(2022-10-13更新)
会社を退職したら「毎日が休日」と、のんびりしたくなりますが、やるべきことを行ってから、次の転職に備えたいですね。
みなさんは、ハローワークというと失業保険(失業給付)をもらう場所とおもっていませんか?
実は、ハローワークでも転職活動をすることができるのです。
「インターネットで求人票を探せるからハローワークは必要ない」
「ハローワークの求人は、いい会社が無い」
ハローワークにあまり良い印象がない人も多いと思いますが、私たちに有益な情報も多いのです。
今回は、ハローワークでどんな転職活動ができるのか?ハローワークでできることについて解説します。
ハローワークとは
国が運営する職業紹介や雇用対策を行う機関のことで、具体的には失業保険の申請・給付から、就職相談、職業訓練など就職したい人に対して支援をしてくれる場所です。
正式には、公共職業安定所(略して職安)と呼ばれて、日本全国に544拠点(2016年現在)と津々浦々カバーされています。
ハローワークというと、失業保険をもらう場所というイメージがあるかもしれませんが、求人を探したり職業訓練をしたり、職を探している人にはありがたいサービスを提供しているのです。
求職活動の流れ
ハローワークで就職・転職活動をすることを「求職活動」といいます。
求職活動方法は少し特殊なので、初めての人は戸惑ってしまうと思いますが、具体的な流れは次の通りです。
1.求職申込書記入
ハローワークで活動するために、最初に行うことが「求職申込書」への記入です。
ハローワークに入ると、「総合受付」があるので、求職申込書に記入して提出します。
- 個人情報(住所、氏名、連絡先など)
- 希望条件
- 学歴・職歴
- 所有資格
職歴は、直近の会社名や具体的な仕事内容など、細かい内容を書くので、あらかじめ職歴を整理してから行かないと、その場で何十分も考えてしまいますので注意が必要です。
なお、求職申込書は求職活動だけで必要なものではなく、失業保険の申請をする際にも必要になるものなので、結局書かかされる羽目になります。
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2.ハローワークカードの作成
求職申込書を窓口に提出後、しばらくすると別の窓口に呼ばれて、対面で面談をしながら内容の確認などを行い、「あなたの情報」をコンピュータに登録します。
無事に登録が終わると、「ハローワークカード」が交付されます。
このハローワークカードは、今後の求職活動で必要なものなので、常に携帯するようにしましょう。
【関連記事】
ハローワークとは?失業給付の申請方法と職業訓練制度のフル活用を!
3.求人を探す
【ハローワークの端末で行う場合】
総合窓口に求人を検索したいと伝えると、「5番の端末」などと検索用の端末を指定されるので、その番号のパソコンに座ります。
この「求人検索端末」では、様々な条件で実際の求人票を検索することができます。
- 都道府県
- 鉄道沿線
- 年齢
- 学歴・資格
- 労働条件
- 福利厚生
- フリーワード
気になる求人が見つかったら求人票を印刷することができます。
また、ハローワークの職員に相談したり、応募が可能かなど問い合わせも可能です。
【インターネットで検索する場合】
ハローワークの求人票はインターネットの環境があれば、自宅からも検索することができます。
ただし、インターネットではすべての求人が掲載されている訳ではなく、企業がインターネットに公開することを希望した場合だけです。
このため、ヒット件数が少ないと感じるかもしれませんので、情報収集としての利用にとどめ、本格的な転職活動では、ハローワークに出向いて求人票を探す方が良い場合があります。
ハローワークインターネットサービス「求人情報検索」
4.応募の相談
応募したい企業が見つかったら、求人票を印刷してハローワークの職員に応募したいと伝えましょう。
「応募も職員に?」
と思われたかもしれませんが、ハローワークの求人は基本的に「紹介状」が必要です。
このため、職員を経由して申し込む段取りになります。
実はこの時、ハローワークの職員は実際に企業に電話をかけて、応募を受け付けているかなどの確認をして、募集中と分かれば紹介状を発行してくれます。
また、求人票で不明点があるときも確認を取ってくれますので、応募の相談の時に、気になる点・不明点があれば、あらかじめ伝えておきましょう。
5.紹介状の受け取り応募する
応募が決まったらハローワークの職員が紹介状を発行してくれます。
この紹介状は、後日応募書類を郵送する時に同封して送るので、折り曲げたり汚したりしないで大切に持ち帰ります。
応募書類は、次の書類を入れて郵送します。
- 添え状(挨拶状、同封書類一覧)
- 紹介状
- 履歴書
- 職務経歴書
【関連記事】
【記入見本付き】履歴書の正しい郵送方法は?封筒や添え状の書き方
メリット
ハローワークの転職活動には、メリットとデメリットがあります。
しっかりと特徴を理解した上で、効果的な活動をしたいですね。
まずは、ハローワークで行う転職活動のメリットから説明します。
- 地元企業が多い
- 未経験の募集も多い
- 応募状況や選考結果が分かる
- 自分のペースで活動できる
ハローワークの強みとして、地元企業が多いという特徴があります。
これは、ハローワークの職員が地元企業を回って、求人を開拓している為です。
また、選考過程でよくあることが、企業からの返事が無いことです。
世の中には「サイレントお祈り」などと呼ばれますが、面接が終わっても、いつまで経っても不採用の連絡がないということがあります。
ただし、ハローワーク経由で応募した場合、ハローワークの職員に選考結果を聞いてもらうことができます。(実際は、企業はハローワークに対しても結果を連絡しなければならないことになっています)
デメリット
続いて、ハローワークで行う転職活動のデメリットです。
- 求人票と実際の労働条件が違うことがある
- ブラック企業の求人も混ざっている
- 非公開求人がない
流行語大賞にもなった「ブラック企業」は、ハローワークにも求人を出しています。
(もちろん、転職サイトやエージェントにも求人を出しているでしょう)
ブラック企業に間違えて入社しないためにも、応募前は求人票やホームページなどをしっかりとチェックするだけでなく、面接に行った時に、「企業に不審な点が無いか」「社員の表情はどうか」などを確認して被害に合わないように気を付けることが重要です。
ブラック企業の見分け方は、以下関連記事で詳しく解説しています。
また、ハローワークには「非公開求人」がありません。
上記で説明した通り、インターネットで検索してもヒットしない求人がありますが、ハローワークで検索すれば全て出てきますので、ハローワークに出すと公開されます。
転職エージェントでは、非公開求人の多さを売りにしているところがあります。
実際、誰もが知っている大手企業の非公開求人を紹介されることがありますが、このような非公開求人はハローワークで見ることができないことを知っておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ハローワークでの求職活動方法を駆け足で解説しましたが、イメージ出来たのではないでしょうか。
転職活動方法には正解がありません。
- 「在職中の活動」か「退職してからの活動」
- 「最短で見つけたい」か「マイペースで活動したい」
- 「アドバイスが欲しい」か「自分の考えで行いたい」
自分がどういった活動をしたいかによって、取りうる手段が変わります。
ハローワークの求職活動も選択肢になる、ということを紹介させていただきました。
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