(2020-6-22更新)
女性を内面から美しくするエステティシャンに憧れる人もいると思います。
「美容の仕事だから、職業柄自分もきれいになれる」
もし、かなり体力を使うハードな仕事と聞いたら、「えっなぜ?」と驚いてしまいませんか?
実際に、想像以上に体力も使いますし、営業努力もしないと務まらないこともあるのです。
今回は、エステティシャンの仕事内容と、将来の独立やステップアップについて解説します。
エステティシャンとは
エステティシャンは、フェイシャルケアやボディケアなどの施術を行い、肌や身体の悩みを改善したり、または美しくする美容の専門家のことをいいます。
エステサロンで働くことが多いですが、ホテルや美容院などでも活躍している人がおおいのです。
では、実際の仕事内容と活躍の場を順番に紹介します。
エステティシャンの仕事内容
エステティシャンは、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか。
フェイシャルケア
フェイシャルケアケア(フェイシャルエステ)は、ニキビやシミ、毛穴の汚れ、乾燥肌などの肌のトラブルを改善させ美肌効果の施術と、小顔ケアのような顔を引き締める施術があります。
ボディケア
ボディケアは、全身を指圧やマッサージし美肌効果やリラックスを目的にする施術と、痩身(そうしん)を目的にする施術があります。
なお、フェイシャルケアとボディケアで、エステ業界の売上の8割を占めているとも言われているので、両方とも出来るようにしておけば、転職先に困らなくなります。
脱毛
脱毛は、光脱毛と呼ばれている光を肌にあてて毛根を抜けやすくする方法で、全身、または部分脱毛をする施術のことをいいますが、「脱毛エステ」という脱毛+美肌効果が同時にできる施術も人気があります。
また、同じ脱毛でもレーザー脱毛は、医療行為となるため病院やクリニックでしか行うことができず、費用が割高なので、最近はサロンで光脱毛する人が多くなっています。
カウンセリング
お客様が来店されたら、最初にカウンセリングを行い、お客様の肌の悩みや肌の状態などをチェックし、お客様の来店目的に合った提案を行います。
このカウンセリングをあやふやにしてしまうと、後で「内容が違う」とお客様とトラブルになり、お店やエステティシャンの評判が落ちてしましますので、納得のいくまで行います。
化粧品などの物品販売
エステティシャンにとって苦痛の種になるのが、化粧品などの物品販売で、エステサロンでは、物品販売にノルマがあるところがあります。
お客様に勧める以上、まずは自分で自腹で試したりして出費になることも・・・
営業活動
上記の物品販売と同様に、店頭でのチラシなどの配布をしたり、店内のPOP作成などをしたりと多少なりとも営業活動があります。
将来、独立してサロンを経営するのであれば、集客の勉強になりますが、負担に感じる人もいます。
エステティシャンの職場は多様化している
エステティシャンの活躍の場は広く、身近なところで働くこともできます。
エステサロン(エステティックサロン)
一番多いのが、エステを専門にしているお店で働くことで、働きながら美容の知識や施術の知識を身につけたり、オーナーや会社の信頼を得て店長を目指したりすることができます。
美容院
エステサロンの一部(フェイシャルのみ)または全部が併設された美容室もあり、カットやパーマ、カラーなどと一緒に身体の施術をすることができます。(もちろんエステのみ利用もあります)
ただし、美容院内では、美容師免許を持ってないと「施術が制限」されてしまいますので、将来の活躍の場を広げるために、美容師の国家資格取得にもチャレンジしてみてください。
温浴施設(スパ)
温浴施設(スパやスーパー銭湯など)でもエステサービスに力を入れており、女性の利用が多いところではエステコーナーが併設されています。
ホテル
ホテルでは、主に宿泊者を対象にしたエステサービスがあり、お客様の部屋に出向いて施術(主にボディケア)か、ホテル内のエステサロンで施術します。
特に、ホテルでは宿泊者が時間を持て余しがちなので、安定的に利用してもらうことができます。
エステティシャンになるためには?
エステティシャンの資格と、どうやったら働くことができるでしょうか?
