(2020-7-19更新)

転職活動を始めたり、退職を考えている人たちには、「ある」共通する前兆や兆候があります。

最近、彼は意見を言わなくなった・・・

部下にそんな辞めるサインが出始めたら、早めに相談に乗ることで、退職を思いとどまらせる可能性があります。

実際に、会社を辞めようと考えている人は、なぜか同じような行動を取る傾向があるので、「いつもと違う」と思ったら放置せずにコミュニケーションを取ることが賢明です。

今回は、退職しそうな社員の特徴と、実際に辞めた人が取った行動を紹介します。

転職を検討している人の特徴

この初期段階の前兆は、転職を考え始めている時に多い特徴で、十分に転職を引き止めることができる可能性があります。

部下にこの特徴が見られたら、手遅れになる前に悩みを聞いて相談に乗ることが退職させないためのポイントです。

転職を検討している人の特徴

1.社内で意見を言わなくなった

「会社を良くしたい」「出世したい」と考えていれば、会議や打ち合わせの場で、会社の業績アップのための提案や改善案など積極的に自分の意見を言うことが自然です。

昔は鋭い発言をしていたのに、最近おとなしいね

以前に比べて会議の発言や上司・チームへの提言が減ってきたときは、

  • 会社への意欲が低下している
  • 転職・退職を考えている

鬱(うつ)などの病気にかかっているか、会社を辞めることを考えている可能性があります。

特に、会議中にうつむいたり他の発言者の意見を聞いていなかったり前向きでない様子なら、「辞める会社のことはどうでもいい」と考えているからです。

2.ランチを一人で食べるようになった

会社の人と一緒に食事を食べることは、人間関係や情報交換ができるメリットがあるため、時間がないなどの場合を除いて、同僚たちと共に昼食を食べる人が多いと思います。

もちろん、「いつも同じ人」と食べているとマンネリ化してしまいますが、それでも、突然ランチを1人で食べ始めることは「何か異変」がある証拠です。

  • 会社を辞めようと思っている
  • 悩みを抱えている

退職を考え始めている人は、辞める会社の人と「関係性を薄めよう」「関わりたくない」と思うようになることがあります。

同僚とコミュニケーションを取るより、転職のための準備をしたい

このように考えて、職場で活発なコミュニケーションを敬遠しはじめる兆候が、ランチを一人で食べるという形になって現れます。

ただし、一人でいることが多くなったということは、転職以外の悩みを抱えていることもあるので、上司としては、部下にこうした状態が現れたら、放置せずに話を聞くべきタイミングです。

3.昼休みに調べものをするようになった

分かりやすい兆候で、転職か独立などに向けて準備をしている社員に多い特徴です。

  • 就業規則や退職金規程
  • 業界や会社研究
  • 転職サイトなどで求人をチェック

会社を辞めそうな人は、なぜか昼休みなどの短い時間に調べようとする傾向があります。

家に帰ってからなら、誰の目も気にしないで調べものや転職の準備ができるのに、昼休みを活用したくなるのは、「辞める会社にいる時間は無駄」と考えているのでしょうか?

ただし、単に一人で黙々とスマホを見ている場合は、ニュースをみたりゲーム、チャットをしているだけかもしれませんが、誰かが近づいた時に「画面を隠す」「メモを取る」などをしていたら、同僚たちに言えない「何か」をしていると思われます。

4.就業規則などを調べる

就業規則

具体的に転職活動をし始めると、「退職願いの提出期限」などの就業規則や退職金規程なども気になってくるので、これらが社内ネットワークから簡単に見られる場合は調べ始めることでしょう。

なお、規則が書庫にあり申請しないと閲覧できない場合は、この段階ではまだ調べずに、内定が近づいた頃に申請してくるでしょう。

5.資格の勉強を始めた

会社で働いていると、日々の業務に追われてしまい、わざわざ資格と取得しようと思いませんね。

  • 「資格を取っても評価は変わらない」
  • 「資格の勉強する時間を業務にあてたい」

もちろん、仕事上資格が必要な場合は、取得が昇進・昇給に直結するので「やるしかない」ですが、そうでない場合、「仕事で結果を出す」ことを重視してしまいますね。

ところが、転職を意識すると話が変わってきます。

転職では、「業務経験+関連資格」が選考でモノを言い、年収にも影響を与えます。
このため、自身の転職市場での価値を上げるために「関連資格」を取得しようと考えることは自然のことですし、未経験分野に飛び込む場合でも、資格があることは「志望動機」として役に立ちます。

