(2020-7-25更新)

新たな活躍の場を求めて転職したが、

「なんか思っていたのと違う」

「転職しなければよかった・・・」

転職先がイメージしていたのと異なり、前の会社の方が良かったと思うことありませんか?

隣の芝生は青く見える」とはよく言ったもので、外からは良い面ばかり見えるが、入ってみると悪い面が見えてくるものです。

「一度退職した会社に戻ることは可能だろうか?」

実は、退職した会社に戻る、いわゆる「出戻り」をする人は意外にも多く、企業側もそれほど気にしていないのが現状です。

今回は、辞めた前の会社に戻る上で覚悟することと、不利にならずに賢く戻る方法について解説します。

辞めた前の会社に戻ることとは?

出戻り入社

新しい会社に入るということは、社風が違う職場で、仕事を覚えつつ人間関係を最初から構築する、こんな苦労を味わうことを覚悟しなければなりません。

入社したらすぐ活躍できると思ったのに

同じ職種でも全くやり方が違う

同じ会社でも違う支店に行けば、全く雰囲気が違うことってありますね。
ましてや別の会社にいったら、「別世界」と思うほど社風が異なる職場に、一人飛び込んでしまった時の不安といったら相当なものです。

  • 社風が合わない
  • 職場の人と合わない
  • 仕事内容が全く違う

こんな状況では、入社前に抱いていた期待が、一気に剥がれ落ちてしまうのではないでしょうか。

特に、前の会社で10年も働いれば、部下や後輩が「黙っていても」仕事のフォローをしてくれるので、スムーズに事が運んでいたと思いますが、新しい会社では手助けしてくれる人はいません。

それだけでなく、新しい会社では「新人」として入社するので、自分より若い社員に頭を下げて教えてもらったり、フォローしてもらったり、仕事1つ行うのに苦労することもあるともいます。

こんな中、人間関係を構築して、仕事の成果をださなければならいのは、精神的にキツイと思うのも当然です。

これなら、辞めないで前の会社に残っていた方が良かった

転職してから後悔しても後の祭りなので、これからどうやって乗り切るかを考えなければなりません。

辞めた会社に戻ることは可能

辞められた会社の採用担当者は、「辞めた会社に戻る(=出戻り)」のことをどう思っているかというと、

「辞め方に問題がなければ、再度採用することに抵抗はない。」

「求人に応募してきたら、過去に辞めた社員だからといって差別することはありません。」

意外にも、円満退社で辞めた場合は、戻ること自体は気にしていないようです。

辞めた社員を採用する企業のメリット

実は、辞めた社員を採用することは、企業にメリットが多いのです。

  1. 本人の素養が分かっているので安心感がある
  2. 本人の実力が分かっているので、即戦力として働いてもらえる
  3. 新しい社員を教育する手間が省ける

雇う会社側も、全く素養の分からない人物を採用するよりは、知っている人物を採用する方が安心できます。

もちろん、過去の仕事ぶりや、人間性に問題が無ければの話ですが。

前の会社に戻る手順

実際に戻ると決めたら、戻り方に気を使うことが重要です。

ダメな方法は「黙って求人に応募すること」です。

こんなことをしてしまうと、人事から「辞めたやつが応募してきた」を笑いものにされてしまうだけです。

事前に伺いを立てる

具体的には、働いていた当時の上司や人事の人に「他社で働いていましたが、〇〇という事情により、また入社させて頂けないでしょうか?」と事前の相談をしておくこと成功するためのコツです。

