バス運転手

路線バスの車体には「運転手募集」の張り紙があり、いつでも募集しているから、「人が集まらない=誰でもなれる」と考えたくなりますが、実はそんなに甘くはありません。

実際にバス運転手の面接に行ったのに、不採用になったという話をインターネットの掲示板などで見たことがある人もいると思います。

それは何故かと言うと、バス会社の面接官は、応募者の「人」を見て、相応しい人しか採用していないからです。

「お客様を乗せるので、まともな人じゃないと採用できない」

冷静に考えてみれば分かりますが、会社の看板を背負ってお客様の生命を預かっているので、「安心して任せられる人」のみを採用するのは当然のことですね。

それでも、具体的にどんな人が採用されて、どんな人が不採用なのかは、面接前に知っておきたいものです。

今回は、バス運転手の面接で落ちる5つの特徴と受かるための対策を解説します。

バスの運転手の面接で落ちる人の特徴!

どのバス会社も運転手の人手不足に悩まされているので、「売り手市場」と思われますが、面接に来たら誰でも採用されるほど甘いものではありません。

どんなに人手不足でも、最優先されることがあります。

「お客様の生命を預かって乗せる」

つまり、面接官から「この人なら大丈夫」と思ってもらえないと採用されないのです。

それでは、どんな人がバス会社の面接で落ちるのか?どんな対策をすれば採用されやすくなるかを順番に見ていきます。

バス運転手の面接で落ちる人の特徴

【その1】言葉遣いが悪い(雑)

社会人になっても、お客様や上司に適切な敬語が使えない人は多いですね。

入社後に会社に染まっていくと、段々敬語が使えなくなることもありますが、少なくとも「面接時」には、正しい敬語が使えないと話になりません。

例えば、「~ていうか」「なんとなく」「まあ」「そうっすね」などの、いわゆる「学生語」を面接で使っているようでは面接官も心配になってしまいますね。

それ以外にも、

  • 面接官にため口をする
  • 「はい」と返事ができない
  • 声が小さい

こんなことでは、どの会社も採用してくれません。

「運転手だから丁寧な敬語が使えなくてもいい」と思っている人もいるようですが、一昔前なら通用したかもしれませんが、現在は全く通用しません。

運転手といえども「サービス業」なので、お客様に不快な思いをさせない正しい礼儀作法が備わっていないと採用されません。

特に、最近はSNSなどで「悪評」はすぐに広まってしまいますので、バス会社も危険な人物を採用することはあり得ませんので、社会人として「当たり前の言葉遣い」をマスターしていることが合格には欠かせないのです。

【その2】ビジネスマナーが備わっていない

社会人として何年も働いていても、基本的なマナーが備わっていない人は多いです。

例えば、面接中にこんな応募者がいたらどう思われますか?

  • 椅子の背もたれにもたれかかっている
  • 足を組む
  • テーブルに肘をつく
  • 腕を組む

どんなに身なりが良くても、こんな姿勢で面接をされたら、その人の「人間性」を疑ってしまいますね。
もし、私が面接官なら、こんな応募者は「即不採用」です。

「面接は人を見る」と言う面接官は多いです。

選考の流れでは、書類選考で学歴やスキルは把握していますし、面接では実技試験でどんな運転をするか判るため、対面の面接では「どんな人間なのか」を最重要項目としてチェックします。

例えば、面接時の「入室から着席までの行動」「質疑応答の態度や言葉遣い」から、どんな人物かを判断します。

  • 「お客様とコミュニケーションがとれるか?」
  • 「態度がバス運転手として相応しいか?」
  • 「行動が乱暴でないか?」

面接官は、実際にお客様がバスに乗車した時を想定して

  • 「この人はお客様に嫌な思いをさせないか?」
  • 「クレームを受ける行動を取らないか?」
  • 「体の不自由のお客様を対応できるか?」

短い面接で、このようなことをしっかりチェックしています。
採用してから、お客様からクレームをもらうような運転手だと、会社の信用を傷つけてしまうから当然のことですね。

もちろん、運転は実技試験でチェックされるので、「運転が荒い」「安全確認をしていない」「一時停止を守らない」などは大幅な減点対象となることは言うまでもありません。

余談ですが、管理人が経験したことは、面接中に足を組んでいる応募者がいたことです。
本人は無意識の癖(くせ)で足を組んでしまったと思いますが、面接官からは「何様だよ」と即不合格にされてしまいます。