「○○の資格を取得したので、これを活かせる仕事に就きたい」

今まで資格に見向きもしなかった社員が、突然勉強を始めたら転職を意識していると考えて間違えないでしょう。

ただし、転職の直前に付け焼き刃で勉強したところで意味がないですが、優秀な社員は1~2年後を見据えて、資格取得後に転職しようと考える人もいます。

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転職活動中の人の特徴

この段階は、実際に転職活動を始めている時に多い兆候やサインで、出勤や退勤時間、有給休暇などの勤怠に変化が出始めるのが特徴です。

引き留めるならこの段階までですが、実際に面接を受けていると思われるので面接の結果次第です。

転職活動中の社員の特徴

1.出社時間が遅くなった

「彼、最近出社時間が遅くなったね」

以前は30分前に出社して始業前にメールチェックや仕事の段取りをしていた人が、急に出社時間が遅くなったら要注意です。

  • 仕事のモチベーションが低下している
  • 引っ越して電車やバスのタイミングが変わった

引っ越して、乗り継ぎのタイミングが悪くなったり、直通電車で座って通勤するとギリギリになってしまうケースもありますが、引っ越してもないのに遅くなるということは、気持ちの変化があったからです。

例えば、転職活動を始めるようになると「辞める会社に対して頑張ってもしょうがない」と考えるようになる人が多いです。

「もう辞めるのだから、会社から評価が下がっても関係ない」

どんな優秀な社員でも、辞める直前はモチベーションが低下するものです。

ただし、ギリギリに出社して眠そうな顔をしていたら、単に夜更かししているだけかもしれませんが、どちらにしろ上司としては部下の悩みを聞いておくべきでしょう。

2.髪型や身なりが、以前より整ってきた

とても分かりやすい転職活動中のサインで、エージェントに会ったり、面接をしていたりするから身なりがしっかりしているのです。

また、突然の面談・面接に備えて、面接予定の無い日もしっかりとしている場合も多いです。

なお、マニュキュアやネイルをしなくなったり、茶髪が黒髪になったりするのも面接対策ですが、誰から見てもわかる兆候なので、逆に応援したくなってしまいますね。

身だしなみの変化は転職のサイン
  • 髪型が会社員ぽく(真面目に)変わった
  • 化粧が地味に変わった
  • マニュキュアやアクセサリーをしなくなった

3.紺やグレー色のスーツを着るようになった

服装が変わったら面接や面談などをしている可能性が高いです。

特に、今まで私服で出社していたのにスーツを着だしたり、明るい色のスーツを着ていたのに紺やグレーのスーツに変わったりすると、「誰かに会うため」以外の理由はあり得ません。

「気分転換したくて」

本人は、誰も信じないような言い訳をしてくるかもしれませんが、周りは面接と見抜かれてしまいます。

アフター5に面接があると、スーツをコインロッカーなどに入れて仕事後に着替えない限り、会社に着ていくしか方法がありません。

会社に面接用のスーツを着てくるようになると、「開き直っている」か「引き止めて欲しい」かのどちらかですが、逆に、あからさまに面接をしているをアピールされてしまうと、周りは声をかけ難くなってしまいますね。

スーツの変化は面接しているから
  • カジュアルな服装からスーツ着用に変わった
  • スーツの色が濃い紺・グレーに変わった

4.有給休暇の取得が増えた、取得パターンが変わった

面接をするために有給休暇を取得しつつ、余っている休暇を消化しておこうと考えているからです。

また今までは、例えば奥さんの休みに合わせて休暇を取っていたのに、違う日にも取るようになった場合も、面接の日程に合わせて取得している可能性があります。

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5.退勤時間が早くなった

夜の面接をしているか、辞める会社に対して頑張ってもしょうがないと考えているのでしょう。

特に、今までは周りの人たちに付き合って残業していたのに、付き合いの残業を減らし始めたら、会社に対する未練が無くなってきたと考えていいでしょう。

6.ひとりで帰宅することが多くなった

今までは、先輩や同僚と一緒に会社を出る多かったが、最近は、1人で帰宅するようになったら、仕事帰りに転職エージェントと合っていたり、面接に行ったりしているから、会社の人と一緒に帰れないのです。

また、家とは反対方向の電車に乗ることを見かけたら、転職活動中と考えられます。

(下に続く)

