(2019-11-7更新)

書類作成から始まり、何度か面接を通過して、やっとの思いで手に入れた内定。

長かった転職活動が終わったとの解放感から、内定承諾書をその日のうちに提出したが、後日、冷静になって労働条件通知書を見ると、面接で聞いていた内容と異なっていた。

内定承諾書を提出したらもう入社するしかないのか・・・?

今回は、内定承諾後の辞退の影響や方法、マナーについて解説します。

内定承諾書の法的効力

内定承諾書には実質的な法的効力はない

法的効力がないと書くと誤解を招くことになりますが、次の通り成立しても解除できるからです。

  1. 法律上は、内定を承諾すると「労働契約」は成立します。
    これは、内定承諾書へのサインでも、口頭での承諾でも同様です。(口頭の場合は、トラブル時には「言った、言わない水掛け論」になりますが・・・)
  2. ただし、この労働契約は、労働者が解除(辞退)を申し出ることで、2週間後に解除されます。



つまり、内定承諾書を提出した後であっても、内定辞退日から2週間後に労働契約を解除することが可能になります。

ただし、法的に問題無かったとしても、企業にはものすごい迷惑をかけてしまうので、社会人のマナーとして問題があると言わざるを得ません。

内定辞退が企業に与える影響

企業側に立ってみると、内定者に辞退されると何が起きるでしょうか?

内定辞退は企業に迷惑

(1)また最初から募集をし直す

採用枠の欠員が出たので、また新規に募集しなければならない。

例えば、最終面接にAさんBさんが残り、Aさんに内定を出し、Bさんに不採用とした場合は、Aさんが内定辞退したからといって、Bさんに対し、やっぱり来てくださいとは言いません。

企業によっては、不採用を出さずに「次点」を確保しておいて、欠員時に補充するところもありますが、あなたが内定を承諾したことで、「次点」者に不採用の連絡をしたのではないでしょうか。

(2)入社のための準備が無駄になる

企業は内定が承諾されてると、入社に向けて様々な準備を始めます。

  • 制服や社員証、名札などの購入または製作
  • 入社時研修などの準備
  • 受け入れ部署の社員スケジュールが無駄に

制服や備品などの購入品なら、「無駄な出費になった」と済まされるかもしれませんが、受け入れ先部署の社員が、わざわざ入社日にスケジュールを空けて待っていてくれた場合、辞退されたら怒り心頭ではないでしょうか。

これらが辞退されると無駄となってしまうのです。

(3)欠員のまま事業をしなければならない

新規店舗や事業に合わせて募集をしていた場合は、内定辞退されたことで人員が少ないまま店舗や事業を開始することになります。

また、退職者の補充による募集をしていた場合も、退職日までに入社できなければ、引継ぎができなくなります。

どのような場合でも、企業は人員計画に基づいて求人を行っているので、人員不足の影響がでてしまいます。

内定辞退の悪影響
  • 承諾したため「次点合格者」を不採用にしてしまい、欠員が生じてしまう
    ☞欠員を再度募集しなければならなくなる
  • 入社準備が無駄になってしまう
  • 欠員補充が間に合わない場合、欠員のまま事業を行うことに

何故内定承諾してから辞退することになったか?

では、一旦は承諾をしながら、辞退をしなければならなかったのかは、主に次の理由が考えられます。

  • 承諾してから本命企業から内定を貰った
  • 労働条件をよく確認しないで承諾してしまった
  • 承諾後に企業の悪い噂を耳にした

それぞれの状況で、本来取るべき正しい方法を解説します。

承諾してから本命企業から内定を貰った

この場合、この会社と本命企業の内定日までに期間が空いていると思われるので、正しい方法は、「内定保留」すべきだったのです。

内定後は、通常3日~1週間以内に承諾か辞退の連絡をする事がマナーとされていますが、この間に決めることができない時は、「保留」をすることができます。

内定保留の電話方法

他にも選考中の企業があるため、そちらの結果を踏まえた上で、慎重に判断したいと考えておりますので、○○日までお返事をお待ちいただくことは可能でしょうか。

 

労働条件をよく確認しないで承諾してしまった

面接の合格(内定)は、まず電話で連絡がきますが、この電話で「即答で承諾」してしまったという失敗をよく耳にします。

内定を貰った嬉しさから、電話で承諾したくなる気持ちは分かりますが、入社という重大なことは、もう少し慎重に判断すべきなので、内定通知書と労働条件通知書を見て、しっかり条件などを確認してから、入社して大丈夫か判断をするべきでした。

労働条件通知書の確認方法は、以下関連記事で詳しく解説しています。

承諾後に企業の悪い噂を耳にした

承諾後に、知り合いなどから「あの会社ブラックらしいよ」という情報を耳にすることもあるかもしれません。

難しい問題ですが、その噂を信じるかどうかは、あなた本人次第です。

仮に本当だとしたら、「身内に急病が出たので、急遽地元に帰らなくてはならなくなった。」などと、辞退企業から恨まれない理由を演技するしかないでしょう。

なお、面接などで企業に行った時に、ブラックの可能性を調べる方法を以下記事で解説しています。

(下に続く)

内定承諾後でも辞退は可能

内定承諾後の辞退

様々な事情で、内定承諾後の辞退をする場合は、次の方法で「誠意」をもって行いましょう。

内定辞退の方法

  1. エージェントを利用・・・エージェント経由で辞退する
  2. それ以外・・・自分で企業に電話する

辞退はいつまで可能か

内定承諾後の辞退は、法律的にはいつでも可能です。(入社日まで2週間以上ある場合)
ただし、いつでも可能だからといって先延ばしせず、即連絡をしなければなりません。

(下に続く)

納得のいく理由を説明すること

通常の承諾前の辞退でしたら、「他社の職種が自分の適性に近いと判断したため」と、あいまいな理由を伝えれば済みますが、承諾してからの辞退の場合は、

採用担当者が納得する理由を説明しなければなりません。

企業に「説明に来い」といわれることも

承諾後の辞退は、企業にとっても迷惑なことで、採用担当者も気分を害しているため、直接会って説明して欲しいと言われる事もあります。

この場合は、企業に説明と謝罪をしにいくべきです。

怒られても10~20分ですので、迷惑料と割り切るしかありません。

内定辞退のトラブル

正直言って、内定承諾後の辞退そのものがトラブルとなり得るものです。
なぜなら、内定承諾した以上、企業は入社準備に取り掛かるからです。

主なトラブルは、次の通りです。

  • 入社準備に要した費用の請求
  • 今後、辞退者の出身校からの採用取りやめ
  • 入社日まで2週間以内の場合、(解除成立まで2週間かかるため)一旦入社することになる

損害賠償はあるの?

内定承諾後の辞退の場合、「あなたの入社のために費やした費用」の損害賠償の可能性があり、特に、入社日直前の辞退など、悪質と思われる場合には損害賠償されても仕方ありません。

内定辞退をしてしまった場合は、社会人として出来る限りの誠意を尽さなければなりません。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

一度内定を承諾してしまうと、企業は入社に向けた準備をしたり、次点合格者に不採用の連絡をしたするので、企業に多大な迷惑や損害を与えてしまいます。

このため、内定をもらっても「即答」で承諾せずに、採用条件の確認や入社して大丈夫なのかを、冷静になって検討する時間が必要です。