その他、「ペンなどを回す・カチカチ音を立てる」「背もたれによりかかって座る」など、普段の何気ない癖で不採用となる恐れがあるので、ご自分の癖を一度見直してみるのがいいと思います。

【その3】私服で面接に来る

身だしなみの良い運転手

面接ではスーツ着用がベストで、もしスーツが無ければ、違和感のないジャケットとスラックスの組み合わせを選ぶことが最低限です。

運転手の面接だから私服でOK

このように考えている人は意外に多いです。

同じ運転手でも、接客をしない「運転だけ」の仕事ならば、私服でも大丈夫な会社が多いですが、バスの運転手は身だしなみも面接のチェックポイントに入っています。

スーツを着ていなかったばかりに、第一印象を悪くしてしまってはもったいないですね。

スーツ着用が無難

社員や契約社員の面接では「基本スーツ着用」と考えておくのが無難です。
同じ運転手でもトラックの運転手の場合は、比較的服装の基準が緩めですが、バスやタクシーなど、接客を重視する会社の応募ではスーツを着ていくのが望ましいです。

もちろんスーツと言っても、夏場などはノーネクタイで構いませんし、上着無しの「ワイシャツ・スラックス」でOKな会社も多いので、臨機応変に対応しましょう。

面接時の服装のポイント
  • 基本:スーツ着用
    ※会社により、ジャケット・スラックス可
  • 夏場:ワイシャツ・スラックス
    ※ノーネクタイ可

【その4】服装が不潔

服装面ではもう一つ注意点があります。

それは、ちゃんとスーツを着こなしていても、「シャツの襟が汚れている」「シワシワのズボン」「靴が汚れている」だったらガッカリですね。

面接官は第一印象で判断することが多く、「シャツが汚れている人」「ヨレヨレの服の人」などと悪い先入観を持たれてしまうので、選考ではマイナス評価にしかなりません。

採用後も、汚れた服で勤務しそうだから見送りしておこう

このように、服装の汚れだけで不採用になることも珍しくありません。

なぜなら、バスの運転手はサービス業で「お客様と接客」をするので、服装などの身だしなみは重視されます。

「運転がメイン」と思っているようでは、採用が遠のいてしまうだけでなく、もし採用されても入社後に「こんなに厳しいのか・・・」と、入社前のイメージとの違いについていけなくなってしまうかもしれません。

【その5】志望動機があいまい

面接では「志望動機」を聞かれますが、「運転が得意だから」「好きなことを仕事にしたい」と答えてしまうと、採用されないかもしれません。

バス会社は、採用したら免許の取得や教育など、独り立ちするまでにお金と労力をかけています。

このため、入社してもすぐに辞められたら、一人前にするまでの教育費用が無駄になってしまうので、長期で働けるかを「志望動機」でチェックしているのです。

つまり、志望動機が「得意だから」「好きだから」では、長続きしないだろうと判断されて不採用になる恐れがあるのです。

面接官に「頑張ってくれそうだ」「芯がしっかりしている」と思われるような志望動機を準備しておくことが重要です。

なお、場合によっては志望動機に色付けすることも必要です。
例えば、「運転が好き」というのが理由だったとしても、

・なぜ好きなのか(具体例を交ぜて)
・どんな運転手を目指しているのか
・乗客にどう接するのか

上記のように、少し踏み込んだ視点で考えて、面接官が「なるほど」と思うような志望動機に工夫することで合格の可能性が高まります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

「運転手は誰でもなれる」

「運転するだけ」

バスの運転手に対して、こんなイメージを持っていた人は、現実はかなり異なっていたと驚かれたかもしれません。

最近は世の中が変わってきており、ひと昔前より「乗客の安全」や「運転手のサービスマナー」を特に重視する傾向があります。

このため、次のようなこんな運転手は採用されることがありません。

  • 言葉遣いが雑(敬語が使えない)
  • 受け答えに難がある(コミュニケーション不足)
  • 身だしなみが悪い
  • 運転が荒い(運転テストあり)

また、バス会社には運転免許取得支援制度があるので、給料をもらいながら大型二種免許を取得することができますが、明らかに「大型二種免許狙い」と思われる人も採用されませんので、しっかり入社目的を整理してから面接に臨むようにしましょう。