今は有効求人倍率が1.6倍もあるから、就職しやすそう

ただし、実際の就職・転職活動をしてみると、思うような求人が見つからない。
一体、有効求人倍率とはどんな計算で、どうやって活用するのか悩んでしまいますね。

今回は、知ってそうで知らない有効求人倍率の仕組みと計算方法を、分かりやすく解説します。

有効求人倍率とは?

1人の求職者に対して、何人分の求人数があるかの割合のことで、雇用動向を示す指標として厚生労働省が発表しており、1倍を超えると求人より募集の方が多い、逆に1倍を下回ると募集の方が少ないことを示します。

この有効求人倍率は、景気動向とほぼ一致して推移する傾向があり、

  • 景気が良い:倍率が高い
  • 景気が悪い:倍率が低い

景気が良くなれば、経営者は「人を募集しよう」と考え、逆に景気が後退すれば「募集を控えよう」と考えますね。

現在の有効求人倍率は?

2019年10月の有効求人倍率は「1.57倍」なので、

求職者1人あたり、1.57人分の求人がある

このように解釈することができるので、就職しやすい「売り手市場」であることが数字で証明されております。

確かに、世間では「人手不足」「人材確保に苦労する」というニュースを耳にすることが多いので、求人倍率が実態を表していることが分かりますね。

有効求人倍率推移表

過去の有効求人倍率の推移は上図の通りで、リーマンショックを受けて2009年には「0.45倍」まで低下してからは、毎年右肩上がりで上昇し、2018年は「1.62倍」まで、3倍以上も上昇しています。

なお、2019年に入ってからは若干下がっており、10月は「1.57倍」となっておりますが、それでも依然として高い水準であることには変わりないです。

※出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和元年10月分)について

計算方法は簡単!

有効求人倍率の計算方法は簡単で、次の通りです。

計算方法は?

有効求人倍率=有効求人数÷有効求職者数

例えば、100人の求職者に150件の求人があれば、「150÷100=1.5倍」と計算されます。
逆に50件の求人しかなければ、「50÷100=0.5倍」と減ってしまいます。

有効とは?

ところで、先ほどから「有効」と書いてあるのは、他に「無効」があるのかと思ってしまいますね。

実は、ハローワークでは求人票の有効期限というものがあり、求人票を受理した日の翌々月末までです。
例えば、1月15日に受け付けた求人票は、3月末(3月31日)までの有効期限です。

つまり、「有効期限内」の求人票が計算対象となっているから、「有効」求人倍率とよばれているのです。

3つの問題点

正社員以外が含まれている

国が発表している数字だから、正社員を対象にしているはず

派遣社員も対象かも

ところが、正社員と派遣社員だけでなく、パート、アルバイトなど雇用形態に関わらず、すべての求人が含まれています。

つまり、どんなに有効求人倍率が高くても、「正社員の募集が少ない」という場合も考えられます。

特に、景気が悪い時期には「非正規雇用」が増える傾向があるので、求人倍率の数字以上に就職活動が厳しくなってしまう事があります。

(下に続く)

ハローワーク以外の求人が考慮されていない

有効求人倍率には、「ハローワーク以外の求人」が含まれていません。

このサイトをご覧になっている人は、恐らく転職エージェントや転職サイトなど、インターネットを活用した転職、就職活動をしていると思いますが、有効求人倍率には、ここでの求人は計算対象外となっています。

もちろん、転職サイトとハローワークの両方に求人票を出している会社ならば、計算対象としてカウントされますが、ハローワークに求人を出していない企業が除外されているのは、統計の正確さから見ると疑問が残ります。

あくまでも傾向として求人数が増えている・減っているという参考資料としてとらえ、求人倍率が高いからと言って「就職・転職しやすい」と考えると実態とのズレを感じることがあります。

地域によってバラツキがある

有効求人倍率としてニュースに取り上げられるのは、実は全国平均の数字です。

例えば、2019年10月の有効求人倍率は1.57倍ですが、最高は東京の2.08倍、最低は長崎1.18と大きな開きがあります。

都道府県別では、東京を中心とした都市部が高い傾向になるので、地方で就職活動をしようとすると、求人倍率が高いと言われても実感がないかもしれません。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

有効求人倍率の仕組みをおさらいしますと、「有効求人倍率とは求職者1人あたり、どれだけの求人があるか」という雇用動向を示しますので、求人倍率が高ければ、就職・転職がしやすいとも言えます。

ただし、次のような問題点があり、

  • 正社員以外が含まれている
  • ハローワーク以外の求人が考慮されていない
  • 地域によってバラツキがある

いくら求人倍率が高くても、「正社員の募集が少ない」など、倍率通りの求人票がないことが考えられますので、全体の動向として「今求人が増えているのか、減っているのか」を判断する指標として活用しましょう。