(2020-6-25更新)

応募企業から内定通知をもらい、雇用条件も問題なかったので内定を承諾しようと思ったが、

内定承諾書はどうやって送ればいいのか?

家に余っている封筒で送って大丈夫?

この時、知り合いに手紙を出すように、手持ちの封筒に宛先を書いて送ってしまったら残念な人になってしまいます。

実は、内定承諾書を送ることは、ビジネス文書としてのマナーが必要だからです。

今回は、内定承諾書を正しく郵送するために、封筒の書き方や送り方、添え状のマナーを解説します。

内定承諾書とは

内定承諾書

企業からの内定を承諾し、その企業に入社することを誓約した書面のことで、入社承諾書などと呼ばれることもあります。

通常は、内定通知書(または、採用通知書)と共に企業から送られてきます。

また、労働(雇用)条件通知書も同封されていますので、給与などの待遇が求人票や面接時に聞いた内容と違わないかを確認してから、内定承諾または辞退を判断することが重要です。

どんな内容が書かれている?

内定通知書には以下の労働条件が記載されていますので、その条件で納得できなかったら承諾をしてはなりません。

  • 契約期間
  • 就業の場所
  • 業務の内容
  • 勤務時間
  • 休日、休暇
  • 賃金、諸手当
  • 退職に関する事項

承諾書を出してしまったら、その後は一切の交渉を受け付けてもらえませんので、「とりあえず承諾書を提出しよう」と考えることはNGです。

なお、各項目の確認方法は関連記事で詳しく解説しています。

【関連記事】

内定したら確認する内容は?労働条件通知書の確認方法を解説

いつ提出する?

内定承諾書は、受け取ってから3日以内に返送するのがマナーです。

もし他社の内定待ちなどですぐに返送することができない場合、放置せずに3日以内に採用担当者に連絡します。

また、入社したいけど条件面に問題がある場合は「条件交渉」することができますが、どの場合も3日以内にアクションを起こすことが重要です。

まとめると以下の通りです。

  • 承諾:3日以内に承諾の電話、内定承諾書の返送
  • 保留:3日以内に保留のお願いの電話
  • 辞退:3日以内に辞退の電話
  • 条件交渉:3日以内に電話で条件面談の場のセッティング依頼

【関連記事】

内定後の正しい条件交渉方法は?

それでは、「封筒の選び方」、「封筒への入れ方」、「宛先の書き方」の順に解説します。

封筒の選び方

入社の決意ができたら、通常は3日以内に電話で内定承諾を連絡してから、内定承諾書を郵送します。

ここで重要なことは、内定承諾の電話を先にすることです。

なぜなら、郵送だと企業に到着するまでに日数がかかるため、採用担当者から「連絡がなかったから辞退されたと思いました」と入社できなくなってしまう恐れがあるからです。

続いて、承諾の連絡が終わったら内定承諾書を送りますが、封筒にもビジネス文書としてのマナーがありますので、順番に説明します。

白封筒を選ぶ

封筒の色にもビジネスマナーがあるのをご存知ですか?

通常、ビジネス文書を入れる封筒は、茶色と白色がありますが、内定承諾書は白封筒を使うことがマナーです。

このため、たとえ家に在庫があったからといって、茶封筒で送ってはいけません。

白、茶封筒の使い分けは?

封筒

白封筒はどんな場面で使う?

重要書類を送る時に使用するもので、ビジネスでは契約書や請求書、または挨拶状など送る時に使用します。

履歴書などの応募書類や内定承諾書も重要書類ですので、白封筒で送ります。

茶封筒はどんな場面で使う?

白封筒より簡易的という意味合いがあるので、ビジネスではちょっとした資料や案内状、納品書などを送る時に使用します。

茶封筒で重要書類を送ってしまうと、重要性のない書類と思われてしまいますし、「封筒の使い分けも知らないのか」と呆れられてしまいます。

封筒サイズは角形2号

次に封筒の大きさは、内定承諾書が折らずに入るサイズなら構いませんが、基本的に「角形2号(角2封筒)」を選んでおけば間違えありません。

もし、企業から内定承諾書が3つ折り封筒(長形3号、長形6号など)で送られてきた場合は、同じサイズの封筒で送り返せばOKで、この時に、あえて「角形2号」で送り返したら、嫌みと思われますので・・・。

内定承諾書の封筒まとめ
  • 白封筒
  • 角形2号(角2封筒)

封筒への内定承諾書の入れ方

書類が汚れないようにクリアファイルに入れる

封筒には、①添え状、②内定承諾書の順に入れますが、郵送途中に折れたり濡れたりしないように、①~②をクリアファイルに入れます。

郵便局では、郵便物の区分(仕分け)を機械で行いますので、折れたりシワになることがあり、また、雨の日の配達もあるので、どんな場合でも大切な書類を守るという気遣いがマナーとして必要です。

