(2020-7-22更新)
面接の最初に、必ずと言ってもいいほど「自己紹介をしてください」を質問されます。
自己紹介なんて簡単と甘くみている人もいると思いますが、実は、自己紹介で合否が決まってしまうことが多いことをご存知ですか?
「新規の顧客が多く、自己紹介は慣れている」
「所属サークルは、人の出入りが多いから」
面接の自己紹介は、職場や取引先に対するものとは異なり、話す内容が決まっているので、知らずに話し始めると「自己紹介の的を得ていない」とマイナス評価につながります。
逆に言えば、必要な内容を織り込んで話せば合格点となるので、事前に準備しない手はないですね。
今回は、面接で合格を勝ち取れる、効果的な自己紹介のコツを解説します。
面接官は自己紹介で何を知りたいのか?
面接官は、事前に履歴書やES、職務経歴書などに目を通していますので、書類上はどんな能力があって何をしてきた人なのかを把握しています。
「それならば、自己紹介は不要では?」
このように考える人もいると思います。
ただし、自己紹介はその人間の経験やスキルなど、表面的なことを確認するために聞くものではなく、ちゃんとした理由があるのです。
どんな人物なのか(内面)
誰だって、初対面の人と会うと「いい人かな」「自分に合うかな」などと思いを巡らせながら、徐々に打ち解けていくものです。
面接官も同じことを考えており、事前に応募書類を読んでいて、ある程度はどんな人物かの知識があるとはいえ、実際に目の前の応募者から直接得られる「表情」や「声」で、どんな人物か判断してしまいます。
履歴書の文字情報より、本人から直接得られる表情や声の印象で判断される
コミュニケーション能力があるか
短い自己紹介では、「どんな人なのか」と同じくらい重視されるのが、コミュニケーション能力があるかどうかです。
- 質問が理解できて正しく回答できるか
- 言いたいことを伝えることができるか
- 相手に理解させることができるか
まずは、「自己紹介をしてください」の質問に対して、正しい回答内容を言葉として話せるか、また、一度聞いただけで理解できる文章になっているかを見られます。続いて、
- 目を見て話すことができるか
- 声の大きさやトーンが適切か
社会人になると、人と人のつながりで仕事が成り立つのに、会話のキャッチボールができなかったり、下を向いて話したりするようでは、残念ながらビジネスの場では活躍することができません。
自己紹介の短い内容でも、「仕事の適性」が判断されてしまいますので、緊張などを言い訳に逃げることができません。
要点を整理することができるか
人前でスピーチをすることを、「あがってしまう」、「要点がまとまらない」と言った理由から苦手にしている人がいると思います。
苦手な人が陥りやすいことは、「あれもこれも」伝えようとしてしまい、逆にわかりにくい内容になってしまうことではないでしょうか。
話が終わった後に「結局何が言いたいの?」と言われたことがある人は要注意です。。
話す本人は自分のことだから気付きませんが、聞かされる側の人間は「予備知識」が無い状態で聞くので、簡潔に要点を整理しておかないと、何を言っているのか理解することができなくなってしまいます。
会社への熱意や意気込み
後で説明しますが、自己紹介は「抱負」で締めるのがお決まりのパターンです。
抱負とは、「入社したらどんな活躍ができるか」を締めの1行で伝えるものですが、
- どんな会社なのか
- どんな製品・サービスがあるのか
- 何に力を入れているのか
このように企業のことをよく調べていないと、面接官が「なるほど」を思うような内容を伝えることができません。
つまり、「企業研究ができている=熱意がある」と判断することができるので、自己紹介と言っても油断することができません。
自己紹介のポイント
基本的に、面接の自己紹介は1分間でまとめて話します。
「自己紹介を1分でお願いします」
このように時間を指定された場合は悩まずに済みますが、
「自己紹介をしてください」
「簡単に自己紹介をしてください」
このように時間を指定されない時や、「簡単に」「簡潔な」と言われた場合は、1分間で回答します。
これには理由があり、面接官の立場では、自己紹介は1分もあれば
- 「どんな人物なのか」
- 「コミュニケーション能力があるか」
- 「要点を整理する能力があるか」
このようなことが手に取るように分かってしまうからです。
さらに言えば、面接の合否を決めるために、入室から着席までの「第一印象」と「自己紹介」だけで十分なので、長い自己紹介をしてもらう必要がないからです。
実務上は、面接時間に限りがあるので、自己紹介は簡潔にしておき、気になる点や不明点を別に質問をすればいい訳で、自己紹介で脱線されて時間を費やすことができない事情があります。
ただし、会社によっては「2分間の自己紹介」を指示してくる場合もありますので、
- 1分バージョン
- 2分バージョン
