会社に就職したり、退職した時に、今まで使っていた保険証が使えなくなり、新しい保険証に切り替えなくてはならない場合があります。

知らずに古い保険証を使ってしまったら、保険組合が負担した金額を返還しなければならず、大変なことになってしまいます。

今回は、国民健康保険に加入している人が就職して社会保険に切り替える時の手続きを分かり安く解説します。

健康保険は国民健康保険と社会保険の2種類

健康保険は、病気やけがなどで医療機関にかかった時に、医療費を一部負担してくれる医療保険のことであり、大きく2種類が存在します。

  • 国民健康保険(国保)
  • 社会保険(正しくは健康保険、略して社保)

日本では、「国民皆保険制度」といって、国保か社保のどちらかの保険に加入しなければなりません。例えば、会社を辞めて「社会保険」を脱退しても、無保険とならず、自動的に「国民健康保険」に加入してしまうのです。

国民健康保険と社会保険の違いは?

社会保険は、民間企業や公務員などでフルタイム(週4日勤務で加入できる場合あり)働いている人が加入できる保険制度です。

実は、「社会保険」という名称は健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険・労災保険の総称ですが、通常、社会保険というと「健康保険」のことを指します。

国民健康保険は、上記以外の人が加入する保険制度です。

就職したら国保の脱退手続きが必要

国保の脱退手順

就職したら、まず、自分が社会保険に加入できるか確認します。

たとえフルタイムで就職したとしても、就職先の従業員が4人以下などで、社会保険の「適用除外」とされていて、社会保険に加入できないことがあります。

社会保険に加入できることが分かったら、国民健康保険の脱退手続きが必要です。

なお、国民健康保険の脱退は、新しい「社会保険証」が届いてから行います。

国保脱退手続きに必要なもの

  • 国民健康保険資格喪失届(市区町村に名称異なる)
  • 新しい社会保険証、または、健康保険資格取得証明書
  • 今使っている国民健康保険証
  • 本人確認書類(マイナンバーカード、免許証・パスポート、マイナンバーカードなど)

保険証が届いたら、速やか手続きできるように、事前に必要書類は準備しておきましょう。

※多くの市区町村で、郵送による手続きが可能ですので、お住いの市区町村のホームページなどを確認して、必要書類を準備しておきましょう。

健康保険の切り替え時の注意事項

国民健康保険から社会保険への保険証が切り替わる場合、知っておくべき2つの注意事項があります。

①古い保険証は使えない

就職しても、入社日に新しい社会保険証をもらえるわけではありません。
通常、入社してから2週間くらいで保険証がもらえることが多いです。(4月などの混む時期はもう少しかかることもある。

この時に、手元にある「国保の保険証」を使うことはできません。
なぜなら、社会保険証が届く前でも、すでに国保は脱退しているからです。

正しい方法は、病院に「社会保険証が発行待ちで手元にない」と伝えて、一旦全額の医療費を立て替え払いして、後日返還を受けることです。(保険証が届いたら、病院から立て替えた分返還してもらえます)

②脱退手続きが遅れると国保の保険料を払うことも

市区町村では、あなたが社会保険に加入したことが分からないので、国保の脱退手続きをしないと、「国民健康保険料(税)」の納付をすることになります。

もちろん、脱退手続き後に返還されますが、手間と時間がかかるので、国保の脱退はすぐ行いましょう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。

就職したら、国民健康保険の脱退手続きが必要ということがお分かり頂けたと思います。

入社後は、新しい環境でやることが多く大変だと思いますが、忙しいからといって、国保の脱退手続きを忘れてはなりません。

脱退手続きは、役所に行かなくても郵送でできる場合もありますので、お住いの市区町村に問い合わせて、速やかに手続きを済ませてしまいましょう。