そうすれば、「今〇〇部門で欠員があるので聞いてみようか」と掛け合ってくれますので、スムーズに戻る道が開けてきます。

事前のお伺いが重要な決め手
  • 退職時の直属の上司
  • 親しくしていた他部門の上司
  • 人事部門の人たち

出戻り入社にあたって覚悟する5つのこと

1.同じ職場に戻れるとは限らない

通常は退職者がでると、新しい人を採用するか社内で人事異動させて、退職者の仕事を引き継がせます。

あなたが退職時に引継ぎをしたなら、その人があなたの行っていた仕事をしていますので、辞めた会社に戻ったとしても今までの仕事をする事ができません

例外はありますが、会社の人事では、一度引き継いだ仕事は、引継ぎを受けた人の仕事となるからです。

2.同じポジションで働けるとは限らない

今まで、係長で働いていたとしても、再入社したら係長になれるとは限りませんし、また、資格制度がある会社でも、退職時の資格に格付けされるとも限りません。

会社によっては、本人の本気度を見るために、敢えて1ランク下げた待遇を提示することがあります。

(下に続く)

3.給料が下がる可能性がある

給料についても同様で、同年齢や同ポジションの最低ランクの給料からスタートする場合もあります。

もちろん、待遇については今までの会社との貢献度や信頼関係などで変わってきますが、同ポジション・同給料で入社できることもあれば、ポジション・給料ともダウンして入社することもあります。

退職金は0からのスタート

再入社とは言え、入社1年目になるので、過去に何十年働いていたとしても、退職金は0からスタートします。

ただし、企業が「確定拠出型年金」を採用していた場合は、掛金が継続して払い込まれるので、過去の掛金が無駄になることがありません。

確定拠出型年金の詳細は、関連記事で解説しています。

【関連記事】

退職金前払い制度、現金支給と確定拠出型年金どちらが得?

4.部下や後輩だった人たちから指示を受けることになる

再入社はポジションが下がる事を覚悟しなければならないので、当然に、過去に部下だった人や後輩の下で働くこともあり得ます。

そうなれば、過去の部下や後輩から指示を受けることを覚悟しなければなりません。

5.周りから白い目で見られることも

あなたが辞める前にどれだけ会社に貢献して、周りの人たちから信頼されていたかにもよりますが、戻ってきたことに対して、後ろ指をさされたり、白い目で見られたりすることも覚悟をしなければなりません。

「周りの信頼が厚く、歓迎された」

ということを耳にしたことがありますが、ごく少数派でしょう。

(下に続く)

不利にならずに賢く出戻りする方法

辞めた会社に戻ることは、かなりリスクがある事が分かっていただけたかと思います。

でも、どうしても戻りたい場合に、この方法で戻れば、同等待遇で戻ることも可能なのです。

不利にならずに賢く戻る方法

他社で実績を上げる

一番確実なことは、転職先で数字になる実績を上げる事です。

転職先で実績を上げて、自分がひと回りもふた回りも大きくなってから戻ることで、再入社時の待遇が上がることも期待できます。

自分に足りないところを補って戻ってきた

と箔をつけることで、企業も評価せざるを得ない理由を作ることがコツです。

上位資格などを取得する

転職先で働きながら、今まで保有していなかった上位資格を取得してから戻ることで、再入社時の待遇が上がることが期待できます。

例えば、辞める前に経理部門だった場合、他社の経理部門で働きながら、日商簿記1級や税理士試験の科目別合格などの資格を取得してから戻るなどです。

数年間は戻らず頑張る

他社で実績を上げるにしても上位資格を取得するにしても、一長一短には行きません。

不利にならずに戻るには、それなりの実績やスキルが必要なので、数年は「辞めた会社に戻る」ために必死に頑張らないといけません。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

転職してから、「この会社違う」と思うことは誰でもあり得ることです。

隣の芝生は青いではありませんが、別の会社を経験してみて、以前の会社が「良い企業」と分かるものです。

そんな場合は、この記事で紹介した方法で「出戻り入社」をする方法も検討してみてください。

ただし、すぐ戻ってしまうと「不利な待遇」を提示されてしまいますので、ぜひ結果を出したり上位資格・スキルを身に付けたりして、「成長して」帰ってみてはいかがでしょうか。

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