(2020-6-25更新)
退職時に会社から転職先を聞かれることがあると思います。
こんな時には、社名を正直に言うべきか秘密にしておくべきか悩んでしまいますね?
「でも、なぜ転職先を聞いてくるんだろう?」
上司に聞かれたのだから素直に答えてしまいそうですが、転職先を知りたがるのは何か裏があるはず、と勘ぐってしまいますね。
今回は、転職先を聞く会社側の狙いと対処法を解説します。
退職時に転職先を言うメリットはない
会社を退職しようとした時に、なぜか聞かれる質問が「次の会社はどこ?」ではないでしょうか。
- 上司に退職を申し出た時
- 退職日の調整時
- 退職願提出時
- 退職の挨拶や送別会
送りだす上司や同僚にとって辞めた後の進路は気になるので、「興味本位」で聞いてくる場合が多いと思いますが、あまりにもしつこく聞いてくるようだと身構えてしまいますね。
会社から転職先を聞かれた場合に答えるメリットはなく、社名を伝えることは「百害あって一利なし」です。
特に、「今まで面倒みてもらった上司や先輩に聞かれた場合は、答えないと失礼になるのでは?」と思うかもしれませんが、退職するといった瞬間に態度が豹変し、さまざまな妨害をしてくることも考えられます。
上司や先輩によっては、「今まで面倒見てあげたのに、裏切って退職した」と、退職を伝えた瞬間に敵意むき出しになる人もいるので、お世話になったからと言って、安易に転職先を伝えることはできません。
このようにメリットがないだけならまだしも、次のような引き止めや妨害などのマイナス面があるので気をつけましょう。
- 転職先に悪い噂を流される
- 転職先に上司の知り合いがいたら、裏で画策されることも
退職交渉中
まだ退職願を提出する前の段階で転職先を答えてしまうと、「あの会社は○○だからやめとけ」などと、様々な理由をつけて引き止めにくるかもしれません。
そして、「未定」と答えた場合は、「決まってないなら辞めることはない」とどう答えても、引き止めの材料を与えることになります。
このため、聞かれた時の答えを準備しておかないと、退職交渉でつまづいてしまい、決められた入社日までに退職できなくなってしまう恐れがあります。
退職願い提出後
それでは退職願い提出後なら引き止められないからと油断して転職先を答えてしまうと、今度は足を引っ張ってくることもありえます。
「あいつは組織の裏切り者」呼ばわりされて、転職先にあなたの悪い情報を流されるかもしれません。
例えば、インターネットやSNSを使い匿名で誹謗中傷されて、内定を辞退せざるを得ない状況に追い込まれることもあり得ます。
私たちは、これから新しい人生を歩むために転職するのですから、退職先に、少しでも危険な種は蒔かないように気を引き締めましょう。
会社は様々な方法で転職先を聞いてくる
会社側は退職交渉の時だけでなく、間接的な方法で転職先を聞いてくる場合がありまるので、退職届が受理されたからといって安心できません。
秘密保持誓約書(契約書)
退職時に秘密保持誓約書(または、秘密保持契約書)にサインを求める会社は多いです。
秘密保持誓約書とは、在職中に得た企業の営業上や技術上のノウハウなど企業機密を、退職後も漏洩(ろうえい)しないことの誓約書で、多くの企業が退職者に対して署名を提出させています。
ここまでは一般的ですが、この誓約書にあえて「転職先」の記入欄を作り、転職先を記入させようとしてくることもあります。
誓約書の名目につられて、ついうっかり転職先を記入しそうになりますが、もちろん書く必要はありません。
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競業避止義務契約書(誓約書)
また、秘密保持契約と似ていますが、競業避止義務契約書(または、競業避止義務誓約書)としてサインを求める会社もあります。
競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)とは、従業員の退職後に競業他社への就職を禁止させる約束のことです。
何故こんなことをするかと言うと、自社の営業情報、技術情報を把握している社員が競業他社に転職してしまうと、自社の大切な情報が他社に知られてしまい、会社の利益が損なわれるためのものです。
本来は、次のような場合に有効となるものです。
- 管理職や専門性の高い職種
- 重要な営業、技術情報やノウハウ触れていること
- 退職後1年間程度の期間まで
