求人票に「歩合給制」と書かれているのをよく見かけると思います。

  • 「業績を上げて稼ぎたい」
  • 「成果が出なかった時に、給与が減る」

歩合給にはメリットとデメリットがあり、しっかり理解した上で求人に応募しないと後悔してしまいます。

今回は、歩合給の仕組みとメリット、デメリットを解説します。

歩合給とは

歩合給とは

営業や販売などの職に多く、売上などの成果や業績に応じて支払われる給料のことで、「売上金の〇%」、「売上1件当たり〇円」を上乗せして支払われます。

ただし、給与の全額が歩合給ではなく、成果や業績に関係なく支払われる「固定給(※1)」と「歩合給」の合計金額が支払われます。

(※1)「固定給」とは、成績・業績にかかわらず支払われる給料のこと。

なお求人票には、次の2種類の表記がありますが、どちらも同じ内容です。

  • 歩合給制
  • 固定給+歩合給

また、一口で歩合給制といっても、固定給の割合が企業によって異なります。

  • 固定給15万円+歩合給(大)
  • 固定給20万円+歩合給(中)
  • 固定給25万円+歩合給(小)

固定給の割合が多ければ、毎月の給与は安定しますが、成果を上げてもあまり増えないですし、逆に、固定給の割合が少なければ、成果を上げた時は給与が増えますが、成果が悪ければ給与は大幅に減ります。

完全歩合給

歩合給制の固定給が無い給与制度で、例えば、「売上金の50%」が支払われるのみで、売上が多ければ給料が増えますが、売上がゼロなら給料が支払われない制度で、完全出来高払制と呼ばれることもあります。

ただし、会社が労働者を雇用する場合、法律上最低限の給与を保証しなければならないため、完全歩合制とすることができません。

「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」(労働基準法第27条)

つまり、労働者を雇用する限り、どんなに成績が悪くても最低限の給与は保証しなければならないので、「完全歩合給」が成り立たないのです。

それでは、完全歩合給にしたい場合、従業員として「雇用」するのではなく、フリーランスなどの「業務委託」として契約する必要があります。

(下に続く)

メリットとデメリットは?

歩合給制度は、良い面と悪い面を持ち合わせていますので、確認しておく必要があります。

メリット

  • 成果を出せれば給与が高くなること
  • モチベーションが上がる

成績を上げれば給与に跳ね返りますので、「頑張っただけもらえる」メリットがあるので、結果に自信がある人は歩合給で働いた方がよい場合が多いです。

デメリット

歩合給が無く手取りが減る

  • 成果が出ないと給与が下がる
  • サービス残業の恐れがある

デメリットは、結果が出なかった場合に、固定給分しかもらえないことです。

また、結果を出すために夜遅くまでサービス残業をせざるを得ない場合があります。
例えば、「成果が出てないのに早く帰るのか?」と、サービス残業を強いられる恐れもあるので、デメリットも十分理解しておくべきです。

特に、ブラック企業は歩合給制度を逆手にとり、高いノルマを負わせて夜遅くまで働かせるなんてこともありますので、注意が必要です。

歩合給に似た制度は?

インセンティブ

通常の給与とは別に、あらかじめ決められた目標を達成した場合に支払われる報奨金をいいます。

歩合給と似ていますが、「売上1件あたり〇円」と決められているのが歩合で、「売上5件達成で〇円」と目標達成ボーナスの意味合いがあるのがインセンティブです。

(下に続く)

ストックオプション制度

一定の行使価格で自社株を購入できる権利をいい、例えば、行使価格100円で1,000株分付与された場合、株価が200円の時に行使すると、100円で1,000株買うことができ、そのまま売却すれば、

(200円-100円)×1,000株=100,000円の利益になります。

なお、通常のストックオプションでは、権利行使時に株価(時価)との差額(上記の例では、200円-100円)が給与所得として課税されるので、ストックオプションの魅力が薄れてしまいます。

そこで登場したのが、「税制適格ストックオプション」と呼ばれるもので、権利行使時に給与所得が課税されず、売却時に利益に対して20%の譲渡所得が課税されるだけと優遇されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

歩合給は、成果を出したときは良いが、逆に出なかった時は給与が少なくなるため、いわゆる「諸刃の剣」の給与制度で、どんなに優秀な人でも、常に好成績を出し続けることは難しいことから、給与の増減の波を覚悟しなければなりません。

歩合給の求人に応募する時は、歩合給の具体的な金額などをしっかり確認し、納得してから入社するようにしましょう。