(2020-8-1更新)

ITエンジニアの転職先として人気が高い社内SEは、どんな魅力がありますか?

同じ会社で働き続けられる

上流工程から関われる

客先でSierとして働いていると、「このプロジェクトが終われば別の職場にいくかも」という不安な人から見れば、社内SEの安定度や権限の多さに憧れてしまいますね。

ただし、多くのITエンジニアが目指すので、求人で社内SEの募集を見つけても、採用までのハードルが高いのではないでしょうか。

今回は、ITエンジニアが社内SEとして転職に成功するための秘訣を解説します。

社内SEの魅力は?

社内SEとは

社内SEとは、自社内の情報システムの管理や開発を行うエンジニアのことで、アプリケーションだけでなくPC、サーバ、電話、FAXなど、IT全般にわたる幅広い業務範囲が特徴です。

Sierなど客先常駐で働いているITエンジニアと比べると、社内SEの魅力は次の通りです。

  • 同じ会社で長く働ける
  • 残業が少ない
  • 幅広い分野にチャレンジできる
  • ユーザーとの距離が近い

社内SEは、その企業の社員として「情報システム部門」に配属されていることが多く、その企業が無くならない限り定年まで働くことができることが、最大の魅力ではないでしょうか。

また、システム開発では「上流工程に携わることができる」と思われがちですが、実際は、プロジェクト全体を一手に引き受けるプロジェクトマネージャみたいな役回りをすることが多いです。(企業の規模などによりますが)

社内SEの実例(その1)

上司からプロジェクト全部を任され、会議前の根回し、調整から、稟議、導入、保守まで1人で行う。

→中小企業は、社内SEは1~2人しかいないことが多く、全部1人でやることがある。

苦労することも多い

コスト削減の要求が高い

一般企業だとシステム投資に積極的でないことが多く、「業務効率を上げるためにシステムを導入しましょう」となっても、金額にシビアなことが多いです。

「システムに1,000万円も払うの?そんな金額出せないから内製化して」

機械などの形のある設備には多額の投資をするのに、プログラムにはお金を書けない企業って意外に多く、特に経営者が年配だと、システムの投資を説得するのに一苦労する場合があります。

社内SEの実例(その2)

アプリケーション開発にお金をかけれず、社内SEが「ACCESS」や「EXCELマクロ」で簡易プログラムを作成して、業務効率を行った。

→社内で使うちょっとしたシステムは、ACCESSなどで内作することもある。

社内システムの構築は甘くない

社内での開発だから、「要件定義」が曖昧なことがあります。

現場部門から「この部分をこんな感じで」などと、手書きのイラストに注意書きが書いてある程度のものを渡されることがあります。

その割に、出来上がったものを見て「やりにくい」などと平気でクレームを入れてきますので、現場部門の声をどれだけ正確に聞き出せるかが社内SEの腕の見せ所です。

ヘルプデスクがメインになることも

会社からは、「パソコンに詳しい人」扱いをされることがあります。

このため、「エクセルの操作が分からない」とか「印刷したらはみ出しちゃった」などの、パソコン教室の先生並みのことを聞かれることも多いです。

しかも、社長や役員など年配の方は、こちらが忙しくてもお構いなく「ちょっと来て」と呼ばれることも覚悟しておかなければなりません。

社内SEの実例(その3)

パソコンが苦手な役員から呼び出され、エクセルのグラフやパワーポイントの使い方など、毎日のように教えていたため、役員と仲良くなった。

→社内SEは、パソコン先生みたいな扱いをされることがある。

平社員なのに役職者と仲がよいのは。社内SEの特権とも言えるでしょう。

【関連記事】

社内SEはパソコン先生なのか?仕事内容を徹底解説

(下に続く)

社内SEに求められるスキル

幅広い知識が求められる

社内SEは、プログラミングなどの個別スキルよりも、幅広い知識が求められます。

具体的に必要な知識は、

  • PC・サーバのハード
  • メールやOffice、業務システムなどあらゆるソフトウェア
  • ネットワーク
  • セキュリティ

このため、知識レベルは「広く浅く」となりがちですが、分からないことは「どこに聞けばよいか」を知っているので、困ることはありません。

幅広い視野で全体をコントロールする能力が求められます。

高いコミュニケーション能力

社内SEとして活躍するためには、誰とでも上手にコミュニケーションをする必要があります。
例えば、業務システムを構築する場合、ユーザー部門の聞き込みから始まり、業務を整理したり、関連部署とも調整したりしなければ、良いシステムを作ることができません。

「あの人話しにくい」と苦手な人もいると思いますが、敬遠していたら業務が成り立ちません。

また、役職者を説得する場面もあると思います。

誰とでもコミュニケーションを取れること

口下手でも構いませんが、相手の話をしっかり聞くことができて、自分の意見も伝えることができる、社内SEとして一番苦労することがコミュニケーションではないでしょうか。

(下に続く)

転職するために行うこと

王道の資格を取得しておく

IT関連の幅広い知識が求めれることを証明するために、国家資格が必須になります。

  • 基本情報技術者試験
  • 応用情報技術者試験

ただし、これはスタートラインに立つための資格であり、所持しているから採用されるというものではありません。

社内SEは、大量募集されるものではなく、せいぜい1~2人しか採用されません。
さらに、社内SE経験者を優遇する場合も多いので、未経験からチャレンジする場合は、ライバルにどう差を付けるか、あと一押しが必要です。

もし、あなたが応用情報技術者試験より上位のLv4資格(※1)を持っていたら、企業はあなたに興味を持ってくれることも考えられます。

なお、管理人の経験では、社内SEはネットワークが苦手な人が多い気がするので、ネットワークスペシャリストと持っていたら、重宝される可能性があります。

国家資格情報技術者試験体系図

(※1)Lv4資格、情報処理資格の最上位のもので、「ITストラテジスト」「プロジェクトマネージャ」「ネットワークスペシャリスト」など9種類があります。

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志望動機で差を付ける

採用担当者は、「なぜ社内SEとして働きたいか」「なぜ当社を選んだのか」を重要視しています。

たとえ本音が、「社内SEとして安定して働きたい」だったとしても、正直に書いてしまったら書類選考で落とされてしまいます。

特に人気のある社内SEで採用されるために、ライバルの志望動機よりも心に響く内容が求められます。

  • 企業のどこに惹かれたのか
  • 自分の能力をどう活かして会社に貢献できるか
  • 入社後のキャリアプラン
  • コミュニケーション能力高いことのアピール

社内SEは、IT系でない通常の企業であることが多いため、扱っている製品・サービスなどをしっかり把握しておくことが重要で、入社後にはITの側面から「どう業績アップに貢献できるか」を織り込むことで、ライバルより魅力的に思われるのではないでしょうか。

また、自分の能力をしっかり分析して「○○の強みを△△の業務効率化に活かしたい」と明確にアピールすることも重要です。

なお、コミュニケーション能力があることを必ず志望動機に含ませておきましょう。
採用担当者は、コミュニケーション能力が不足していると社内SEとして苦労することを知っているからです。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

社内SEの意外な側面を知ることができたのではないでしょうか。

「なんとなく楽そう」というイメージが、「どの職業も苦労することはあるんだな」と思っていただけたらなりよりです。

なお、社内SEはその企業の社員として「情報システム部門」に配属されているので、将来は別の部署への異動もあるので、入社したら自分の仕事以外も興味をもって学んでおいても損はありません。

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