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退職金の前払いという言葉をよく耳にするようになりました。

企業は将来の退職金のために、資金を積み立てておく必要が無くなり、従業員も企業の倒産によるリスクが減らせて、また転職しやすくなるメリットがあります。

ここでは、退職金前払い制度について説明します。



退職金前払い制度とは

退職金前払い制度とは、従来の退職時に支給される退職金を、在職中に支給される制度をいい、現金で給与や賞与に上乗せして支給する場合と、確定拠出年金の掛け金として支給する場合がある。

現金で支給される場合

従来企業が退職金として積み立てる金額を、給与や賞与に上乗せして現金支給されます。
企業により異なりますが、5~10%程度上乗せされることになるようです。

確定拠出年金の掛け金として支給する場合

確定拠出年金の個人別専用口座に、従来企業が退職金として積み立てる金額を、毎月掛け金として拠出します。
掛け金は、従業員(個人)が運用商品(投資信託や定期預金など)を指定して、60歳まで運用することになります。

退職金制度がない企業

厚生労働省の調査によると、退職金制度がない企業は24.5%(平成25年)と5年前の16.1%から増えています。
(出典:厚生労働省「平成25年就労条件総合調査結果の概況」)

終身雇用制度と共に、今後の退職金制度の見直しも増えてくるのではないでしょうか。

退職金の前払いの税金

退職金を前払いで受け取った時にはどんな税金がかかるのでしょうか?

現金で受け取った場合

現金で受け取った場合は、給与と同じ扱いになり、所得税、住民税、社会保険料、雇用保険料が発生します。
これらを合計すると、年収500万円のサラリーマンの場合30~35%も差し引かれます。

確定拠出年金の掛け金として受け取った場合

掛け金として受け取った場合、掛け金には一切の税金がかかりません。

なお、掛け金として受け取ったと書いてますが、実際には、確定拠出年金の個人別専用口座に振り込まれ、原則として60歳までは、出金することができません。

確定拠出年金の満期時の税金

満期金の受け取り方法は、次の3種類があります。

  1. 年金として分割して受け取る
  2. 一時金として全額を受け取る
  3. 年金と一時金を併用して受け取る

併用して受け取る場合は、年金として受け取る部分は年金の税金が、一時金として受け取る部分は一時金の税金が課税されます。

1.年金として受け取る場合、雑所得そして総合課税される

年金として受け取る場合は、雑所得として公的年金等控除(65歳未満=70万円、65歳以上=120万円)後に、他の所得と合算されて総合課税されます。

次の場合を除いて、年金として受け取ると税金が高くなります。

企業から通常の退職金を受け取る場合

企業から確定拠出年金とは別に退職金を受け取り、退職控除の枠を使い切ってしまう場合は、確定拠出年金の受け取り方法を年金にして公的年金等控除を使った方が、税金が少なくなる場合があります。

2.一時金として受け取る場合、大幅な節税が可能

60歳で年金受取時に「一時金」として全額を一括で受け取ることで、退職所得控除が受けられるので大幅な節税となります。(退職金を一括で受け取った場合と同様になる)

退職所得の計算式は、

((税金を引かれる前の一時金)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

退職所得控除の計算式は、

(1)加入期間20年未満の場合

40万円×加入年数(ただし、80万円未満の場合は80万円になります。)

(2)加入期間20年以上の場合

800万円+70万円×(加入年数-20年)



退職所得と税金の詳細については、以下関連記事をご覧ください。

関連記事:「退職金の税金と申告

確定拠出年金の掛け金の運用

ポートフォリオ

確定拠出年金の掛け金の運用は、会社が契約している金融機関が設定している運用商品を選択する形で行われます。

運用商品は、次の2種類があります。

  1. 元本確保型
  2. 元本確保型以外

元本確保型

定期預金や保険などで、運用益は年0.1%以下と期待できないけど元本が確保されているので、多くの人が元本確保型で運用しているのが実態です。

元本確保型以外

こちらは、元本が確保(補償)されてなく、リスクを覚悟してリターンを追求するものがあります。
具体的には、「日本債権」、「日本株式」、「外国債券」、「外国株式」に加え、不動産(REIT)など金融機関によって異なります。

運用益には課税されない

確定拠出年金では、運用中の利益には課税されないメリットがあります。
課税は、年金受取時のみなので、個人の証券会社の口座で運用するより、確定拠出年金で運用した方がお得です。

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