- 競業避止義務を負わせる十分な対価が支払われている場合
ところが、一般社員にまで競業避止義務契約書に、「退職手続きの一環として」サインをさせるところもあります。
転職先がこの契約に触れる場合は、サインする前に弁護士に相談して適切なアドバイスを受けることです。
(弁護士には、30分5,000円程度で相談できますので、転職後にトラブルになることに比べれば安いものです。)
尚、秘密保持と競業避止義務をセットにした誓約書もあります。
どちらの場合も「転職先」を書かないに越したことはありません。
その他各種手続きに必要
「社会保険や雇用保険の手続きで、転職先の情報が必要」などと言って、転職先を聞き出そうとするかもしれません。
実際は、社会保険や年金、雇用保険では、転職先の情報は必要ありません。
もし、そこまでしてでも聞き出そうとするってことは、転職先に対して悪い噂でも入れるか、他の何かを企んでいると疑った方がいいです。
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転職先を聞かれたときの上手な回答例
退職交渉では転職先を聞かれると考えて、事前に答えを準備しておくことが賢明ですが、実際に転職先を聞かれた場合どのように答えたらよいでしょうか。
【まだ転職先が決まっていない場合】
- 「決まり次第、お知らせします」
- 「面接結果が出ていないので、後日ご報告します」
【転職先が決まっている場合】
- 「落ち着いた頃に、ご報告します」
- 「送別会の時に、お知らせしたいと考えております」
上記の通り、「答えたいけどもう少し待って欲しい」というニュアンスを伝えておき、上司と波風立たないように気を使いましょう。
まだ退職手続きや引継ぎなどが残っている状況なので、無下に拒否して上司を敵に回してしまうことは避けるべきです。
転職はステップアップのためのスタートラインなので、その手前の退職で躓くわけにはいきません。
円満退社に向けて、上手な回答を考えておきましょう。
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【実例】転職先を聞かれた時に何て答えましたか?(ユーザーの声)
過去に退職を経験したユーザーは、転職先が聞かれた時に何と答えたか知りたいですね。
他の人の回答例が自分に当てはまることもありますので、「こう答えればいいんだ」とそのまま使えることもあります。
ユーザーのみなさんから寄せられたコメントから実例を紹介しますので、参考にしてみてください。(一部編集させていただいております)
- 「もうすぐ決まると」言ったら、決まったら教えて下さいって・・・
まあ言いませんでしたが。(橋口様) - 「お答えできるような会社ではありません」と答えたらそれ以上聞いてきませんでした。(伊藤様)
- 「建設業の営業です」と答えました。
辞めた会社が住宅関連だったので競業にならない事を暗に伝えましたね。(高橋敬様) - 「入社手続きが完了していないので控えさせて下さい」
それっきり聞かれませんでした。(大西様)
みなさん上手に答えていますね。
他にも、「私はこう答えた」という事例がありましたら、ぜひコメントにお知らせください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
退職時に転職先を聞かれることは、特に珍しいことではありません。
管理人も2回転職を経験していますが、どちらも転職先を聞かれましたので、しっかりと回答を準備しておき、「うっかり」伝えてしまうことが無いように気を付けましょう。
なお、お世話になった人に対して転職先を伝えておきたいと考える人もいると思います。この場合は、入社後に伝えることが望ましいです。
入社してしまえば、転職先を知られてもそれほど恐れることはありませんから。
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せっかく育てた部下がどこに行くか知っておきたい!と言われたときは、正直に伝へようかと思っちゃいました。
それでも、退職日に伝へます、と逃げました(笑)
確かに、「新入社員からずっと育ててきたのに、いい会社が見つかったらさっさといなくなって」と恨みを持つ上司もいますよね。
そんな場合は、今までのことに対してしっかりとお礼を伝えて、波風立てないようにしましょう。
みんな次の会社聞かれるんですか~?
私なんか全く…それはそれは悲しいかも?
