(2020-7-22更新)
面接室への入室方法に自信がありますか?
「行けばなんとかなる」
「扉を開けて中に入るだけでしょ?」
ひとことで言うと、部屋に入って椅子に座るだけですが、初めての面接や中途採用で何年ぶりの場合、自己流の手探りで行うと、「ビジネスマナーが無い」「頼りない」印象を与えてしまいます。
面接では、質疑応答に注力しなければならないのに、入室で戸惑っているようでは、自分の魅力を面接官に伝えられないまま終わってしまいますので、入室の流れは身体が自然に動くまで練習しないと思わぬ失点が待っています。
なぜなら、練習すればできることをしなかった為に、ライバルに差を付けられるのはもったいないですから。
今回は、面接での入室方法やマナーについて解説します。
正しい入室方法
面接では、入室・質疑応答、退室の順番で行われますが、出だしの入室で戸惑ってしまっては、その後の質疑応答で本領発揮ができなくなってしまいます。
たかが入室と思われるかもしれませんが、入社後も客先訪問で応接室に通された時に必要なマナーとなりますので、適当に入る訳にはいきません。
それでは早速、入室の流れを確認します。
- ノックをする
- 面接官から「どうぞ」などの合図がある
- 入室する
- 挨拶をする
- 椅子の横まで移動
- 氏名を名乗る
- 着席をする
言葉で書いてしまうと簡単に思えてしまいますが、それぞれマナーや注意事項がありますので、次から順番に説明します。
【1】ノックをする
案内の人から名前を呼ばれたからといって、いきなりドアを開けてはいけません。
控室から面接室の入口まで移動したら、ドアをノックして面接官から入室の許可を待つのがビジネスマナーです。
ドアのノックは3回が正しい方法で、2回だとトイレの確認になってしまいますので、間違えないようにしましょう。
- 手のひらをグーで握る
- 中の面接官に聞こえるくらいの強さで
- 脈拍くらいの速さで、イチ・ニイ・サンと叩く
緊張していると早く叩いてしまう傾向がありますが、深呼吸をして落ち着いて叩きます。
この時、5秒くらいたっても面接官の返事が無かったら、もう一度、3回ノックを行います。
なお、ノックはしっかりとグーを握っていれば聞こえる音が出ると思いますが、周囲が静かな時は弱めに、騒音があるときは強めになど、臨機応変に叩く強さを変えましょう。
【2】面接官から「どうぞ」の合図がある
ノックが終わると、面接官から「どうぞ」「お入りください」などの返事があります。
この合図が聞こえたら、部屋の中の面接官に聞こえるように、元気よく「失礼します」と挨拶と会釈をします。
- 大きな声での「失礼します」と言う
- 軽く会釈をする
扉が閉まっているので面接官には会釈していることが分かりませんが、「見えない相手」に会釈する心構えが重要です。
ドラマで会社員が電話をかけている場面では、「ありがとうございました」「失礼します」と言いながら、見えない電話の相手に対して、会釈をしているのを見かけたことがあると思います。
「見えない相手に会釈をしても無駄」と考えるのではなく、「気持ちを伝えたい」との強い思いが、自然に会釈をさせてしまうものであり、いつかは相手に通じることがあるのですから。
【3】入室する
これから部屋に入りますが、まずドアの種類から確認します。
- 開き戸:玄関のドアのように、ノブを持って「引く」か「押す」タイプ
- 引戸:ベランダの窓のように、左右にスライドさせて開けるタイプ
- ドアが無い、すでに開いている
それぞれのパターンの開け方を理解しておきましょう。
開き戸
前後に開閉するタイプのドアで、企業の会議室・応接室など面接会場のドアはこのタイプが一番多いです。
また、面倒なのもこのタイプのドアなので、これをマスターすれば他のパターンは応用がききます。
- ドアノブが左側:右手でノブを持つ
- ドアノブが右側:左手でノブを持つ
文章では分かりにくいですが、ドアノブと遠い方の手で「クロスさせて持つ」と覚えておけば、緊張して頭が真っ白になっても間違えることがありません。
実際は、「無意識に」反対側の手でクロスさせていますので、頭で理解しようとしなくても大丈夫です。
- ドアノブを反対の手で持ち開ける
- ドアを半分ほど開ける
- 面接官の目を見て会釈をする
- 中に入る
- ドアに向かって半身の体勢でドアを閉める(面接官に背を向けない)
- 「挨拶をする」へ
引戸
左右に開閉するタイプのドアで、会議室や応接室などにはほとんどありませんが、空き部屋などを「臨時面接室」として使う場合に見かけることがあります。
- 取っ手が左側:右手で右方向にスライドさせる
- 取っ手が右側:左手で左方向にスライドさせる
これも意識しないで大丈夫ですが、遠い方の手でクロスさせて開けることが自然な仕草になります。
- 取っ手を反対の手で持ち開ける
- 戸を半分ほど開ける
- 面接官の目を見て会釈をする
- 中に入る
- 戸に向かって半身の体勢でドアを閉める(面接官に背を向けない)
- 「挨拶をする」へ
ドアが開いている