図にすると次のようになります。

内定承諾書ファイル方法

もし、企業から内定承諾書がクリアファイルに入れられて送られて来たら、同じクリアファイルに入れて送り返しましょう
この時、あえて新しいクリアファイルに交換しなくて大丈夫です。

添え状は、挨拶と同封書類明細としての役割がありますが、採用担当者も同封書類確認後に、添え状を捨ててしまうので、あまり凝らずに端的に書きます。

添え状見本はここをクリック

封筒の書き方

宛先の書き方も、ビジネス文書として最低限守らないといけないマナーがあります。

封筒への宛先などの記入は、字が下手だからといってパソコンで印刷はしないで、サインペンか毛筆を使い、手書きで書きます。

表面の記入方法

【 表面記入サンプル 】

内定承諾書封筒表面

住所は略さない

たとえ同一都道府県であっても、住所は都道府県からビル名も略さず、丁目や番地も「〇丁目〇番地〇号」と書きます。

【番地の記入例】

  • 誤)東京都○○区○○町1-2-3
  • 正)東京都○○区○○町1丁目2番地3号

会社名は正式名称で

会社名も「株式会社○○」などと正式名称で書きます。
特にカタカナの会社名の場合は、「コカ・コーラ」のように「・」も社名の一部なので略さないように注意します。

【会社名の記入例】

  • 誤)転職マニュアル(株)
  • 正)転職マニュアル株式会社

宛名は御中と様どちらがいい?

宛名の敬称の書き分けは簡単で、次の通りにします。

  • 人事課などの組織の場合は「御中
  • 山田様など担当者名が分かっている場合は「

【宛先の記入例】

  • 転職マニュアル株式会社 人事部御中
  • 転職マニュアル株式会社 人事部 山田様

この時、間違えても「人事部御中 山田様」としないように注意してください。

内定承諾書在中

左下に赤か朱色で「内定承諾書在中」と記入します。

もし、入社承諾書を送る場合は、「入社承諾書在中」と書けばOKです。

(下に続く)

裏面の記入方法

【裏面記入サンプル】

内定承諾書封筒裏面

左上に日付

裏面にポストに入れる日付を記入します。
これは内定承諾日の意味合いがあるので、忘れずに記入してください。

自分の住所も略さないで書く

自分の住所も、都道府県からマンション名なども略さずに書きます。
大切な文書を送る時に省略して書いてしまうと、先方に「軽い扱いの書類」と思われてしまいますので注意が必要です。

封は両面テープがベター

書類を全部入れた後の封は、両面テープが望ましいですが、ない場合はのり付けでも大丈夫です。(のり付けの場合は、凸凹にならないように、定規などを使って平にします)

最後に、「緘」か「〆」と封緘をします。

(下に続く)

郵便料金は?

角形2号で送る時は、郵便料金の分類が「定形外郵便物(規格内)」です。

定形外郵便物の郵便料金(2019年10月より)

定形外郵便物(規格内)の郵便料金は、重さで次のように決まっていますので、過不足の無い様に正しい金額の切手を貼りましょう。

  • 50グラムまで・・・120円
  • 100グラムまで・・・140円
  • 150グラムまで・・・210円(2019-9-30までは、205円)
2019年10月1日から、消費税率の改定により郵便料金が変わっております。ただし、50グラムと100グラムは変更なしです。

実際の郵便料金は?

メーカーによって重さが異なりますが、およその重さは次の通りです。

  • 角形2号・・・約15グラム
  • A4用紙・・・約4グラム
  • クリアファイル・・・約20~25グラム

内定承諾書を送る場合の重量を計算してみると、

封筒(15グラム)+A4用紙(4グラム×2枚)+クリアファイル(20~25グラム)=43~48グラム

なんとも微妙な重さになってしまいました。

郵便局の窓口で払う時は、重量を計ってもらうので間違えないですが、時間外や郵便局が近くになく重量が計れない時は、140円切手を貼った方が無難だと思います。

なお、140円切手を1枚貼付することが望ましいですが、手持ちにない場合は「120円+20円」などの組み合わせで、2枚までに収めておきましょう。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

内定承諾書の送付ひとつ見ても、人事の人たちには、ビジネスマナーがある人物かどうか分かってしまいます。

内定承諾書は、今後、何年~何十年お世話になる会社に送る訳ですから、恥ずかしい送り方をしたら、人事の人たちに笑われてしまいますので、この機会に正しい送り方をマスターしましょう。

また、この記事で紹介した封筒の選び方や宛先の書き方、添え状の使用方法などは、今後、会社で働く上で必要なビジネスマナーですので、入社後も活かしていただければと思います。

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