上司が転職先を聞くにしても、正面切って聞かずに「どんな会社?」「場所は?」などと遠回しに転職先の探りを入れてくることもありますよ。
昔お世話になった先輩から頼まれて、とギリギリまでいったことあります。
コメントありがとうございます。
転職先の具体的な社名を言わないのはもちろんですが、「先輩や知り合いから誘われた」は引き抜き受け止められる恐れがあるので、あまりお勧めできる回答ではないと考えております。
退職するときには、転職先を聞かれたら何と答えるか考えておくんですね。
参考になりました。
回答を考えておかないと、上司から聞かれた時に焦って社名を答えてしまうかもしれませんからね。
転職先を直接聞かれるか、「これからどうするの?」と間接的に聞かれる場合がありますが、どちらでも同じ意味です。
答えを準備しておらず、素直に答えてしまったりあたふたしてしまったら、今後の退職がスムーズにいかない恐れがあるので注意です。
数年前に退職した時に使った答え方が、入社手続きが完了していないので控えさせて下さい。
それっきり聞かれませんでした。
なるほど、その答え方はいいですね。
実際は、入社手続き(雇用契約)が済んでいても、こういい通せばそのうち上司も諦めるでしょう。
「入社手続きが完了してない」まだ確定でないということですからね。(実際は確定ですが)
聞かれたら使わせていただきたいと思います。
私も先日転職しましたが、建設業の営業ですと答えました。
辞めた会社が住宅関連だったので競業にならない事を暗に伝えましたね。
特に、営業や技術職の人が退職する場合には競業他社に行かれたら困るので、会社は転職先を確認することがあります。
違うということを伝えておけば、余計な詮索はされずに済みますね。
私も退職するときに聞かれました。
「お答えできるような会社ではありません」と答えたらそれ以上聞いてきませんでした。
転職先を聞かれた時の上手な回答ですね。
会社が妬むのは「今よりいい会社に転職」ですから、そうでないと暗に伝えておけばよいですね。
転職先を聞かれるのが通常なら、逆に聞かれなかったら、どうでもいい人間と思われてたかと思ってしまう。
その会社や上司の考えからもあるから一概には言えませんが、聞きたいけど聞かずに我慢していることもあるかもしれません。
通常転職先は聞かれると思って、かわす回答を準備しておくのがよいです。
なにも正直に答える必要はありません。
その通りですね。
転職先を聞かれたからといって、正直に社名を伝える必要ないですね。
上司が退職先を聞くのは、大方は興味本位なんでしょうね。
辞めた人間がどの会社に入るかは、どうしても興味があるものだと思います。
興味本位だとしても、安易に言わないことが賢明ですので注意です。
上司の興味で聞いておきながら、「あいついい会社に行きやがって」って恨まれるんでしょうね。
それなら聞くなって言いたいです
軽く聞かれるか、それともしつこく聞かれるかの違いがあるにせよ、辞める時は一回は転職先を聞かれると思います。
「どこ行くの?」は必ずと言っていいほど聞かれますね。
退職先を聞かれることは、通過儀礼みないなものでしょうか。
やっぱり、退職交渉で転職先は一度は聞かれるものですね。
お世話様です。
転職先の社名は、会社の仲がいい人にも教えないのが無難ですね。
転職先は、仲いい同僚にも伝えないことが無難です。
どうしても教えてたい場合は、最終出勤日などの退職間近に伝えるのがよろしいかと思います。
私も転職先を聞かれました。
もうすぐ決まると言ったら、決まったら教えて下さいって・・・
まあ言いませんでしたが。
部下や同僚がどの会社に転職するかは気になるんでしょうね。
しつこく聞かれないのであれば、軽く受け流してしまえば済むと思います。
初めてのコメントです。
会社(上司)は、何故退職後の行き先を聞くのだろうか?
記事では、興味本位と引き止めの口実とのことですが、”現在より良い会社に行ってほしくない”ということもあると思います。
うちの会社がステップアップの踏み台にされた、これでは心情穏やかではないですからね。
まとまりのない意見ですが。
コメントありがとうございます。
確かに、残された人間にとっては「辞めて良い会社に入った」というのは複雑な心境ですね。
転職先を伝えたとしても危害が加わるとは限りませんが、匿名で嫌がらせをされる危険があるので、できるだけ伝えることは避けるべきだと考えます。
お世話になっております。
働きながら転職先を探していますが、会社にはまだ退職することを伝えていません。
この記事の内容と合わないかもしれませんが、会社に伝えるのは転職先が決まってからがよろしいでしょうか?
初歩的な質問で恐縮ですがよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
働きながらの転職活動で失敗するパターンとして、
「会社に退職を伝えたが、退職日までに内定がもらえなかった」
「会社に退職を伝えたが、やっぱり退職するのを辞めた」
この2つは避けたいことですので、そのために「内定を貰ってから会社に退職を伝える」というほうがベストだと考えますし、また退職日に追われて妥協して転職先を決めてしまうのも嫌ですからね。