(2019-9-5更新)

面接案内メールに「印鑑持参」と記載されていた。

「なぜ印鑑?」

「雇用契約書に押させるつもり?」

なんて余計なことを勘ぐってしまいそうですが、実は、心配することではありません。

今回は、なぜ面接で印鑑が必要なのか、理由と背景を分かりやすく解説します。

面接に印鑑が必要な4つの理由

面接に印鑑が必要な理由

1.個人情報取扱同意書の押印

応募に必要な履歴書や職務経歴書には、多くの個人情報が記載されてします。

企業が、応募者の住所、氏名、生年月日などを名簿業者などに売ってしまったら、しつこい勧誘に悩まされてしまいますね。

そこで、個人情報の保護と適切な管理をするために「個人情報保護法(※)」で、住所や氏名、生年月日、電話番号、メールアドレスなどの情報を守るためのルールを定めています。

以前は、ある程度大きな企業が対象でしたが、2017年5月からは全ての企業、団体が守らなければならなくなったので、応募者の個人情報を利用するために「個人情報取扱同意書」に押印してもらう必要があります。

(※)個人情報の保護に関する法律のことで、個人情報の適正な取扱いや保護を定め、個人の権利利益を保護することを目的とする法律です。

このため、面接時に「同意書」にサイン・押印してもらいたいことが、印鑑が必要な理由です。

個人情報取扱同意書には、次のような内容が書かれているので、見覚えある人も多いと思います。

  • 「採用活動のために個人情報を利用します」
  • 「個人情報は本人の同意なく第三者に提供しません」
  • 「応募書類は選考終了後に廃棄します」
  • 「個人情報問合せ窓口」

2.健康状態告知書(申告書)への押印

企業は、採用したら元気に長く働いてもらいたいと考えて採用していますが、中には重大な病気を抱えていることを隠して入社してしまう人がいます。

それでも問題なく働いてくれればよいですが、頻繁に欠勤をして業務に支障をきたすようでは、他の社員やお客様に迷惑をかけてしまいます。

このため、面接時に現在の健康状態を申告してもらい、問題なく働けることを確認するために「健康状態告知書」に記名・押印してもらう必要があります。

この健康状態告知書は、大体こんな内容が聞かれます。

  • 「過去の既往歴」
  • 「過去1年以内の診察、入院、通院歴」
  • 「健康診断での異常有無」

ただし、自己申告なので「書きたくない病気」を伏せたくなるかもしれませんが、入社後には毎年健康診断があるので、ウソを書いてもばれてしまいます。

ちなみに、応募書類や告知書に嘘の記載が判明した場合、内定取消解雇が待っていますので、正直に告知しなければなりません。

(下に続く)

3.面接交通費の支給

「面接で交通費の支給?」

驚かれる人もいると思いますが、面接会場までの交通費を支給してくれる会社は意外に多いです。

ただし、面接交通費は自己負担が基本なので支給を期待するものではありませんが、次のような場合に払われることが多いです。

  • 最終面接のみ支給
  • 駅から離れているなど交通の便が悪い会社
  • 遠方からの応募者に支給
  • 優秀な人材を囲い込みたい時

特に、人手不足なご時世なので、「わざわざ面接に来てくれたのだから面接交通費くらい支給しよう」、「当社に良い印象を持ってもらいたい」と、企業も「あの手この手」を使って、優秀な人材を集めようと頑張っている訳です。

面接交通費の支給がある場合、「交通費明細書」などの書類に経路と金額を記入して請求することになりますが、面接日に現金で支払われることはなく、後日「銀行振り込み」で入金されることが多いです。

なお、面接交通費が支払われることが分かった場合、あらかじめ、電車・バスなどの経路と金額を調べておくと請求する時に慌てないで済みます。

4.入社手続き書類への押印

面接で契約書にサイン

これは、転職面接で行われることがありますが、期間社員などで「即決採用」する場合に、面接後に雇用契約書にサインする場合に必要になります。

例えば、イベントや期間限定で大量に採用する場合、何度も面接を行わずに、その場で即決して入社手続きをすることがあります。

ただし、正社員の採用で「即決」して、内定承諾書や雇用契約書に署名・押印を求められた場合、本当にその条件で納得した場合は構いませんが、「迫られて」サインをするのは控えた方がいいでしょう。

