(2020-5-31更新)

面接に合格し内定通知書が送られてきたが、年収が予想より低くて入社をためらうことってありますね。

面接では、前職の年収を考慮すると聞いていたが、結局考慮されていなかった

特に、第一志望の会社の場合、下手に給与交渉をして会社から嫌われるなら、給与を我慢して入社したほうが賢明なのか悩んでしまいますね。

実際に、転職では「内定もらっても、あとちょっと年収が足りない」という場面があると思います。

今回は、内定後の条件交渉で気を付ける3つのポイントを解説します。

条件交渉とは

入社後の給与やポジションなどの処遇について、内定側企業と合意をするための交渉のことで、条件面談(オファー面談)の場で行われます。

条件交渉では、給与UPの交渉が行われることが多いですが、次のような入社を想定した調整も行われることがあります。

  • 給与
  • 仕事内容・ポジション
  • 住宅・扶養家族手当の調整
  • 入社日

例えば、「名目だけでもいいから肩書を付けて欲しい」、「共働きだけど配偶者手当が支払ってほしい」などの交渉も行われるのも条件面談なのです。

条件交渉はいつ行うか?

まず条件交渉は、内定通知書を受領してから行います。

たとえ最終面接で「入社日の話」をしていて、ほぼ内定の状況だったとしても、面接の場で条件交渉を行うものではありません。

最終面接で条件の交渉をしてしまうと、

まだ内定が決まったわけでないのに、条件の話をしてきた

条件交渉をする面倒な応募者だ

などと企業側の心証を害してしまい、決まりかけていた内定が、一転して不採用となる場合もあります。

条件交渉のセッティング方法

条件交渉のセッティング

1.条件面談(オファー面談)の場で行う

条件交渉をすることを、企業によって「条件面談」「オファー面談」などと呼んだりしますが、内容は一緒です。

また、「思い違いなく、納得して入社してもらいたい」との配慮から、内定者全員と条件面談をセッティングする会社もありますが、ほとんどの企業は、内定者から依頼しないと開かれないのが通常です。

条件交渉の場所は?
  • 条件面談、オファー面談などと呼ばれる
  • 通常は、内定者から依頼しないと開催されない

2.会って行うことが鉄則

条件面談は直接会って行うものであり、遠隔地など事情がある場合を除いて、電話で行うものではありません。

声だけのやり取りだと、なかなかニュアンスが伝わらないし、そもそも、これから何年~何十年も勤める上での重要な条件交渉を電話で済ませるべきではありません。

なお、ビジネス上では、重要なやり取りは電話で行うことは少なく、直接会って顔を見ながらするのがマナーです。

3.面談のセッティング依頼方法

条件面談セッティングの依頼は、内定通知書を受領してから3日以内に電話で行います。

この時重要なことは、あくまでもお願いするという謙虚な姿勢を持つことです。

「ご相談させていただきたいことがあるので、お時間をいただけないでしょうか?」

と伝えれば、採用担当者ならば条件面談をして欲しいと察してくれるので、都合の良い日時をいくつか提示して日程調整を行いましょう。

【関連記事】

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条件交渉で失敗しない3つのポイント

条件交渉の3つのポイント

1.企業が提示した条件の理由を聞くこと

条件面談(オファー面談)では、まず聞き手に回り、企業側の説明をよく聞くことから始めます。

始まってすぐに、こちら(応募者)から「給与をあと〇万円上げて欲しい」などと言い始める人がいますが、ビジネスマンとしての交渉方法としては失格です。

企業にも査定の根拠があるわけで、

こちらの話も聞かず、一方的に要求をしてきた

とあなたの評価は一気に落ちてしまいます。

もし、正しく交渉したなら条件アップの可能性があったが、交渉方法を間違えたために、企業の心証が落ちたので、頑なに拒否されるってこともありますから。

(下に続く)

2.納得のいく根拠を示すこと

さて、企業側の説明もしっかり聞いて、次はこちらから希望の条件を提示する番ですが、一つ気を付けて欲しいことは、交渉するときは相手が納得するような根拠を示すことです。

根拠(理由)も告げず、「あと○○万円増やしてほしい」といっても、誰も納得しません。

例えば給与の交渉をする場合は、次の例のように、家庭の事情などを上手く伝えるといいでしょう。

住宅ローンの返済と2人の子供の教育費があり、前職では年収〇〇万円で何とかやりくりしておりました。条件の見直しをお願いできないでしょうか

採用担当者や人事の人たちに、「それなら仕方ないね」と言わせる根拠を示してください。(作り話はダメですよ)

しっかりと説得力のある理由を説明する能力は、入社してからもプレゼンテーションや商談などで求められますので、自分を売り込むつもりで準備してから面談を行いましょう。

3.本気で挑むこと

給与が上がったらしめたものと、「とりあえず交渉してみる」ことをしてはいけません。

例えば、業界の相場水準よりかけ離れた給与を要求してしまうと、

「ものごとを客観的に見られない」

「自分の実力が分かっていない」

交渉したことで、マイナスに評価されてしまうことがあります。

安易な交渉は、あなたの評価を下げるだけでなく、内定が取り消される可能性があるからです。

(下に続く)

交渉後の流れ

1.条件面談の結果を確認する

交渉結果を回答はその場でもらえるものではなく、「検討の結果連絡します」と後日の返事を待つことになります。

企業からは、満額OKの回答はなかなかもらえず、

検討の結果、(希望の600万円は厳しく)550万円が目一杯の金額です

と一部受け入れてもらえることがほとんどだと思います。

2回目の交渉は無い

条件交渉を行っても、一切受け入れてもらえないこともあると思います。

ここで重要なのは、よほどのことが無い限り2回目の交渉をすべきではありません。

条件交渉は、プロ野球の契約更新とは異なり、何度行っても結果が変わるものではありません。
「もう少し」と何度も交渉しようとすると、逆に「厚かましい人間」と企業から敬遠されてしまいます。

つまり、今回の回答結果で入社するか辞退するかを判断しなければなりません。

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2.入社可否を連絡する

交渉の結果を企業から返事をもらったら、基本的に3日以内に返事をします。
企業から検討結果を受けた時に、返事の期限を確認しておくとよいでしょう。

交渉の返事を貰ったら期限を守って可否を伝える

この時、満足のいかない結果だからと言って、回答を放置してはいけません。
企業があなたの交渉に応じて、交渉内容を検討してくれた訳ですから、しっかりと感謝とお詫びを伝えることが最低限のマナーです。

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(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

せっかく転職する訳ですから、少しでも条件が良い企業に入社したいと考えるのは当然のことですが、焦って交渉してしまうと、企業からマイナスイメージを持たれるだけで、よいことは何もありません。

  • 内定後に、直接会う
  • 条件交渉では、まず聞き手に回り企業の話をよく聞く
  • 交渉する時は納得のできる理由を伝える

これを守って、失敗のない条件交渉をしてみてはいかがでしょうか。

なお、内定はゴールではありません。
入社して活躍するために、現職の退職交渉や入社準備を怠らないようにしましょう。

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