(2020-6-22更新)

ヘルパーなどの介護サービスを受けるために、無くてはならない職業。

それが、ケアマネジャー(通称:ケアマネ)です。

ケアマネというと、介護のアドバイザーとのイメージがありますが、それだけない重要な任務を担っているのです。

例えば、自分で出来ることを手助けしてしまうと、能力低下や自立の妨げになってしまいますね。
過少でも過剰でもない、その人に合った介護サービスを提案できる能力が求められています。

今回は、介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事内容と、資格について解説します。

介護支援専門員(ケアマネジャー)とは

ケアマネジャーの正式名称であり、介護や支援を必要としている人やその家族から相談を受けて、本人の心身の状況に応じて適切な介護サービスを提案する職業のことです。

また、利用予定の介護施設の事業者との連絡・調整役を担い、最終的にはケアプランを作成します。

介護支援専門員の仕事内容

ケアプランの作成

ケアマネジャー

介護支援専門員の中心的な仕事がケアプランの作成です。
ただし、ケアプランは作成したら終わりでなく、お年寄りの心身の状況の変化に応じて、ケアプランの見直しを行って、状況の改善や自立できるようにすることが求められます。

ケアプランの作成の流れは次の通りです。

  1. 状況把握
  2. サービス事業者との話し合い
  3. ケアプランの作成
  4. 介護サービスを利用
  5. モニタリング(必要に応じてケアプランの修正

サービス事業者との連絡・調整

介護や支援を必要としている人に対して、介護施設を紹介したり、介護施設との連絡・調整といった役割があります。
また、入居後も、介護施設に対しての要望やクレームなども、入居者に代わって事業者に伝えることもあります。

介護支援専門員の職場

居宅介護支援事業所

「居宅ケアマネジャー(居宅ケアマネ)」と呼ばれ、独立して、または雇われて居宅介護支援事業所を拠点として働く介護支援専門員です。
居宅ケアマネジャーは、自宅で暮らす要介護者に対して、ケアプランを作成したり、月に1度訪問して心身の状況などの確認をし、心身の状況の変化に応じてケアプランを修正します。

介護施設

老人ホームなどで生活する入居者に対するケアプランを作成したり、相談したりするために、介護施設内で勤務する「施設ケアマネジャー(施設ケアマネ)」と呼ばれています。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、市町村や、市町村から委託を受けた社会福祉法人などが運営しており、上位資格の主任介護支援専門員が、社会福祉士、保健師と共に働いていて、地域に住むお年寄りの相談を受けたり、介護度の低い「要支援」の人たちにケアプランを作成したりします。

また、地域で活動している介護支援専門員の相談に乗ることもあり、地域のとりまとめとしての役割があるため、幅広く知識や経験が求められます。

その他福祉事務所、保健センターなど

他にも、市町村の福祉事務所、保健センターなどで、お年寄りの相談や調査などを行うなど、介護支援専門員の職場は多くあります。

(下に続く)

介護支援専門員になるためには?

介護支援専門員は、生活相談員のステップアップ先として、または看護師、社会福祉士、介護福祉士などから転身する人が多いです。

介護支援専門員になるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。
試験名が「実務研修受講試験」と書いてあるは、実務研修を受けるための試験だからです。

資格までの流れは次の通りです。

  1. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格
  2. 実務研修受講(87時間)
  3. 資格取得

★受験資格
1.保健・医療・福祉に関する法定資格者*としての実務経験が5年以上かつ900日以上
2.相談援助の実務経験が5年以上かつ900日以上

※平成30年の試験から、介護職員初任者研修、実務者研修では受験資格が無くなりましたので、介護ヘルパーで受験するには、介護福祉士の資格を取得している必要があります。

保健・医療・福祉に関する法定資格者
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士

★試験日
年1回(10月)※受験申し込みが6月頃までなので、5月頃には都道府県の介護・福祉課などに問い合わせが必要です。

問い合わせ先:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員

★受験料
9,200円(東京都)

介護支援専門員の給料と将来は?

給与はいくら?

ケアマネジャーの平均月収は以下の通りですが、何と言っても魅力なのが、60代でも現役で働けることではないでしょうか。

通常の会社では60~65歳が定年であることが多いですが、ケアマネは60代後半で現役の人も多いのが魅力ですね。

平均月給 255,264円(平成28年:所定内賃金)
※出典:介護労働安定センター「介護労働実態調査結果について

介護支援専門員からのステップアップ

介護支援専門員として経験を積んだ後は、介護支援専門員の上級職である「主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)」を目指します。

主任介護支援専門員になると、地域包括支援センターなどで、一般の介護支援専門員への助言や指導などを行う、介護支援専門員のエキスパートとして働くことが期待されます。

主任介護支援専門員になるための試験はなく、概ね介護支援専門員として5年以上の実務経験があり、「主任介護支援専門員研修」を受講・修了することでなれます。(各都道府県単位で実施)

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ケアマネジャーがしっかりしていると、過剰や不足のない適切な介護サービスを受けることができるだけでなく、身体の状態の変化に応じてケアプランを見直して、欲しいサービスを受け続けられます。

逆に、だらしない人だと、無駄な介護を受けたり、本来欲しいサービスを受けることができないなど、不満となるのではないでしょうか。

これから高齢化社会に向けて、益々重要度が増えてくるアマネジャーに挑戦してみてはいかがでしょうか?

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