(2020-6-22更新)

WEBディレクターと聞いて、どんな仕事を思い浮かべますか?

WEB制作の責任者?

現場をまとめる役?

テレビ番組制作のディレクターをイメージが重なる人もいると思いますが、WEBディレクターはプロジェクトマネージャーに近く、実際は20代のWEBディレクターも多く活躍しているポピュラーな職なのです。

今回は、実際のWEBディレクターの仕事内容や将来のステップアップについて解説します。

WEBディレクターとは

WEBサイトなどの制作プロジェクト管理・監督する人で、クライアント(顧客)との折衝やプロジェクト全体の管理をします。

プロジェクトの管理も幅広く、WEBデザイナーなどのプロジェクトメンバーの管理から、会議の司会進行、さらには出来上がったWEBサイトなどの品質管理まで、現場監督として幅広い権限と責任を持ちます。

WEBディレクターの仕事内容

WEBディレクター

WEBサイトの企画・提案

クライアントの要望、要求に最適なWEBサイトの企画をして、企画書やプレゼンテーションなどで提案をします。

単に企画・提案するのでなく、クライアントの利益が最大限になるように、コスト(制作コストと運用コスト)以外にも、SEO(*1)対策やセキュリティなど多くの内容を考慮しつつ、クライアントに満足してもらえる提案をします。

(*1)SEOとは、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略で、検索サイトでの露出を増やす取り組みのこと。

クライアントとの折衝

クライアントの希望、要求の聞き取りを通じて要求仕様をまとめ、基本・詳細設計の確定に至るまで、様々な折衝が行われます。

聞くところはしっかり聞いて、言うところはしっかり言わなければならず、反論や関係悪化を恐れて曖昧にしていると、最後に思い違いなどのトラブルを起こすことになります。

また、トラブルや納期遅延の時も、正確な情報把握を行い、クライアントに対して正直に伝えた上で、どうリカバリーするか、関係者をまとめる交渉力が求められます。

プロジェクトメンバーの統括

限られた時間と予算の中で、プロジェクトメンバーの選任を行います。

また、プロジェクトの管理責任者としてプロジェクト会議を主催、進行してプロジェクト内の問題やスケジュールを把握します。

トラブル時には、プロジェクトメンバーから報告を受け、原因を特定して対策を導き出す分析力が求められ、また、スケジュール遅延の時も、同様に原因の特定と対策をとり、周りを引っ張っていく力量が必要になります。

WEBサイトの品質管理

WEBサイトの品質というと、出来映えと思うかもしれませんが、もちろん見た目も重要ですが、サイトの応答速度、ユーザーの使い易さ、セキュリティなどあらゆる面での品質を保ったサイトを提供する責務があります。

WEBディレクターになるために

WEBディレクターに必要な5大能力

WEBディレクターに必要な能力

リーダーシップ

WEBサイトを制作するために、WEBデザイナーなどプロジェクトメンバーの能力を引き出しつつ引っ張っていく能力が求められます。

単に「俺に付いてこい!」では足りず、プロジェクトの目的を理解させた上で、メンバーが率先して協力してくれるように導いていく事が理想です。

プロジェクト管理能力

起こり得るトラブルやスケジュール遅延などを、事前に想定して

「こうなったら、こう対処する」

とリカバリー(挽回)やバッファー(余裕)をしっかり準備しておき、いざ起きた時に慌てず冷静に対処する能力が必要です。

コニュニケーション能力

クライアントや社内の営業部門、プロジェクトメンバーであるWEBデザイナーやコーダー、更には外注先など様々な関係者と十分に意思疎通を行うことが重要です。

いけないのは、「言ったつもり」、「分かってもらったつもり」で物事を進めてしまい、後になって「聞いてない!」とトラブルになる事です。

課題の発見や改善提案能力

クライアントへのヒヤリングを通じて、クライアントが真に抱えている課題を発見したり、また、アクセス数が伸びないなどの具体的な課題に対して統計的手法などを用いて問題点を見つけたりして、改善の提案ができる能力が求められます。

特に、改善の提案をする時には、数字を用いて金銭的なメリット(利益)を提示することが重要です。

WEBに関する幅広い知識

プロジェクト会議では、デザイン、コーディングなどの専門用語が飛び交いますので、最低限デザイン、コーディングの基礎知識が求められます。

また、SEO、セキュリティ、コンプライアンスの知識も基本的なところは押さえておかないと、デザインの著作権など後々問題が起こってしまう事もあります。

(下に続く)

WEBクリエイター、WEBデザイナーからのステップアップ

WEBディレクターは、未経験からなれるものでなく、WEBクリエイターやWEBデザイナーでWEB制作の実績を積まないと務まるものではありません。

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WEBディレクターの給料とキャリアアップ

WEBディレクターの給料は、実力と経験で大きく変わりますが、年代別の相場は以下の通りです。

  • 20代:25~30万円
  • 30代:30~40万円
  • 40代以上:35~50万円

もちろん、大企業と中小企業、経験年数、過去の実績などで大きく変わりますが、目安として参考にしてみて下さい。

WEBプロデューサーへのキャリアアップ

WEBプロデューサーになるためには、WEBディレクターとしての実績が買われて、昇進する方法が多くみられます。

それは、WEBプロデューサーが、WEBディレクターを管理する立場だからであり、上司と部下の関係と考えれば分かりやすいと思います。

そのため、数人のWEBディレクターを、1人のWEBプロデューサーが管理するので、WEBプロデューサーは狭き門であることが分かると思います。

しっかりと実績を積み重ねて、上司に認められるようにしましょう!

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

WEBディレクターは、WEB制作に携わる人にとって目標となるポジションではないでしょうか?

最初は、ECサイトの管理やWEBデザイナーとして実績を積みながら、将来的に管理するポジションに就けるようになることが多いので、現在の仕事で結果を残すことが、ディレクターになれる早道ではないでしょうか。

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