この2種類を用意しておけば、自己紹介で悩むことはありません。
後ほど説明しますが、自己紹介は必ずと言っていいほど聞かれる重要な質問なので、回答を用意しないで「聞かれたらアドリブで答えよう」と甘く考えて面接に行くことは、減点か不採用を覚悟しなければなりません。
自己紹介で話す内容
面接の自己紹介は、転職先や異動先での初対面の挨拶などとは、話す内容が全く異なります。
ここを間違えてしまい、「普通の自己紹介」をしてしまったら、面接官から「自己紹介のやり直し」を指摘されるか失笑を買うことになります。
- 氏名
- 出身企業
- 仕事の経験
- 成果を1つ
- 抱負
特に重要なのが、アピール内容は1つに絞ることです。
1分間の短い時間なので、あれもこれも言ってしまうと時間が足りないだけでなく、内容がぼやけてしまい、面接官の印象に残りにくいです。
また、「仕事の経験」も1つに絞ることがコツで、直近の職種か経験年数が長いものから、応募先の企業に活かせる方を選びます。
この時、どんな小さなことでもいいので、「具体的な成果」に入れることが効果的です。
なお、入社後の職場の挨拶などでは、趣味や特技を話すことで親近感を持ってもらえることがありますが、面接の自己紹介では、趣味などのプライベートな内容は話さないことが通常です。
内容は簡潔に
自己紹介で陥りやすいダメなパターンは、
「○○で、△△して、□□を行い・・・」
このように回りくどい文章は、要点がつかみ難いだけでなく、長くて聞くのが嫌になってしまいます。
そこで意識して欲しいことは、「一つの文章を短く切る」ことです。
短い文章でテンポ良く話すことで、「分かりやすい」「コミュニケーション能力がある」と好印象を持ってもらえます。
棒読みはダメ
1分程度の文章なら丸暗記することもできるので、何度も練習して覚えてしまおうと考える人もいると思います。
もちろん、覚えることは間違えではありませんが、思い出しながら話すと棒読みになってしまうので、せっかく良い内容でも面接官の頭に入っていきません。
管理人お勧めの方法は、伝えたい「キーワード」のみを覚えてしまうことで、あとは面接官が目の前にいることをイメージして「アドリブ」で話す練習をすることです。
ここで意識しておきたいことは、話すスピードや抑揚を付けるところ、「どこで笑顔を出すか」などをイメージトレーニングすることです。
丸暗記と比べたら、面接官から見た時の差は歴然ですので、自分を売り込むつもりで練習しましょう。
- キーワードで覚える
- 抑揚を付ける
- 笑顔など表情も工夫する
300文字を目安に
実際には丸暗記はしませんので、清書をする必要はありませんが、1分間の目安を知りたい人もいると思います。
ゆっくり目に話すと、1分間で300文字前後になりますので、以下を目安に文章を組み立てましょう。
- 1分間の自己紹介:250~300文字
- 2分間の自己紹介:550~600文字
声に出して練習すること
上記で、文字数の目安を紹介しましたが、重要なのは「自分のスピードで話すこと」です。
このため、練習では面接官が目の前にいると思って、実際に声に出して録音・録画をして、「客観的に」評価をしてみる方法をおススメします。
特に、男性の人は声が低く、こもってしまい聞き取りにくい、逆に、女性の人は声が高くて聞き取りにくいことがあります。
声の速さや抑揚、高低、それに表情など、たかが自己紹介と思って甘く見ていると、これだけで不合格なんてこともありますので、「自分の特徴」を把握して修正してから面接を行いたいですね。
【サンプル】自己紹介の回答例
転職太郎と申します。
私は、○○メーカーの販売職を5年間経験してきました。2年前からは店舗責任者を任され、売上高アップのために、リピート率の向上に狙いを定め活動いたしました。
具体的には購入時と使用後のアンケートを導入し、お客様の悩みや不満の声を吸い上げる仕組みを作り、お客様満足度の向上を目指しました。
その結果、昨年度は、前年度比で売上高が10%増加、お客様のリピート率を20%増加し、本部長表彰をいただきました。この経験を活かし、御社でもお客様から信頼を勝ち取り売上に貢献したいと考えております。
本日はよろしくお願いいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
自己紹介は簡単なようで、実は奥が深いことがお分かりいただけたと思います。
ただし、練習すれば誰でも「魅力的な」自己紹介をすることができますので、ぜひ対策をしておきたい質問です。
面接では、事前に準備しておけば、楽に答えられる質問がいくつかあります。
以下関連記事で、面接で必ず聞かれる質問を紹介しますので、この定番の質問はスラスラ答えられるように準備しておけば、精神的に楽になるので、ぜひ練習してみてはいかがでしょうか。
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