エステティシャンの資格
エステティシャンには、国家資格がなく、また必須の資格はありません。
ただし、民間の協会が認定している「認定エステティシャン」や「AEA認定エステティシャン」などの資格がありますので、自分の実力を客観的に証明するために取得することが望まれます。
主な資格は次の通りです。
日本エステティック協会
認定エステティシャン資格
エステティックに関する理論・技術を理解し、エステティック業界の中核を担うエステティシャン
★資格取得方法
①エステティシャンセンター試験に合格
②技術力確認試験受験
③資格申請(協会認定校での300時間課程の修了、または実務経験3年以上)
認定上級エステティシャン資格
エステティックに関する理論・技術のすべてを理解し実践する能力を有しているエステティシャン
★受験資格
(1)当協会認定校において、1000時間以上コースまたはCIDESCO国際認定校コース(1200時間以上課程)を修了した者
(2)当協会認定校300時間コースを修了し、認定エステティシャン資格取得後2年以上の実務経験を有する者
(3)認定エステティシャン資格取得後2年以上、または通算5年以上の実務経験を有し、対策講座を受講した者
★試験内容
技術試験:フェイシャル・マニキュア・メイクアップ・ボディ・ワックス脱毛
筆記試験:4肢択一・マークシート式
認定トータルエステティックアドバイザー資格
プロフェッショナルとして高い志を持ち、業界をリードする指導的立場を担うエステティシャン
★受験資格
認定上級エステティシャン資格取得後、施術および接客、顧客管理などの実務経験が2年以上または通算5年以上あること
★試験内容
筆記試験:コンサルティング試験
実技試験:プレゼンテーション、ロールプレイング試験
(出典:日本エステティック協会「資格制度について」)
日本エステティック業協会(AEA)
AEA認定エステティシャン
基礎知識と技術を持ち、禁忌や注意事項を理解し安全な技術提供ができるエステティシャン
★資格取得方法
【 実務経験者 】
①エステティシャンセンター試験に合格
②技術力確認試験受験
③資格申請(エステティックに関連する実務経験(フェイシャル又はボディ)が1年以上ある方)
【 AEA認定校でカリキュラム修了者 】
①AEA認定校でカリキュラム300h時間履修
②資格申請
(出典:日本エステティック業協会「AEA認定エステティシャン資格について」)
エステティシャンになるための方法は3つ
スクールで学ぶ
エステの専門スクールか、美容の総合コースで学ぶ方法で、費用とまとまった時間が必要ですが、先生から直接学ぶことができるので、自己流で変なクセが付かないので確かな技術が身に付きます。
現在、昼間に働いている人は夜間コースで学ぶこともできますので、スクール卒業までは現在の仕事で頑張って、卒業と同時にエステティシャンとして転職するキャリアチェンジが可能です。
また卒業後は、スクールの紹介先で即戦力として働くことができます。
通信講座で学ぶ
通信講座では、スクールが実施している通信講座もあり、多くの場合、実技は集合教育(スクーリング)で学ぶ機会があります。
普段まとまった時間が取れないけど、コツコツ学びたい人向けの方法です。
エステサロンで働きながら学ぶ
エステサロンで未経験者として応募して働きながら技術を学ぶことも可能です。
働いて収入を得ながら学ぶことができることがメリットですが、見習いとして雑用が多かったりするとなかなか教えてもらえず、いつまでたっても覚えられなかったり、また、教えてくれた先輩たちの自己流の方法を覚えてしまうデメリットもあります。
エステティシャンの現状
仕事はきついがやりがいがある
エステティシャンは、華やかなイメージがありますが、体力がないと務まらない仕事です。
実際に、ボディケアでは全身の力を使ってマッサージするので、施術後は汗をびっしょりかくこともあります。
ただし、お客様が気持ち良さそうにしたり美しくなるのを見ると、自分のことのように嬉しくなり、頑張っただけのやりがいを感じられる仕事です。
お店によりノルマがある
お店によっては、施術や化粧品などの物品販売のノルマがあるところもあり、
「どうやって次の予約をとるか?」
「どうやって物品を販売するか?」
月末になるとノルマが頭痛の種になっている人もいます。
エステティシャンの給与は?
給与(年収)は、300~400万円が多いです。
決して高くはないですが、手に職を付けてしまえば、年齢に関係なく働けることが人気です。
美容のプロとして様々スキルを身に付ける
エステティックサロンも多様化していて、
- ネイル併設のエステティックサロン
- エステティックサロン併設の美容院
- ネイル、エステティックサロン併設の美容院
などが美容の総合サロンが増えてきていますので、ネイリストや美容師の資格を取得して、美容のプロとして活躍の場を広げることが可能です。
将来は独立開業を目指す
美容の技量を磨いたり自分のお客様を増やしたりして、将来は独立へとステップアップを目指すこともできます。
「夢は自分の店を持つ」ことを目標に頑張っている人も多いのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
憧れのイメージをお持ちの人も、実際の仕事内容を知ると大変な面も見えてきますね。
それでも、美容のプロとして活躍する場も多様化しているので、「一生もののスキル」を身に付けることで、結婚・子育て後も働くことができるのは魅力ですね。
気になる方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
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