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ひと昔前までは、オフィスで堂々とタバコを吸いながら仕事ができたのに、今では、狭い喫煙ルームで細々と吸う羽目に。

いや喫煙ルームがあるならましな方で、社内に喫煙ルームがなく外に吸いに行くことも・・・。



何故タバコを吸う場所が限られるのか?

ありとあらゆる場所での喫煙が、法律によって制限されるようになってきました。

健康増進法

お店や学校、病院、官公庁施設などの多くの人が利用する場所では、受動喫煙(他人のたばこの煙を吸わされること)を防止するために、分煙や喫煙ルームなどを設置するように求めています。(健康増進法25条)

労働安全衛生法

また、会社の職場についても、労働者の受動喫煙を防止するための措置をすることを求めています。(労働安全衛生法68条の2)

措置の例として、全面禁煙か喫煙室の設置を挙げており、費用や設置場所の関係で全面禁煙をとる企業が多いのも、喫煙者には酷ですが、法律に従った結果だった訳です。

受動喫煙防止条例(神奈川県、兵庫県)

不特定多数の者が出入りする公共的な場所で、受動喫煙による健康影響を防止する条例で、神奈川県が2009年(実施は2010年)、兵庫県が2012年(実施は2013年)に制定しています。

企業の喫煙者に対する対応

休憩時間以外の喫煙禁止

吸わない人から見ると、タバコを吸うために席を立つことは不快でしかありません。

「1時間に1回はタバコを吸いに行く」
「帰ってくるとタバコ臭い」

残留受動喫煙(サードハンドスモーク:三次喫煙)

実際、衣服や髪の毛に付着したタバコの煙は、臭いだけでなく有害な残留物質を含んでいます。
また、タバコを吸った人の吐く息にも有害物質が含まれているので、非喫煙者がこの有害物質を吸う、
残留受動喫煙(サードハンドスモーク)として健康被害がでるとも言われています。

日本全国の公務員の喫煙タイムは920億円分!

市民団体「兵庫県タバコフリー協会」が尼崎市役所と西宮市役所の喫煙所を観察して調査したところ、
休憩時間以外に利用した時間を給与(俸給)に換算したところ、7700万円と5700万円と算出した。
これを全国の公務員の人数で計算すると、なんと920億円の税金が無駄に消えてると結論付けている。

就業時間中の喫煙禁止

休憩時間中は、業務の指示などがなく労働者が自由にとることができる時間とされているので、本来であれば、自由に使うことができます。

「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加へることは休憩の目的を害さない限り差し支へないこと。」(労働次官通達通達:昭和22年9月13日)

ずいぶんと古い通達ですが、規律保持上必要な制限を加へることが可能とされています。

例えば、社内を全面禁煙にしているのに、休憩時間中にわざわざ遠くで喫煙して来て、タバコの残留物質を持って帰って来ては、何のための全面禁煙か分からなくなります。
このような場合は、他の従業員の健康を害する恐れがあり、就業時間中とは言え喫煙を禁止することができます。

また、サービス業や販売など、お客様と接することがある場合は、お客様を不快な思いにさせることがあるので、喫煙を禁止にすることができます。

喫煙者不採用

喫煙者の不採用と言えば、株式会社星野リゾートが有名ですが、法的な問題はないのでしょうか?

企業には経済活動の自由が保障(憲法22条、29条)されていて、採用の自由も認められています。

「企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇用するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる」(三菱樹脂事件:昭和48年12月12日)

つまり、喫煙者を不採用にすることが、法律や公序良俗(社会の一般的秩序、または一般的道徳観念)に反してない限り、違法とはならないのです。

まとめ

タバコに対する社会の目は、日に日に厳しくなってきました。

企業も健康増進法や労働安全衛生法により、従業員のタバコによる被害を受けないような労働環境を用意する義務があり、この義務を怠ったことで従業員に健康被害が出た場合は、損害賠償請求を受けることになります。

今後もタバコの害については厳しくなる一方なので、

「それならは、喫煙者は採用しない」

と考える企業が増えてくるのではないでしょうか。

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