は賞与出るかな?」と不安になったり、使い道の計画が立てられなかったりデメリットがあります。
支給日は決算の翌月
決算賞与の支給日は税法上決まっていて、「事業年度終了の日の翌日から1月以内」(法人税法施行令第72条の3)に支払うこととされているので、3月決算の企業なら、4月末日までに支給されます。
もちろん、いつ支給しても構わないのですが、決算日から1か月以内に払うことで、賞与が経費として認められるため、企業側は節税効果を受けらられるメリットがあるからです。
通常の賞与との違いは?
通常の賞与は、夏は6~7月、冬は12月頃に「基本給の5か月分」などとして支払われるもので、多少業績が悪くても(金額は減ることがあっても)支払われることが多いです。
もちろん、本来は通常の賞与も業績に応じて支払われるものなので、赤字になれば払えないという会社も存在します。
逆に、決算賞与は実際に決算をして利益が一定額以上出た場合に支給されるので、業績が悪いと支払われないのが、通常の賞与と異なる点です。
- 賞与:夏冬などに「基本給の〇か月分」として支給される
- 決算賞与:決算によって支給が決まる
賞与と決算賞与を両方支給する会社も
また、通常の賞与に加えて決算賞与がある企業もあります。
例えば、夏・冬に賞与で支給し、決算が良ければ、さらに決算賞与を支給するといった具合で、業績に変動がある会社や社員のモチベーションを上げるために導入する会社など様々です。
- 夏(6~7月)
- 冬(12月)
- 決算賞与(4月)
通常の賞与が「年3回」という会社もある
中には、通常の賞与のみ「年3回」支給という会社もあります。
賞与が3回と聞くと随分太っ腹と感じてしまいますが、本当に太っ腹の企業もあれば、2回で払う金額を3分割している企業もあります。
賞与は、支給回数に目が入ってしまいがちですが、年間でどれだけ払われるかの方が重要です。
1か月分ずつ3回よりも、2か月分ずつ2回の方が合計金額が多いので、回数だけでなく中身もしっかりチェックしたいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
決算賞与の仕組みをご理解いただけたと思います。
実際に、中小企業では「通常の賞与は無く、決算賞与のみ支給」という会社も多いです。
ただし、会社員の立場からは「ローンや教育費は賞与をあてにしている」ことが多いため、入社前に確認しておかないと、生活が行き詰ってしまうこともあり得ます。
また、求人票には「賞与あり」としか書いてないことがあるので、内定後面談で次の質問をしてみてください。
- 過去の実績
- 今年の支給見込み
通常、面接では待遇面の質問はタブーなので聞けませんが、内定をもらったら承諾前の「内定後面談(オファー面談)」の場なら聞くことができます。
内定後面談については、以下関連記事で詳しく解説しています。
【関連記事】
決算賞与だともらう方は期待できませんね。大きな買い物の支払いはどうしても賞与で払うことを計算しちゃいます。
おっしゃる通りで、買い物をした場合は「ボーナス払い」で返済することがありますね。
家や車のローンなどはボーナス併用払いが一般的ですから、決算賞与などの不透明な場合はボーナスを期待した支払いができなくなる恐れがあります。
お世話になっております。
初歩的なことですが、どうして通常の賞与でなく決算賞与という方法を使うのでしょうか?
質問ばかりで申し訳ありませんがよろしくお願いします。
コメントありがとうございます。
決算賞与は、「利益が出たら賞与出すよ」というものなので、期末が近くなり損益が読める段階になって利益になったら払うものです。
逆に通常の賞与は、期の半ばに当期の損益が分からない状況で払うものなので、経営者としては決算賞与の方がリスクが少ないと言えます。
また、従業員も通常賞与なら「もらえることを期待」していることが多く、対して決算賞与の場合は「もらえないことが覚悟」していることが多いのではないでしょうか。