(2018-9-9更新)

これから転職するとして、給与と通勤時間以外の条件が一緒だった場合どちらを選びますか?

「通勤時間(片道)1時間30分、給与25万円」
「通勤時間(片道)30分、給与22万円」

この質問には、実は正解はありません。

それは通勤に対する価値観や家庭の事情、または年齢によっても変わってくるからです。

今回は、最近注目を浴びている変わった制度があるので紹介します。



近距離手当(近隣手当)とはなんだ?

自転車通勤
近距離手当とは、あまり聞きなれない言葉ですが、勤務先から一定範囲(3Km以内など)の距離に住む人に対して支払われる手当のことで、近隣手当と呼ばれることもあります。

よくある通勤手当の考え方ですと、勤務先から遠くに住む人には通勤交通費が多く支給されて、徒歩圏内に住む人には、通勤手当が無いかバス代程度しか支給されませんが、近距離手当の場合は、逆に、近くに住む人のみに支払われる手当で、遠くに住む人に対しては支払われません。

導入企業(例)

近距離手当の導入企業はまだ少ないですが、こんな企業で導入されています。

株式会社ドワンゴ

近距離手当・・・半径5km圏内に居住する場合は月額30,000円を支給

グリー株式会社

近隣住宅補助・・・対象エリアに住む社員に対して、家賃の5割に当たる金額(上限月5万円)を補助
近隣引越補助・・・対象エリアに引っ越す場合に、20万円の引越手当を補助

クックパッド株式会社

自転車通勤制度・・・会社から15km圏内自転車通勤を行う社員へ、毎月1万円の手当を支給
住宅手当・・・会社から1.5km圏内に居住する社員は毎月3万円を上限に住宅補助
近距離奨励金・・・会社から1.5km圏内に初めて引っ越した場合、近距離奨励金として20万円が支給


グリー株式会社やクックパッド株式会社が行っている、近隣に引越しする際の引越手当も、引越しを考えている人を後押しする制度です。

近距離手当導入企業は増えるか?

近距離手当を導入する企業は、今後も増えるのではないかと管理人は考えております。

それは、企業側も従業員側も、次に挙げるようなメリットがたくさんあり、まさに双方にいいことずくめの制度だからです。


近距離手当の狙い

企業は何故、わざわざ近距離手当を導入しようとするのでしょうか?

実は、近距離手当を払ってでも、企業にはメリットがある制度だからです。

1.福利厚生

企業も福利厚生を充実させて、優秀な人材を確保したいと考えております。

特に、最近は有効求人倍率も上がり、慢性的な人手不足となっているため、あの手この手の福利厚生で会社の魅力をアピールして応募者を増やしたいと考えています。

その一つが「近距離手当」なので、優秀な人材が企業の近くに住んでいたら、近距離手当は魅力的に見えるので、企業にとっても応募者にとってもメリットな訳です。

2.経費削減

これは効果が出るまでに時間がかかりますが、例えば、遠くに住む社員に定期代を3万円払うより、近くに住んでもらい近距離手当を2万円払った方が会社にとっては得になる、いわゆる「職住近接(*1)」の考え方です。

逆に働く社員にとっても、定期代は手元に残らないが、近距離手当は実質給与が増えたのと同じになるため、勤務地の近くに引っ越そうと思わせることができます。


(*1)職住近接とは、職場と住居との距離が近いことで、長時間通勤や通勤混雑の問題を是正して、ゆとりある生活を実現しようと、国土交通省も職住近接のまちづくりを目指しています。

3.社員の生産性の向上

企業も、社員の能力を最大限に引き出すことで、競争力を上げたいと考えています。

ところが、1時間以上満員電車で揺られて出社する社員は、出社しただけで疲労がたまってしまい、通勤の疲労が毎日積み重なり、仕事のパフォーマンスが低下する恐れがあります。