最後はドアが開いているか、そもそもドアが無いパターンです。
「ドアが開いている?」と思うかもしれませんが、面接官や案内の人が、わざわざ開けてくれることもあるので、意外に開いているパターンは多いです。
- ドアの前まで行く(ノック不要)
- 「失礼します」を元気よく言い、面接官とアイコンタクトを取る
- 面接官から「どうぞ」の返事かジェスチャーがある(無い場合も)
- 中に入る
- ドアに向かって半身の体勢でドアを閉める(面接官に背を向けない)
- 「挨拶をする」へ
最後は「ドア自体無い」場合ですが、ここまでご覧になれば、もう対応方法は簡単ですね。
- 面接室の入口へ行く
- 「失礼します」を元気よく言い、面接官とアイコンタクトを取る
- 面接官から「どうぞ」の返事かジェスチャーがある(無い場合も)
- 中に入る
- 「挨拶をする」へ
【4】挨拶をする
ドアを閉め終わったら、身体を面接官に向けて挨拶をします。
「本日はよろしくお願いいたします」
「転職太郎です。本日はよろしくお願いいたします」
挨拶が終わったら、お辞儀をします。(30~45度)
注意点は次の2点ですが、ここが出来ないと面接官の評価がガタ落ちします。
- 大きな声で挨拶をする
- 挨拶が終わってからお辞儀をする
お辞儀は、敬礼(30度)か最敬礼(45度)のどちらでも問題ありませんが、お辞儀をしたら「1秒間」は頭を下げたまま静止することがポイントです。
なお、氏名を名乗るかどうかも、面接会場の雰囲気で判断しましょう。
ここで名乗っても、椅子の前でもう一度名乗ることになりますが、2回言ったって悪いことではありません。
【5】椅子の横まで移動
挨拶が終わったら、面接官の前に並べてある「椅子の横」まで歩きます。
ここでの注意点は次の通りです。
- 椅子の前でなく横に立つこと
- 歩く時はテキパキと歩くこと
- うつむいて歩かない
- 靴の音を立てない
椅子の横まで移動したら、バッグを持ったまま「背筋を伸ばして」立ち、面接官の指示を待ちます。
【6】氏名を名乗る
面接官から、「氏名をお願いします」「大学名、氏名を言ってください」などを指示が出ますので、その通りに元気よく名乗り、お辞儀をします。
「転職太郎と申します」
「○○大学△△学部、就職太郎と申します」
お辞儀は、「~申します」と言い終わったら、最敬礼(45度)をしますが、先ほどと同じように頭を下げたまま1秒間静止することが重要です。
なお、挨拶をしながらお辞儀をする人がいますが、話ながらお辞儀をしてしまうと、声がぼやけてしまうだけでなく、ビジネスマナーとして不適ですから直すようにしましょう。
【7】着席をする
面接官から「おかけください」などと指示があったら、
「失礼します」
と言い、軽く会釈(15度)をしてから、静かに座ります。
椅子への座り方は、次の注意点を意識しておけば問題ありません。
- 深く座る
- 背もたれを使わない
- 姿勢を正す
- 足を組まない
- 手は太ももの上に置く
椅子に座る時は大丈夫だと思いますが、面接進行とともに「徐々に」姿勢が乱れてくるものです。
特に、面接の雰囲気が和んだ時に、「普段の癖」が出てしまいがちなので、最後まで緊張の糸を切らないように注意しましょう。
その他のマナー
控室では静かに待つ
面接人数が多くなると、控室や廊下などで自分の番までしばらく待つことがあると思います。
待ち時間は、「休憩時間」ではありませんので、客先訪問だと考えて礼儀正しく待つことが最低限のマナーです。
- 大きな声で話しをしない
- だらしなく座らない
- 通話をしない
- スマホを触らない
転職と就活では許容範囲が異なりますが、待機中の行動が合否に分けることがありますので気を抜かないように注意しましょう。
鞄はどうする?
鞄は、右側でも左側でも構いませんが、椅子の横に立てておきます。
ただし、グループ面接などで、何人か並んで座る時は、相手に邪魔にならない場所に置くことがスマートです。自分だけでなく、周囲の人への気配りができるかも就活の面接ではポイントになりますから。
コートの置き方
寒い時期は面接にコートを着ていく人もいると思いますが、コートの上手な脱ぎ方・置き方は次の通りです。
- コートは建物に入る前に脱ぐ
- 持ち歩く時は、腕にかけて持つ
- 置く時は、畳んでバッグの上に置く
簡単に箇条書きしてしまいましたが、詳しい方法は以下関連記事で解説しています。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
面接室の入室から着席までの流れは、慣れればどうってことはありませんが、分からないまま面接にいってしまうと、戸惑いながらになってしまうので、面接官からは「頼りない」「マナーも知らないのか」と悪い評価がされてしまいます。
面接の入室方法は、頭で理解したつもりになっても身体がついていきませんので、「自分の部屋を面接室だと思って練習」するか「模擬面接」で、自然に動けるまで練習しておきましょう。
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