印鑑はシャチハタ不可

印鑑は三文判

面接印鑑が必要な場合、「認印(三文判)※」を持参することが基本です。

企業から「印鑑(シャチハタ可)」と連絡を受けていた場合は、シャチハタでも構いませんが、そもそもシャチハタが可能な書類って、会社が内部的に使う簡素な書類(休暇願など)くらいしか思い浮かびませんね。

会社に提出する書類への捺印なので、安くても「三文判」の印鑑を持参しましょう。

※三文判とは、朱肉を使って押す印鑑で、大量生産された出来合いの安いものを指します。
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忘れた時は?

普段ビジネスバッグに印鑑を入れていない人は、うっかりして持参するのを忘れてしまうことがあるかもしれません。

上記の「4つの理由」で説明した通り、企業は面接時に印鑑を押してもらいたい書類があるから、わざわざ面接案内に「印鑑持参」と明記しているのに、忘れてしまうことは許されません。

ただし、面接会場に向かっている途中で印鑑を忘れたことに気づき、家に取りに帰る時間が無い場合は、戻らず面接会場に向かわなければなりません。

面接で最悪なことは「遅刻」だからです。

途中で忘れたことに気付いたら、次の2つの方法で対応するしかありません。

100円ショップや文房具屋で購入する

真っ先に思い浮かぶのは、途中で買うことです。

変わった苗字でなければ、100円ショップや文房具屋などで買うことができます。
この際、安い三文判で構いませんので、時間の許す限り何店舗か回って調達すべきです。

この時、「印鑑ケース」も忘れずに買っておくことです。
印鑑ケースは、100円ショップで売られている布製でもプラスチックでも構いません。

面接で書類に押印する場合、自分で押印するのが通常で、面接官に印鑑を渡すことはあり得ませんので、「印鑑ケースから印鑑を取り出し押印する」ことができれば、その場はしのげます。

付け加えますと、安い印鑑だから面接に落ちることはありませんから。

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素直に謝る

途中で印鑑の購入ができなかった場合、印鑑は諦めて面接会場に向かうしかありません。

面接室に入ったら、真っ先に印鑑を忘れたことを謝らなければなりません。

印鑑の持参を忘れてしまいました。申し訳ございません

ここで重要なことは、面接官が印鑑について触れる前に、こちらから謝ることです。
ビジネスの現場では、悪い報告は「つい後回し」にしがちですが、自分に非があることを「真っ先に報告する」ことをできる人は少ないです。

忘れ物をしたことをどこかで謝らなければならないので、それなら面接の冒頭で謝る方が、気持ちを切り替えられるのではないでしょうか。

後日印鑑を押すために会社に行く

忘れ場場合、「書類を持って帰って押印して郵送すればいい」と考える人もいるでしょうか、まずそのようなことはありません。

印鑑を押す書類は、企業にとって重要な書類なので、応募者に渡して紛失されたら大変なことになります。

では、どうするかというと、

後日、書類に押印するために会社に行く

採用担当者と本人双方に、手間と時間がかかってしまうので、忙しい時期に採用担当者に手間を取らせてしまいます。

忘れ物という重大ミスをした場合、不採用の可能性が高いですが、面接の冒頭でしっかり謝罪してその後の対応を誠意もって行えば、「忘れ物はしたけど、実はしっかりとした人間」と逆転で好印象を与えることもあるかもしれません。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

面接では、印鑑持参を指定されることも珍しくなくなってきました。

面接案内メールに「印鑑持参」と書いてあると、「なぜ印鑑」と何か裏があると疑ってしまいますが、個人情報保護や面接交通費の支給など、必要な理由があるから持ってきてもらう訳です。

ただし、面接後に内定承諾書にサインさせるような企業もなくは無いので、印鑑を押す前に、書類をよく読むことが大切です。