ましてや、遠くに住んでいる社員が2~3時間の残業をしたら、家に寝るために帰っているようなもので、この社員のパフォーマンスを最大限活かすことは難しくなります。

企業の本音は、近くに住んでもらいたいわけですが、さすがに勤務地の近隣に住んでくださいと公に言えないので、近距離手当によって、間接的に近距離通勤を促している訳です。

近距離手当の社員側のメリット

近距離手当は社員にとっても、嬉しいメリットがあります。

近距離手当のメリット

1.手取り給与が増える

近距離手当は、通勤手当の定期代とは異なり、手取り給与として残る自由に使えるお金です。

通勤手当は、支給されてもそのまま定期代として無くなってしまうので、手元には残らないですが、これに対し、近距離手当は、資格手当や役職手当などと同様に、手元に残る手当というところが大きな違いです。

もちろん、会社の近くに引っ越した場合は、住宅費(住宅ローンや家賃)が増えて、近距離手当が住宅費に消えてしまうこともありますが、それでも、通勤時間が短くなったり、満員電車に乗る時間が減ったりするメリットの方が多いのではないでしょうか?

2.余暇が増える

近距離手当のおかげで勤務地の近隣に引っ越すことができた場合、余暇が増えることが最大のメリットかもしれません。

例えば、通勤時間が片道1時間短くなれば、1日2時間も余暇が増え、今までできなかったことにチャレンジすることができます。

今までは、週末に疲れがとれずにダラダラしていたが、通勤が楽になり疲労が減ることで、週末には時間をかけて趣味をするといった夢のような生活も可能です。

余談ですが、管理人は会社から徒歩20分の場所に住んでいたことがあり、17時に退社して17時30分までには家に帰れたので、毎日のように遊びに行っていました。(笑)

「職住近接」は、会社から呼び出されるから避けたいという人もいますが、緊急事態になれば、近くにすんでいようが遠くに住んでいようが呼び出されるので、職住近接はダメと考えるより、通勤時間が毎日1時間でも減ったメリットを考えた方が現実的だと思います。

3.近距離手当で、残業手当が増える

実は、近距離手当には隠れたメリットがあります。

それは、近距離手当は、残業手当を計算する基準単価に含まれることです。

各種手当でも、通勤手当や住宅手当、家族手当などは、残業手当を計算する基準単価に含まれませんが、近距離手当は、役職手当や資格手当などと同じ扱いで、残業手当を計算する基準単価に含まれるのです。

ではどのくらい残業手当が増えるかといいますと、一般的な週休2日制(月間160時間労働)の会社の場合、近距離手当1,000円あたり、残業手当が1時間7.8円増えます。(近距離手当20,000円なら、残業手当156円も増えます!)

近距離手当20,000円で、残業手当の単価が156円アップ!
20時間の残業で、3,120円も残業手当が増える!



残業手当を計算する基準単価の詳細は、以下関連記事をご覧ください。

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余った時間の有効活用方法

会社の近隣に引っ越して、通勤時間が片道1時間、往復2時間短縮されたら、余った時間はどのように活用したらいいでしょうか?

朝活をしてみよう!

朝活とは、朝の活動のことで、朝の時間を活用して読書や趣味などを行ったり、始業前に仕事を始めて、残業をしないで帰社したりする活動をいいます。

通常、朝活といえば、5~6時頃に起きる早起きのイメージがありますが、近距離通勤組みは違います。

早起きしない朝活ができる

会社の近くに住むことで、朝9時出社なら、8時30分に家を出ても間に合うこともあると思います。

それなら、朝7時に起きて、シャワーを浴びて朝食を取っても、まだ時間に余裕があると思いますので、散歩やジョギングをしたり、読書をしたり、または趣味を楽しんでから出社することが可能になります。

普段通りに起きても、通勤時間が短くなった分だけ朝活をすることができるので、会社の近くに住んでいるメリットを活かして、人生を楽しんでみてはいかがでしょう!


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