(2020-7-23更新)

社会人になると、上司やお客様と出張や商談で出かけると利用するのがタクシーです。

「どこに座っていいか迷う」

「スムーズなエスコートができない」

タクシーに乗るときの席次やマナーに自信がない人もいると思いますが、下座の人には座る場所以外にも大切な役割があるのをご存知ですか?

今回は、タクシーの上座・下座の位置と、心掛けておくマナーについて解説します。

タクシーの正しい席次

この記事では、乗車人数によるタクシーの席次と、荷物の積み込み、清算などの部下が行うべきタクシーのマナーについて紹介します。

2人で乗車の場合

タクシーに、「自分と上司」「自分と顧客」など、立場の違う2人が乗る時の席次は、基本的に次の図の通りです。(①が上座、②が下座)

タクシーに2人乗車する時の上座

上図の通り、上司や顧客が後部座席に座り、立場の低い人は助手席に座ります。

このように座ることで、上座である後部座席を独占することができるので、ゆったり寛げるメリットがありますし、助手席は、運転手への道案内や支払いをする役目があるので、下座に適しています。

ただし、このように乗車してしまうと、上司と部下とで会話がしにくくなるデメリットがあります。
例えば、顧客へ行くときなどはタクシーで事前打ち合わせをすることもあると思いますが、後部座席と助手席では何かと不便です。

タクシーに2人乗車する時の上座その2

上図のように後部座席に2人座ることで、「事前打ち合わせ」や「提出資料の説明」など、乗車中の時間を有意義に使うことができるメリットがあり、人間関係次第ではマナー違反とはなりません。

例えば、直属の上司部下の関係では、お互いに後部座席に座った方が都合がよいでしょう。
逆に、役員と平社員であれば、役員を後部座席に座ってもらい、平社員は助手席の方がベターと思われます。

管理人の経験では、「自分より2階級上まで」ならば、後部座席に一緒に乗っても大丈夫だと考えています。

一概決めつけられませんが、お互いの人間関係によって、助手席と後部座席を上手に使い分けることができると、ビジネスマナーも一人前です。

下座は助手席、後部座席どっち?
  • 助手席に座った方が良い:お客様、同乗者の役職が高い
  • 後部座席に座っても可:親しい関係、同乗者の役職が近い、先輩

3人で乗車の場合

タクシーに3人乗車する時の上座

後部座席が上座で、その中でも運転席の後ろ、助手席の後ろの順番に乗車してもらい、下座は助手席です。

もちろん、乗る順番も上座の2人に乗ってもらってから、最後に助手席に座ることを心掛けましょう。

(下に続く)

4人で乗車の場合

タクシーに4人乗車する時の上座

4人乗車の場合、後部座席が上座で、助手席が下座になります。

  1. 運転手の後ろ
  2. 助手席の後ろ
  3. 中央
  4. 助手席

実際、後部座席に3人座るって窮屈で、助手席が一番ゆったり座れるのですが・・・。
ビジネスマナーでは、窮屈な後部座席が上座ってことになっています。

女性がいる場合

後列に3人乗ってしまうと、隣の人と身体が触れてしまいますので、女性がいる場合は助手席に座ってもらう方が良いかもしれません。

上座下座というのは、相手に失礼にあたらない最低限のマナーであり、絶対的なルールではありません。

このビジネスマナーを踏まえたうえで、時と場合の応じて上手に使い分けられると、「あの人に任せると安心」と社内外から気配りが評価されるようになります。

(下に続く)

乗り降りのマナー

タクシーに乗車する時のマナーは、何も席次だけではありません。
目下の者が行う役割は、次の通りたくさんあります。

  • タクシーを止める
  • お客様や上司の乗車エスカレーター
  • 荷物の積み込み
  • 行き先を告げる
  • 停車場所を指示する
  • 料金を支払う
  • お客様や上司の降車エスカレーター
  • 荷物を降ろす・受け取る
  • 忘れ物のチェック

お客様や上司の乗り降りのエスコートや荷物の積み込み・積み下ろしなどは当然として、降りる場所にも気を使わないといけません。

例えば、東門・北門など入門ゲートが複数ある場合どこから入門するか、建物の出入口が2か所あるときは、どこから入るのかなど、細かいことを怠ってしまうと、タクシーを降りてから反対側まで歩くなんて失態を犯してしまいますから。

なお、タクシーから降りた後には、後部座席やトランクに忘れ物をしていないか確認する習慣を身に付けておいた方が賢明です。
忘れ物を取り行くのも手間ですが、上司は部下の細かい行動もしっかりチェックしていますからね。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最近は、昔ほど厳格に席次を気にしない人も増えてきましたが、最低限のビジネスマナーとして理解しておかないと、急な上客をおもてなしする時に、大恥をかいてしまいます。

もちろん、マナーの通りに行えば100点という訳ではなく、TPOに応じて、応用しなければならない場面もあるでしょう。

どんな場合でも、相手を不愉快にさせないことがビジネスマナーの基本ですから。

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