(2022-10-6更新)

福利厚生と聞いて、何を思い浮かべますか?

「社員食堂、社宅」

「うちの会社には、託児所がある」

福利厚生制度が充実している会社は、魅力的ですね。

最近は、「こんなものまで」というユニークな福利厚生制度を実施している会社もあるのです。

今回は、福利厚生の制度から、ちょっと変わったユニークな福利厚生まで紹介しますので、みなさんの会社選びの選択肢になればと思います。

福利厚生制度とは

企業が、従業員と家族に対して給与以外の金銭的価値を提供することで、心身を豊かにしたり、生活を向上したりすることを支援する制度をいいます。

福利厚生制度は2種類ある

福利厚生制度には、法律上で会社が行わなければならないものと、任意で行うものに分かれています。

  • 法定福利厚生制度:法律上の義務
  • 法定外福利厚生制度:企業独自の制度

法定福利厚生制度

法定福利厚生制度というと堅苦しいですが、何も珍しくもない「社会保険制度」の事で、次の5つの保険制度があります。

【 社会保険制度 】

  1. 健康保険
  2. 介護保険(40歳以上)
  3. 厚生年金保険
  4. 雇用保険
  5. 労災保険

なぜ社会保険が福利厚生制度になるかというと、そもそも社会保険制度が病気や介護、高齢、失業などの万が一の事態に備えるための制度であり、さらに、企業が保険料を全額、または半額負担しているので、労働者が払った保険料以上のサービスを期待できるからです。

社会保険はこんなにありがたい制度
  • 健康保険:病気やケガの医療費
  • 介護:要介護時の介助サービス
  • 厚生年金:高齢時の生活支援
  • 雇用保険:失業時の生活支援
  • 労災保険:労働災害時の補償

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企業が任意で実施している福利厚生制度

1.社宅・寮

会社が所有する住宅(マンション、アパートほか)を、従業員に貸し出す制度です。

社宅は、家族持ちか中高年の社員、寮は遠方出身の新卒が入ることが多く、最近は、会社が社宅を所有せずに、民間の住宅を借り上げて従業員に貸し出すことも多いです。

2.住宅手当

本人名義の持家、賃貸住宅に住んでいる従業員に支払われる手当で、住宅ローンや家賃(賃料)の一部を補助するものです。

「住宅手当が福利厚生?」と思われるかもしれませんが、住宅ローンや家賃を払っている人にとっては、なくてはならないものです。

実家住まいの人が、羨ましがる制度の一つで、不公平に感じる人もいますが、家を持つ人の生活を支援する制度ということですから。

3.扶養手当(家族手当)

扶養家族(配偶者、子ども、両親)がいる従業員に支払われる手当です。

具体的に金額は企業によって異なりますが、公務員の場合次の通りです。

  • 配偶者:6,500円
  • 子ども:10,000円(15歳まで)、15,000円(16~22歳)
  • 父母:6,500円

(出典:人事院「国家公務員の諸手当の概要」)

これも、住宅手当と同様に福利厚生制度になり、独身者に羨ましがられる制度です。

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4.食事補助

福利厚生制度

食事補助は、勤務時間中の食事を補助する制度で、社員食堂で安い自己負担で食べられたり、会社が契約している弁当業者から安い自己負担で食べられたりする制度です。

食事補助がないと、おにぎりや菓子パンなど栄養バランスの悪い食事をしがちになるので、金額に関係なく食事補助がある企業は、従業員を大切にしていると感じます。

最近は、社員食堂やお弁当といった食事以外にも、社食用の「チケット」を配って、社員がチケットを使えるお店で食べたりテイクアウトしたりする方法もあるのです。

なお、管理人は社員食堂がある企業に勤めていましたので、温かいご飯とみそ汁、栄養士さんが考えた栄養バランスのあるメニューに感謝していました。

5.健康診断、メンタルヘルス

大手企業に勤めている人は、会社が健康診断を実施するのが当たり前と思うでしょうが、会社が健康診断を実施していることが、実は、一部の企業のみだったのです。

社員自らで病院やクリニックで予約して、健康診断を受診していることが、実は、中小企業では当たり前です。

また、メンタルヘルスやカウンセリングも、福利厚生として、会社が医療機関と提携して実施することもあります。

6.共済会(互助会)、福利厚生サービス業者

共済会とは、福利厚生の相互扶助として、労使が共同で掛金を払って、慶弔、入院時のお祝い、お見舞金などを支出することで、企業内に共済会を設立する場合と、外部共済会に加入する場合があります。

また、共済会以外にも、(株)ベネフィット・ワンなどの外部福利厚生サービス業者に加入して、慶弔、入院だけでなく、旅行や教育などの様々なライフサービスを、企業に代行して行うこともできます。

7.企業内託児所

保育士

企業内か施設内外に託児所を設置して、従業員の子どもを預かる託児所が人気を集めています。

近年では、保育園に子どもを預けられずに、やむを得ず退職して子育てに専念する待機児童の問題がありますが、企業内託児所があれば、そんな心配がなくなります。

また、残業しても保育園が閉まってしまうことがないので、時計を見ながら仕事をする心配がなくなります。

一番のメリットは、保育園に子どもを預ければ、毎月何万円も保育料を払う必要があるが、企業内託児所なら無料格安で利用できることです。

8.社員旅行、会社イベント

社員旅行や花見、夏祭り、スポーツイベントなど、従業員が業務以外で英気を養ってもらおうと会社も力を入れている制度です。

管理人が働いていた会社も、ソフトボール大会やボウリング大会があり、みんなで大盛り上がりして楽しかった思い出がありますので、今まで参加されたこと無い人は、一度参加してみてください。

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もらって嬉しいユニークな福利厚生制度

1.誕生日休暇

誕生日休暇は、誕生日か誕生月に使える休暇をもらえる制度です。

社員の誕生日を会社がお祝いしてくれる制度は、会社が個々の社員のことを大切にしているとも言えるでしょう。

2.永年勤続表彰

従業員の長年にわたる勤続・貢献に感謝するための表彰制度で、会社が規定する勤続年数に達すると、表彰(状)と金一封などがもらえます。

永遠勤続表彰の具体的な褒賞例としては、次の通りです。

【 永年勤続表彰の褒賞の一例 】

  • 金一封(例えば、5年:5万円、10年:10万円など)
  • 特別休暇(例えば、5年:2日、10年:3日など)
  • 社長との食事会
  • 旅行チケット

上記の褒賞は組み合わせもらえることも多いです。(金10万円と特別休暇3日など)

3.ドリンク無料

従業員は、会社のドリンクコーナーで、コーヒーやお茶、ジュースなどを自由に飲める制度です。

また、ドリンクコーナーにお菓子スタンドが置いてある会社もあります。(有料ですが)

4.サイコロ給

サイコロの出目によって基本給が上乗せになる制度で、「基本給×(サイコロの出目)%」が、給与にプラスされます。

サイコロ給なんて、遊び心があって楽しそうですね。

(下に続く)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

就活や転職では、会社を選ぶ時に福利厚生制度を重視しますか?

こんな質問をすると、80%以上の人が重視すると答えるようです。

それもそのはず、福利厚生を金額に換算すると、年間何十万円にもなり、さらに託児所を利用すればその価値は100万円を超えることもあるのではないでしょうか。

就活や転職活動では、給与だけでなく福利厚生の金銭的価値を考慮した可処分所得で判断することも賢い方法です。

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