そろそろ退職する人の特徴

退職届を提出する社員

転職先が決まりかけている時に多い特徴で、気持ちが転職先に向いているので、もはや引き留めても手遅れの段階です。

もはやここまで来たら、早く退職を切り出して欲しいですが・・・。

1.仕事の引継マニュアルを作り始めた

誰から指示されたわけでもないのに、突然業務マニュアルを作成し始めたら退職目前でしょう。

辞める時に苦労するのが引継ぎなので、後任者にスムーズに引継ぐためにマニュアルが必要だなと考えるようになるからです。

内定したらスムーズに引継ぎを行わないと約束した入社日までに退職できなくなってしまうので、特にその部署で長く働いている人は、早めに仕事の整理をして引継げるようにしておく必要があるからです。

(下に続く)

2.机の片づけをするようになった

転職のことで頭がいっぱいになると、辞めるために色々と準備をし始めます。
私物を持ち帰ったり名刺を整理したり、または見られたくないものを捨たりと・・・。

本来は、職場のデスクには私物を置くべきではありませんが、長く働いていると少しずつ溜まってしまうものです。

特に、いままでデスクが汚かった人が奇麗になったら、「何かある」と思って間違えないでしょう。

3.いらない書類を捨て始めた

仕事をしていると資料などがどんどん溜まってきますね。

働いている間は、「もしかしたら使うかもしれない」と書類を捨てるのをためらってしまいますが、辞めると決めたら保管しておく必要が無くなりますね。

それでも、一度捨ててしまったら元には戻らないので、次の会社が見つかるまでは捨てがたいので、捨て始めるということは内定が出ていると思ってもいいでしょう。

最近、あの人シュレッダーばかりしているね

特に、過去の資料などのファイルを出してきて、選別始めるのも特徴です。

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(下に続く)

【実例】みんなが見かけた辞めた人の行動(ユーザーの声)

職場で見かけた実際に辞めた人はどんな特徴だったか、やっぱり気になりますね。

ユーザーのみなさんから寄せられたコメントから実例を紹介しますので、参考にしてみてください。(一部編集させていただいております)

ユーザーが見かけた辞めた人の実例を紹介
  • 12月にうちのエース級社員が突然辞めてしまったのですが、秋頃から急に会議などで意見を言わなくなりました。(鈴原様)
  • うちの会社には辞めたいが口癖の社員がいますが、一向に辞める気配がありません。
    不満をダラダラ言う人間は、逆に辞めないタイプでしょうか?(神山様)
  • 今まで一緒にご飯食べていた人が、突然独りぼっちで食べるようになったことがありました。(原田様)
  • 職場では比較的おとなしい社員が、突然辞めると言い出したことがありました。
    それまで相当不満を溜めていたのかなと思います。(梶山様)
  • 普段は強面のエース級社員が急に優しくなったら、1ヶ月後に退職すると言い出し社内は大混乱。(菅原様)
  • メーカーの営業なのに、突然ファイナンシャルプランナー試験受けるって言い出して、見事に合格して会社を去っていきました。
    あとで知ったのですが、前々から勉強していて、受かったら辞めるつもりだったようです。(伊藤様)
  • それまでは有給を月に1回取るかどうかだったのに、月に2〜3回は取るようになった人がいて、しばらくしたら退職しました。(田仲様)
  • 入社2年の若手が、リクルートスーツで通勤しだして職場で大笑いしました。
    聞いたら面接って教えてくれました。(橋口様)

会社を辞める人は、普段とは違う行動をするものですね。

他にも、「こんな辞めた人がいる」事例がありましたら、ぜひコメントにお知らせください。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

普段から部下とちゃんと向き合っていると、どの兆候のサインも気づくことができるものではないでしょうか?

部下を辞めさせないためには定期的に面談などを行い、抱えている悩みや不満を聞く地道な努力が有効です。

  • 抱えている問題・不満
  • やりたい仕事

例えば、若手の社員は「そんな理由で辞めるの?」と首をかしげるようなことで退職することがあるので、ちょっと悩みを聞くことで、突然の退職を防ぐことができる場合があります。

また、優秀な社員に対しては、あえて難易度の高い仕事に挑戦させたり、出張や研修に行かせて新しい空気を吸わせたりして、モチベーションを維持させる工夫が、辞めさせないために必要ではないでしょうか?

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